30代教員の転職 気を付ける5つのポイント

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元教員のぴーちょこです。今回は、30代の教員の転職についてです。

教員を辞めたいと思う時期は、人それぞれです。理由も人の数だけあります。退職なんて考えていなかったのに、30代になってから教員を辞めたいと思う人もいます。

でも、心配なのは、教員を辞めてよいのだろうか、転職先はあるのだろうかという不安だと思います。

今回は、「30代教員の転職 気を付けるポイント5選」ということで、転職の際に気を付けるポイントを5つ紹介します。なお、30代といっても30代前半と後半では大きく違います。一緒に別記事も参考にしてください。

目次

辞めようと思う気持ちを整理する

採用された年齢によって、経験年数の違いはあると思いますが、一般的に30代といえば、それなりの教員経験があり、中堅と言われる頃だと思います。

なぜ、辞めようと思うのか気持ちを整理しましょう。勢いだけで「辞める!」と考え、辞めてしまうと後悔してしまうことがあります。公立学校の教員は公務員ですから、給料も福利厚生もかなり恵まれています。

では、辞めたいという理由は何でしょうか。

・保護者や児童生徒のことでうまくいかない。

・職場の人間関係がうまくいかない。

・多忙すぎて、これ以上続けられない。

・教員以外にやりたい仕事がある。

もし、辛くて続けられないのであれば、まずは休むことも考えてみてください。休むことで、続けようか辞めようかゆっくり考えることができます。

結論から言うと、30代になると20代と比較して、転職先は限られてきます。また、転職した場合、給料は下がると思っておいた方が良いです。

もし、辞めるという決意がしっかりしているなら、30代からでも転職先を探すことができると思います。

自分の生活環境を確認する

今の自分の生活環境をきちんと確認しましょう。30代といえば、結婚や出産など、20代の頃と生活環境が大きく変わりやすい時期です。一番大切なポイントは、以下のことに集約されると思います。

退職してから転職するまで、しばらく生活することができるか。

公立学校の教員は失業手当が出ません。退職するまでに次の転職先が見つかればよいのですが、うまくいかない場合もあります。退職から転職までに空白期間ができると、その間は無収入になります。退職金は出ますが、勤続年数によるので、あまりあてにしない方が良いと思います。

それでは、家庭環境別に状況を考えてみましょう。

既婚、子どもありの家庭の場合

配偶者の収入がある場合

配偶者が正社員として働いていれば、ある程度の収入があるので、出費を抑えれば生活は成り立つと思います。ただ、働いていても月収が少ない場合、生活スタイルを大きく変更しなければならないかもしれません。

ローンがある場合は、毎月一定額が必要になります。

子どもにかかる養育費も、毎月一定額が必要です。

衣食住にかかわる生活費以外に、上記のローンや養育費も必ず毎月必要になります。特に、子どもにかかる費用は、自分が退職することで絶対に削りたくない費用です。

家庭生活を維持するために、毎月いくらの出費があるのか必ず計算しましょう。

配偶者の収入がない場合

この場合、家庭生活が回らなくなってしまうので、転職先が見つかるまでは教員を続けるか、配偶者にも働いてもらって収入を得てもらう必要があります。

家庭生活が大きく変化することとなるので、配偶者と十分な話し合いをしなければなりません。子どもを第一に考えることが大切です。

既婚、子どもがいない場合

配偶者の収入がある場合

子どもがいる、いないにかかわらず、一つの世帯として生活しているのですから、世帯収入がないと困ります。そのため、配偶者が収入を得ているかどうかは大切なポイントです。

子どもがいる家庭より生活費は節約しやすいので、転職先はゆっくり探せると思います。(子どもができると、本当にいろいろな費用がかかります。)

ただし、住宅ローンなど、毎月かかる多額の固定費がある場合は、注意が必要です。

いつまでも次の転職先が決まらないと、配偶者の不安や不満が高まるので、いつまでに転職先を決める!と宣言して転職活動を進めましょう。

配偶者の収入がない場合

子どもがいる場合と同じく、毎月一定の生活費は必要なので、配偶者にも働いてもらう必要があります。

退職金である程度生活できるのであれば、それをもとに3か月など期限を決めて、集中的に転職活動を行っても良いかもしれません。

転職してから、出産を考える場合

これは、主に女性に対しての話になります。転職してから出産を考える場合、転職先が出産してから復帰しやすい職場か、育休中の待遇はどうなのかという点を調べておくのが大切です。

産休、育休からの復帰が当たり前になってきているとはいえ、やはり公務員は産休、育休がとりやすい環境にある、また給与面や各種手当など好待遇であることを覚えておいてください。

未婚、実家で生活している場合

実家に生活費を入れている場合でも、基本的に衣食住の環境があるので、貯金があれば転職するまで生活できると思います。退職金もありますので、経済的な面を心配する必要はないと思います。ただし、ローンがある人は注意が必要です。

それよりも、実家に甘えてしまって、次の行動になかなか踏み出さないことがないようにしましょう。

未婚、一人暮らしの場合

実家暮らしと違い、毎月衣食住にお金がかかります。しかし自分一人なので、節約生活はしやすいです。

ただ、だれかに監視されているわけではないので、転職先を探すと言いながら、ダラダラ生活してしまう可能性があります。そうならないように、注意が必要です。

家族と話し合い、理解を得る

自分の生活環境を確認した上で、退職・転職をする場合、必ず家族と話し合いましょう。結婚しているなら夫婦同士で、未婚であれば親ときちんと相談しましょう。

周囲に反対されながらの転職はエネルギーが余計に必要です。ただでさえ、退職すること、転職することにはエネルギーが必要なのですから、生活基盤となる家庭にもエネルギーが必要となってしまうと、自分自身が参ってしまいます。

