私の音楽人生に多大なる影響を与えたバンド、それがAIONです。
IZUMIさんのギターを始めて聞いた時の衝撃は忘れようもありません。ここで、IZUMIさんについて語ると、アルバムの話にたどり着かないので、IZUMIさんについては別記事にしたいと思います。
さて、「AIONの歴代アルバムでどれがおススメですか?」と聞かれたら、AIONファンのみなさんはどう答えますか?
この記事では、ボーカルにNOVさんが加入してからのアルバムについて、時代順に紹介していきます。その中で、私の独断と偏見でどんなアルバムか紹介します。そして、最後に私的なランキングを紹介します。
これからAIONを聞きたい人、過去に聞いていたけどもう一度聞いてみたくなった人、聞いていないアルバムがある人の参考になればと思っています。
なお、私はAIONが大好きなので、どうしても主観的な感想になりがちですが、できる限り客観的な視点で、「ここはこうだともっといいのにな」という点も素直に書きたいと思います。
それでは行きましょう!
HUMAN GREIFMAN
AIONを語るなら、絶対に聴くべきアルバムです。1曲目の「THINK EVER AFTER」からヤバいです。速いです。曲も速けりゃギターソロも速いです。速いというか、とにかくすごいです。
どの曲もカッコいいのですが、ラストの「JUSTICE FOR DIE」のギターリフがめちゃくちゃカッコいいです。
あと、ギタリストは「PETER」を聴かないわけにはいきません。このアルバムから「PETER」の歴史が始まります。過激な音とメロディアスなソロ、そしてIZUMIさんとわかるフレーズ。短時間の中にIZUMIさんのセンスが詰め込まれています。
MA-G-MA
5曲入りのミニアルバムですが、ライブでは欠かせない「Windy」「Gasp For Breath」「Ma-G-Ma」の3曲が収録されており、中身の濃いミニアルバムです。
「Windy」のギターソロのメロディセンスがめちゃくちゃいいんですが、ソロの後半はライブバージョンの方が過激で私は好きです。
IZUMIさんあるあるだと思うのですが、アルバムよりライブの方がギターソロが速かったり過激だったりします。
ライブになると演奏がぐちゃぐちゃになるギタリストも多い中、ライブの方がすごいソロを弾くあたり、さすがテクニシャンです。そして、良い意味でIZUMIさんは変態です。それに魅了される私を含めたギタリストも多分変態です(笑)。
AIONISM
メジャーデビューして、最初のアルバムです。
故S.A.Bさんが作曲した「S・S・S」は疾走感あふれた曲で、カッコいいです。
インディーズの頃と比べ、ミディアムテンポの曲が多く、AIONの変化を感じさせる1枚だと思っています。
多分少数派だと思いますが、私はこのアルバムで「MY PLACE」が好きです。ギターとベースのユニゾンは鳥肌ものです。
そしてアルバムの最後に収録されている「致命傷」。これもいい!何がいいかって、ギターリフがめちゃくちゃ速い!あんなに速く刻めませんって!
