【実体験】退職後に非常勤講師をやってみました

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教員を退職した人の中には、非常勤講師としての働き方が気になる人もいると思います。

今回は、もう教員を辞めた先生、教員を辞めようと思っている先生方の中で、非常勤講師に興味がある方に向けての記事となります。

私は退職した後、非常勤講師を経験する機会があったので、そのことについて報告いたします。非常勤講師をやっていこうかなあと考えている人の参考になればと思っています。

私がその時に得た給料明細も一部公開したいと思います。

なお、今回の記事は令和元年度のことです。令和2年4月から施行された「働き方改革関連法」は関係していませんが、十分参考になると思います。

目次

非常勤講師をすることになったわけ

非常勤講師として働くことになった理由は、ある小学校に勤める知り合いからの電話連絡でした。

「療養休暇をとる人がいるから、もしできるなら助けてもらえない?」

即答はできなかったので、一旦電話を切らせてもらいましたが、時間的な余裕はあったので妻と相談しました。 すでに退職してから数か月たっており、精神的にも身体的にも元気を取り戻していました。 ということで、「やってみよう!」ということになりました。

今度はこちらから電話をし、引き受ける旨を伝えました。翌日にはその小学校へ行き、校長先生や事務職員と手続きについて話をしました。療養休暇の補助ということで、早急に助けが欲しいとのこと。知り合いから電話がかかってきてから3日後には仕事開始となりました。

仕事内容や給料などは?

仕事内容

仕事内容をまとめると、以下のようです。

  • 週24コマ勤務(月~金までのうち、4日間が5コマ、1日が4コマ)
  • 勤務時間は、8:55~15:00ごろまで
  • 主な仕事は、算数の補助と特別支援学級の補助

1日だけ4コマの日があるので、その日は午前中の勤務で終了です。給食を食べることができるのですが、あえて頼まないで帰り道に一人ランチを楽しみました。

ぴーちょこ

教員時代にはなかなかできなかった平日ランチ。たまにはいいでしょ。

主な仕事は、算数の補助と特別支援学級の補助でした。

算数の補助は、高学年を中心に授業に入りました。補助なので、当然授業は担任が行います。ですから、自分の役割は個別指導のみです。授業準備をする必要はないので、とても楽です。

空き時間も作っていただいていたので、その時間は算数のテストの採点をしていました。

算数以外の時間は、特別支援学級の補助に入りました。もともと、担任以外にも特別支援学級の支援員さんもいたので、自分がやることはあまりありませんでした。時々入って、お手伝いをするという感じでした。

5コマ勤務の日は、給食を食べます。最初は職員室で食べていたのですが、教務主任時代を思い出し、何かむなしくなってきました。そこで、途中から特別支援学級で一緒に食べさせてもらうことにしました。

給料

まずは、下の給料明細を見てください。7月の給料明細です。一部しか載せていないのは、ご容赦ください。

非常勤講師の給料は、コマ換算です。私の場合は、一コマ約3000円でした。

1コマ約3000円なので、週24コマで、週当たりの給料はおおよそ72,000円となります。1日5コマの日であれば、日給15,000円、4コマの日は12,000円です。

まあ実際は、学校行事の都合等で勤務日数や勤務時間が削られるので、計算通りにはいかないのですが、おおよそそのくらいもらえます。

非常勤講師なので、夏休みは仕事がありません。しかも、夏休み前は、保護者懇談などで短縮授業の日が多く、勤務時間も短い日が多くありました。

ということで、7月の勤務日は、14日間。それでも給料は、なんと180000円くらい…。ちょっとおどろきです。少ないから驚いたわけではありません。

時給換算したら、確実に正規として働いていた頃より好待遇です…(涙)。

非常勤講師をやってみた感想

ぴーちょこ

正規教員として働いていた頃と比較しての感想ですので、そこはご理解ください。

ダラダラ仕事はなし!勤務時間内で!

まずは、この点につきます。コマ数での契約ですので、遠慮せず勤務時間で帰ればよいと思います。というか、帰りましょう!

私の勤務時間の開始は、朝の職員打ち合わせ時刻より後でした。そのため、朝の打ち合わせには出ていません。本当は出た方が1日の流れがわかってよいのですが、そこは非常勤講師ということで割り切って、職員の打ち合わせ後に出勤しました。

もし、ここで朝の打ち合わせから出勤したら、正規として働いていた頃と変わらなくなってしまいます。必要だと感じれば、朝の打ち合わせに参加すればよいと思います。私は、参加する必要性を感じませんでした。

出勤すると、私の机の上に、1日の仕事が記載されたメモが置いてありました。それにしたがって、仕事をすればよいのです。あくまで補助として各学級に入るだけなので、特に不都合を感じませんでした。

帰りはもちろん、定時に帰ります。算数のテストの採点が終わらない場合は、次の日に回しました。もちろん、担任の先生には一言言っておきました。

ともかく、自分は非常勤講師だという意識を常に持ち、勤務時間を守って仕事をするようにしていました。

まじめな教員ほど、勤務時間を超えて「子どものために」と働いてしまうものですが、私は「非常勤講師として雇われている」ということを常に意識していました。自分の立場をわきまえ、勤務時間を守っていました。

もし、私が非常勤講師なのに、大幅に勤務時間を超えて働いていたら、他の非常勤講師に迷惑をかけてしまいます。

ぴーちょこ

ぴーちょこ先生は、勤務時間を過ぎてもいろいろやってくれる。あの非常勤の先生は定時に帰って、なんか熱意がない感じ…。」という空気を作ってはいけない!絶対に!