私自身も、妻と長期間にわたって退職するかどうかを決定しました。

なお、退職することを校長に伝えにくい場合、退職代行サービスを活用する方法もあります。

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即戦力のスキルがない限り、転職先は限定されると意識しておく

30代でも教員からの転職先の候補は、基本的に20代とものと変わらないと思います。

企業によっては、採用条件に「35歳未満(キャリア育成のため)」と表示されているところもあります。年齢が足かせになり始める年代ですので、注意が必要です。

30代の転職といえば、多くの業界は即戦力を求めています。教員一筋でやってきた人には、異業種への就職は20代以上に難しいと思われます。

即戦力となるスキルや資格がないと、転職先は限定されると考えた方がよいです。

逆に、英語やコンピュータなどのスキルがある人は、それらを武器に企業へアピールできると思います。

もちろん、30代で、教職とは全然違う業種に転職していった知り合いもいますので、無理だとは思いません。しかし、自分で転職先を探すのは大変ですので、転職サイトや転職エージェントなどを活用した方がよいです。

可能性を摘んでしまうのはいけないのですが、自分の家庭環境を考えて現実的にならなければいけません。自分がどんな仕事をやりたいのかということだけでなく、どんな仕事ならできるのかということも考えましょう。転職先を選ぶのは自分ですが採用するのは企業です。

教員として働いてきた人の多くに向いていると思われるのが、介護業界だと思います。一人一人と向き合うのは、子どもでも高齢者でも同じなので、アピールポイントになると思います。また、介護業界は人手が足りていないので、求人も多いです。

どうしても、全くの異業種を考えたいという人は、転職サイトに登録して、「未経験OK」や「ブランク不問」などの比較的間口を広げている企業を探しましょう。

転職先に何を求めるのか、はっきりさせておく

教員を辞めて転職するのには理由があります。「教員として働く今の状況を変えたいから」というのはどの先生にとっても同じです。ということは、今の状況にないものを転職先に求めているはずです。これを明確にして転職先を探しましょう。

20代であれば、とりあえず転職してみるという選択肢もあると思いますが、30代は慎重に転職先を決定したいものです。

「転職先に何を求めるのか」という視点で転職先を選ぶ場合の例を2つご紹介します。

教育と関係ない仕事がしたい

教師としての仕事内容に不満があり、教育とは別の仕事がしたいなら、数ある職種の中から、自分にできる仕事を選ぶことを考えればよいです。上記のように、即戦力としてのスキルがないと転職先は限定されてきますが、それでもいろいろな職種から選ぶことができます。

決められた労働時間内で働きたい

教員として長時間労働をしていたために、きちんと決められた労働時間内で働きたいという場合は、

  • 残業〇〇時間以内
  • 持ち帰り仕事が少なそうな職種
  • 勤務地

の3点を意識して転職先を考えるとよいと思います。

残業〇〇時間以内と大体の企業は明記しています。ある程度の残業は仕方がないと思いますが、教員時代の月100時間以上ということを考えれば、多少の残業は気にならないと思います。

製造業は、残業が少ない場合が多いです。繁忙期は残業が増える場合もありますが、それでも全体的には少なめです。逆に営業職や接客業などは、相手先の都合で予想外の拘束時間が発生する場合があります。二交代制などを取り入れている製造業であれば、さらに労働時間ははっきりしています。

ただ、労働時間については、「こんなはずじゃなかった!」という企業があるかもしれません。そうならないように、きちんと下調べをしておくことが大切です。

労働時間だけでなく、勤務地も考慮した方が良いです。なぜなら通勤時間も仕事による拘束時間だからです。自分の時間をできるだけ確保したいのであれば、通勤時間が短くなるように勤務地も考えましょう。

ただし、通勤時間を一人の時間としたいと考える人は、この限りではありません。

転職するのなら、今まで不満に思っていたことが転職先で解消されるようにしましょう。

それには、ご紹介した2つの例のように、転職先に何を求めるのかという視点を忘れないようにすることが大切です。

この視点がブレてしまうと、転職してもまた不満が出るかもしれません。

まとめ

30代からの転職、しかも教員はあまり企業から歓迎されないと言われる中での転職です。なかなか転職先が決まらないからといって、妥協して満足できないところに転職しては本末転倒です。

教員をやりながらの生活では、なかなか転職について考えることができません。また、30代という年齢を考えると、慎重にならざるをえません。結婚しているならば、家庭生活があるので、収入面での対応をしながら転職先を探すことが求められます。

・転職しても家庭生活は成り立つか。

・転職したら、収入が下がる可能性があるが大丈夫か。

・転職先が限定されてくるが、現実を見て転職先を探せるか。

周囲とよく相談して、納得のいく転職先を見つけてください。妥協しなければいけない部分はありますが、これは譲れないという部分は妥協しないようにしてくださいね。

以上です。あなたの参考になれば幸いです。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

元教員。
公立の小中学校で20年間勤務した経験を生かし、今をがんばる先生方を応援するサイトを作っていきます。

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