愛音~AION~
多分、一般的に一番受けるのは、このアルバムだと思います。
その理由は、ボーカルのメロディラインがとてもメロディアスな曲ばかりだからです。
このアルバムを聴けば、IZUMIさんが「すごいギタリスト」というだけでなく、「すごいコンポーザー」であることもわかるはずです。
「愛音」はもちろんのこと、ラストのバラード曲、「I’LL BE LESS」のメロディラインの美しさは、本当に聴き入ってしまいます。ロックバラードの名曲だと思っています。エンディングソロも美しいです。
聖・愛音
4曲入りのミニアルバムです。アルバム名の通り、「愛音」の延長線上にあるサウンドです。
DEANさんの作曲による「DECADANT LOVE SONG」は、ポップなナンバーで、キャッチーなメロディーが印象的です。
4曲しかないということで、どうしてもお腹いっぱいにならないのが残念なところです。
この作品を最後に、ドラムのS.A.Bさんが脱退します。
Z (zetto)
このアルバムから、ドラムが愁さんになります。
愁さんとS.A.Bさんの違いは、私なりにざっくり言うと、
S.A.Bさん
重い、太い音
愁さん
速い、テクニシャン
という感じです。
個人的には、愁さんのドラミングが好きです。ただ、これまでのAIONのアルバムを聴いてきた人がこのアルバムを聴くと、「ドラムの音が軽い!」と思うようです。
ドラムのセッティング、チューニングによる音の違いなのですが、S.A.Bさんの方がよかったということを言う仲間が私の周りにいました。
でも、愁さんのテクニカルなドラミングで、新たなAIONが始まったアルバムだと思います。
曲は、インストナンバーから始まり、激しい曲、キャッチーなメロディの曲など様々です。
また、このアルバムから「DEATHRUSH BOUND」の表記がなくなります。しかし、曲を見ていくと…「D・BOUND」という曲が入っています。
このアルバムは、バンドスコアが発売されたので、「SEA OF YOUR EYES」を当時やっていたバンドでコピーしました。懐かしいなあ。
今でも大事にバンドスコアをとってあります。
Absolute
このアルバムは名曲ぞろいです。何回聴いたかわかりません。
曲の疾走感、ギターソロの過激さ、ギター、ベース、ドラム、そしてボーカルのハイレベルな演奏、全てが高次元でまとまっています。
当時、世の中はビジュアル系バンドがたくさん出てきた時代でした。メイクをして、何となくそれっぽい曲を作れば、ある程度知名度が上がってデビュー、またはメジャーまでいかなくてもインディーズである程度の人気は得られる時代でした。
ぶっちゃけ、演奏力が高校生並み?というくらい演奏レベルが低いバンドがありました。
しかし!AIONは違う!と若かりし頃の私に強烈なインパクトを与えたアルバム、それが「Absolute」です。
1曲目の「Anguished Heroes」、2曲目の「Elegant Fear」を聴けば、ギタリストはやられると思います。とにかくカッコいい曲がいっぱいです。
ラストの曲「Peter ~the seventh movement for eternity~」は、個人的にPeter史上、最も美しい曲だと思います。
FREAK OUT
まず、誰もがジャケットのインパクトにビックリすると思います。
レジへ持っていき、値段を見ようと店員がCDの裏を見たら…、きっと恥ずかしくて買えなかった子が全国に何人かはいると思います(笑)。
でも、そんなジャケットとは裏腹に、故和田アキラ氏が関わったこのアルバムは、前作に引き続き、テクニカル要素満載なアルバムに仕上がっています。
ギターとベースのユニゾンがカッコいい「TURN THINGS UPSIDE DOWN」、イントロからカッコいいミディアムナンバー「SAVE ME」など、変化に富んだアルバムです。
和田アキラ氏とIZUMIさんのギターバトルが聴ける「PETER8」、「ACROSS MY ROAD」は必聴です。AIONのアルバムで、IZUMIさん以外がギターを弾いているのってこのアルバムだけ?
MITHRAS
インディーズに戻ってから、初のアルバムです。
NOVさんとIZUMIさんの2人だけということで、ドラムは打ち込みです。
この打ち込みが、ドラムの生音っぽい打ち込みではなく、電子音が明確な打ち込みであることで、全体的に単調な感じを受ける人が多いと思います。
前述の通り、私はAIONのドラマーとして愁さんが好きなので、どうしても物足りなさを感じてしまいます。また、AIONのライブの過激さを知っているだけに、リズム隊も生音がいいと思ってしまいます。
曲も、メジャーの時と違って、メロディアスな曲があるわけではないので、メジャーのころのAIONが好きという方は、聴けないかもしれません。
「愛音」のアルバムが好きな人だと、あまりの違いにショックを受けるかも。
また、音質もよくありません。
ただ、IZUMIさんがやりたかったことを思い切りやっているという点で、このアルバムはコアなAIONファンは聴くべきだと思います。
にわかファンは手を出さない方が無難です!
