元教員のぴーちょこです。
今回は、学習曲線についてお話します。
この記事は、以下の方におススメします。
- 現役の教師
- 受験生をもつ保護者
- 受験生

成績を伸ばしたい!伸ばしてあげたいと思う人に読んでいただきたいです。
学習曲線は、教師なら知っている人が多いと思います。学習曲線とは何かというと、
学習の期間と学力の伸びを表したもの
です。この記事では、学習曲線について専門的な説明をせず、できるだけ簡単に説明していきます。
私は教員として、たくさんの児童生徒を見てきました。そうした経験を踏まえながら、学習曲線と勉強方法、勉強時期などについてまとめていきたいと思います。
成績アップ、受験合格のためには、学習曲線を理解しておくことが大切です。



学習曲線を理解しておくと、効果的な勉強やモチベーション維持に役立ちますよ。
学習曲線について パターン①
まずは、以下の学習曲線をご覧ください。


縦軸が学力、横軸が月数を表しています。
順調に学力が伸びる時期がある一方で、学力が伸びない時期があります。
この伸びない時期を「プラトー(高原期)」と言います。
学力は、勉強をした期間に比例して伸びていくのが理想ですが、実際はそうなりません。
このような学習曲線を描くのは、以下のような状況が挙げられます。
- 中学校の社会科で、これまで全く勉強をしてこなかった生徒の学力
- 家庭学習が習慣化していなかった小学校低学年の児童の学力



暗記が中心の教科や、ほとんど勉強をしてこなかった子が該当しやすいです。
例として、「中学校の社会科で、これまで全く勉強をしてこなかった生徒の学力」で説明します。
学習を始めた当初は、暗記できていないことがたくさんあるので、勉強した分だけどんどん学力は伸びていきます。当然、テストの点も急激に上がります。そのため、勉強している本人も学力が伸びていることを実感できます。
しかし、ある一定の水準から学力が伸びにくくなります。プラトー現象です。点数で言うと、80点を超えたあたりです。
80点から上の点数をとりたければ、教科書の細かい部分まで暗記したり、記述式の問題に対応できるようにしたりする必要があります。
実は、ここからが大変なところで、努力に対して点数が伸び悩むので、学習への意欲を失いやすくなります。
しかし、ここを乗り越えると、テストで90点以上をとることができるようになるでしょう。ここまでくると、プラトーの先へ進み、また学力は伸び始めます。
上記の学習曲線では、学習を始めて6か月後くらいから急激に学力が伸びていますが、個人差があることをご承知おきください。
学習曲線について パターン②
続いて、下の学習曲線をご覧ください。


私が教員だった時、中学3年生にはこの学習曲線を提示していました。
「受験が近くなって学習しても遅い」ということを伝えたいので、4月から踏ん張って勉強しなさいと話していました。
ただし、教員としての経験上、中学3年生になってから勉強しても学力は伸びますが、テストでの学年順位はなかなか上がらない子がほとんどです。なぜかというと、
周りの生徒も勉強するようになるから
です。
勉強しているので、当然学力は上がっているのですが、テストの順位が上がりにくいので、相対的に自分の学力が伸びていることを実感しにくいです。ですから、学習への意欲が下がってしまう生徒もいました。
学習曲線を意識した学習の進め方
さて、2つの学習曲線のパターンを示しましたが、個人的には、パターン②の学習曲線の方を意識してほしいと思っています。
なぜかというと、理由は2つです。
- 勉強は早めに始めた方が成績の伸びが大きい
- 勉強してもすぐに成績が伸びないことを覚悟してほしい
中学校入学、スタートダッシュが最も大切!


私の経験上、中学校入学後、スタートダッシュに成功した生徒は、卒業時まで成績を伸ばしていくことはあっても、落とすことはあまりありません。
その最大の理由は、
最初のテストの順位が、その子にとってのスタートラインとなるから
例えば、最初のテストで100位だった生徒は、次のテストで75位をとれば満足できるでしょう。
もし最初のテストで50位をとった生徒は、75位をとったら落ち込むでしょう。
最初のテストの順位がスタートラインとすると、同じ75位でもその子にとっての価値は大きく異なります。
中学校の3年間はあっという間です。スタートラインとなる最初の順位が良ければ良いほど、成績が下がらないようにと努力できます。



小学校の時はあまり成績が良くなかったんだけど…最初のテストでよい順位をとる自信がない人は?
小学校の時にそれほど成績が優秀でなかった生徒も、学習曲線のように、入学から半年後くらいには学力をどんどん伸ばしていきます。
実際に受け持った生徒を紹介します。
この生徒は、中学校3年生の時に、ほとんどの教科が5段階評価で5でした。学年順位は常に1桁を争うところにいました。
しかし、この生徒、中学1年の最初の頃はオール3くらいの成績でした。最初のテストの順位は、真ん中より少し上くらいでした。
しかし、中1の4月から努力を続けてきたことで、中1の終わりごろからどんどん成績が伸びていきました。そして、学年でも屈指の学力をもった生徒に成長したのです。
プラトーの期間は、学力が大きく伸びた証だと前向きに考える


努力を続けていけば、確実に学力は伸び、成績も上がっていきます。
しかし、これまでに紹介したように、学力は比例のグラフのようには伸びていかず、プラトーという停滞期間に直面します。
プラトーの期間になると、努力しても学力の伸びを実感しにくく、モチベーションを維持するのが難しくなります。
しかし、プラトーが来たことを「自分の学力が大きく伸びた証だ!」と前向きに捉えることが大切です。
プラトーの期間は、本人も保護者も焦らず、辛抱強く努力することが重要です。特に保護者は、成績が伸びないことを子どもの努力不足だと思ってはいけません。



努力している本人が悩んでいるのに、追い打ちをかけたら自信を無くすだけです。
今は我慢の時、ここまで大きく学力を伸ばしたのだから、まだまだ伸びる!と前向きに考えるようにしましょう。
最後に
ここまで、学習曲線とそれを意識した学習の進め方について話をしてきました。
学習曲線から言えること、それは、
学力はすぐには伸びていかないこと
プラトーという学力が伸びない期間があること
です。
結論。
できるだけ早くから学習を始める。中1の4月、スタートダッシュが大切!
プラトーの期間を前向きに捉え、焦らない!
コツコツと努力を積み重ねていける人は、プラトーの期間を乗り越えて学力を伸ばしていきます。がんばりましょう!
◆スマイルゼミ◆中学生向け通信教育









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