それに、管理職にとっても定時で帰ってほしいはずです。正規の教員は、雀の涙である給特法があります。しかし、非常勤講師はそういったものがないので、勤務時間を大幅に超えての勤務は、管理職は嫌がりますよ。

子どもと関わることに専念できる

非常勤講師は、校務分掌を担わないので、子どもと関わることに専念できます。学校運営に関する様々な仕事をしなくてよいのですから、正規の時とは負担が雲泥の差です。

ただし、子どもと関わることに専念できるといっても学級担任ではないので、どうしても子どもとの関りは薄くなってしまいます。学級担任のように、一歩踏み込んで指導することがためらわれます。

ただ、子どもと一定の距離感をもって接する方が気楽という人には、とても向いていると思います。

責任が重くない

仕事内容と同じく、責任も重くありません。

まず、子どもとの関わりが薄くなる分、直接生徒指導をする機会は多くありません。その場で直接指導が必要な緊急の場合は別ですが、基本的には学級担任に報告して、担任から指導をしてもらいます。

保護者の対応をすることも、基本的にありません。正規で働いていた人であれば、大なり小なり保護者対応に苦慮した経験があるはずです。しかし、非常勤講師はそうした負担となる保護者対応がありません。

校務分掌もないので、自分の仕事が学校運営に影響を与えることもありません。

やりがいを感じるかは、人による

「時間を決めて、子どもたちと関わる仕事」と割り切れば、正規で働いていた人にとっては、経験を生かせるとてもよい仕事だと思います。また、仕事内容を新しくおぼえる必要がないので、現場も即戦力として考えてくれます。引け目を感じることなく、仕事ができるのではないでしょうか。

ただ、子どもと密接に関わりたいという人には、やりがいを感じにくいかもしれません。ただ、教員という仕事の辛さを経験した人にとっては、非常勤講師くらいの子どもとの関わり、仕事量の方が、やりがいを感じながら働けるのかもしれません。

私も最初は戸惑いましたが、自分の仕事をしっかり理解し、できることを勤務時間内でやろうと決めてからは、メリハリのある仕事ができるようになりました。

非常勤講師として働くための注意点

非常勤講師の待遇や仕事については、ここまでをお読みいただければ理解していただけると思います。 それ以外に注意していただきたいことをまとめます。

非常勤講師の雇用元がどこか

非常勤講師の雇用元がどこかによって、給料が大きく違ってきます。私の場合は、都道府県の教育委員会の採用でした。そのため1コマ3,000円くらいでした。

しかし、市町村単位での採用ですと、安ければ時給で1,000円くらいの場合もあります。そうなると、本当にパート・アルバイトの感覚です。

非常勤講師の募集人数は、都道府県によって違いがあるので、注意が必要です。

勤務時間はどれくらいか?

非常勤講師の給料は、コマでの支払いとなります。勤務時間、つまり何コマの仕事なのかというのが、そのまま給料に反映します。

私の場合、週当たり24コマでしたが、週当たり6コマの非常勤講師を紹介されたこともあります。単純に4倍違えば給料も4倍違うわけです。

ですから、ある程度まとまった収入が欲しいのであれば、時間数の多い条件を探さなければなりません

また、気を付けなければならないのは、拘束時間です。

週当たり6コマの仕事でも、1日3コマなら2日間、1日2コマなら3日間となります。つまり、拘束される日数が違います。他の仕事と掛け持ちするなら、注意しなければなりません。

ぴーちょこ

ただ、正規教員として長く働いていた人は、独自のコネでよい条件を獲得できるかも。知り合いの校長先生とかに頼むなど…。

デメリットは人によってはメリットに!

上記の2点は、通常はデメリットと考えられます。しかし、良い方に考えれば、働き方を選択できるということでもあります。

市町村単位の雇用であれば、都道府県単位の非常勤講師よりも仕事を見つけやすいでしょう。 また、勤務時間が多いか少ないかは、自分のライフスタイルに合わせて選ぶことができるということでもあります。

まとめ

非常勤講師の実体験について、ご紹介してきました。それでは、私が感じたメリット・デメリットを簡単にまとめます。

・勤務時間内で、メリハリのある仕事ができる。
・責任が重くなく、心理的負担が少ない。
・校務分掌がないので、教えることに専念できる。
・長時間労働の正規教員より、時給換算では確実に上。

・やりがいを感じられるか、人による。
・契約条件(働く時間数)によって、収入が大きく違う。
・教員の人手が足りていないとはいえ、雇用が安定しているとはいえない。

ぴーちょこ

生活スタイルによっては、非常勤講師はとても魅力的な働き方ですよ。

私の実体験が、この記事をご覧になっている方の参考になればうれしいです。

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この記事を書いた人

元教員。
公立の小中学校で20年間勤務した経験を生かし、今をがんばる先生方を応援するサイトを作っていきます。

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