EVE
サウンド的には、前作のMITHRASと同じような感じですが、今作は前作と大きく違うところがあります。
それは、
若干、歌がメロディアスになったこと
といっても、前作と比較してのことなので、メジャーの頃とは違います。
ただ、「LOVED LIVING FREE」はNOVさんの歌声が染みるバラードです。
何かの雑誌記事で読んだ覚えがあるのですが、この「LOVED LIVING FREE」と「PETER」はボーナストラック的な扱いとのこと。
相変わらずIZUMIさんは、書こうと思えばものすごく美しいメロディラインを書く人なんだなと思いました。
抹殺の儀式・殺傷の礼儀、死線の裁き
三部作のアルバムです。本当は一枚ずつ取り上げるべきなのですが、まとめて取り扱います。
どうしても、三枚とも同じような曲調に聞こえてしまうので、一般のAIONファンにはおすすめできません。
このアルバムもドラムが打ち込みなので、「MITHRAS」「EVE」同様、単調な感じを受けます。
ただ、「CEREMONY OF CROSSOUT」のような名曲もあるので、コアなファンはじっくり聴いてください。
MAGUNITUDE
このアルバムは、ドラマ―として愁さんが参加しています。同時にベースにはDEANさんが参加しています。
バンド形式になったとはいえ、音は相変わらず独特のミックスがされています。
LUNA SEAのメンバーがコメントを寄せているのですが、メンバーの誰かが「どこにもない音」と表現していました。まさしくその通りです。多分、好き嫌いは分かれると思います。
日本語版、英語版、完全英語版とありますが、基本的には歌詞の違いとボーナストラックの違いです。
おススメは、アルバムタイトルにもなっている「MAGUNITUDE」です。イントロからメチャクチャカッコいいです。
「JAIL HOUSE」のエンディングソロのメロディも大好きです。
SISTER
このアルバムでは、愁さんに代わってS.A.Bさんがドラムを叩いています。
前作がわりと疾走感のある曲が多かったのに対し、このアルバムはヘヴィなミディアムテンポの曲が多いです。
音質は相変わらず独特ですが、打ち込みの頃よりはいいです。やはり打ち込みよりバンド形式の方が個人的には好きです。
亡くなったS.A.BさんのAIONでの最後の作品となります。
NINE BELLS
ドラムにサポートメンバーを入れて、インディーズに戻ってからのアルバムの中からセルフカバーしたアルバムです。
セルフカバーアルバムだからといって、あなどらないでほしいです。これまでのアルバムと違い、ライブに近い感じの生音感がカッコいいです。
こんな感じのアルバムを待っていたんですよ!
もしこれが、「MITHRAS」の頃からやっていたらと思うと、残念でなりません。
とにかく、インディーズに戻ってからのAIONを聞きたければ、この1枚をおススメします。
AIONのアルバムは、どうしても思い出補正で、古いアルバムがお気に入りのアルバムになりがちなのですが、本当にこのアルバムはカッコいいです。
まとめ(個人的なランキング)
さて、ここまで主観的な感想を述べてきました。わかりやすくするために、AIONのアルバムをおススメランキングにしたいと思います。
1 Absolute
2 NINE BELLS
3 HUMAN GRIEFMAN
4 愛音
5 FREAK OUT
6 Z
7 MA-G-MA
8 AIONISM
9 MITHRAS
10 EVE
11 MAGUNITUDE
12 SISTER
13 抹殺の儀式・殺傷の礼儀、死線の裁き
14 聖・愛音
現在では、入手困難なものも増えてきました。
AIONを聞くなら、メジャーならAbsolute、デビュー前のインディーズ時代なら、HUMAN GRIEFMAN、後期インディーズならNINE BELLSをおススメします。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。