元教員のぴーちょこです。
小学校入学前に、どんなことを準備しておけばよいのだろう、と気にする親はたくさんいます。
特に、初めての小学校入学だと、子ども以上に親が緊張してしまうものです。
そこで、今回は教員の視点から、「小学校入学前までに準備してほしいこと」についてまとめていきます。
いろいろなサイトや書籍で紹介されていることと重なる内容もたくさんありますが、教員としての視点もありますので、参考にしていただけると思います。
こんな細かいことまで!と思われるものもあるかもしれません(笑)。

私は元教員ですが、3人の子どもの親でもあります。両方の視点から話をさせていただきます。
生活習慣として


ここでは、小学校入学前までに身に付けておきたい生活習慣について紹介します。
生活習慣は、基本的に家庭で身に付けるものですが、保育園や幼稚園に通っていれば、集団生活を通して身に付けることもたくさんあります。
不十分だなと感じることは、励ましながら少しずつできるようにしていきましょう。



生活習慣という言葉の通り「習慣」ですので、短期間に見につくものではありません。根気よく声をかけていきましょう。
大きな声で返事ができるように
大きな声で返事をすることは、自分を表現することの第一段階です。大きな声で返事ができれば、大きな声であいさつしたり、大きな声で名前を言ったりできるようになります。
入学式では、多くの学校で、新入生の名前を担任が一人一人呼びます。多くの保護者、先生が見ている中で返事をするのですから、緊張して声が小さくなるかもしれません。
普段からいつも大きな声で返事ができるようにしておきたいですね。



入学式後、教室でもまた担任から名前を呼ばれると思います。
とにかく、入学後は様々な場面で、担任だけでなく上級生からも名前を呼ばれることが多いです。
自分の名前が言えるように


名前を聞かれた時に、自分の名前が言えるようにしておきましょう。
学校生活では名札を付けているので、自分で名前を言えなくても、誰なのか分かります。
しかし、きちんと自分で名前を言えることはとても大切です。
そのため、日常生活の中でお子さんを紹介するときは、自分から名前を言わせるようにするとよいでしょう。
一人でトイレを済ませられるように
ほとんどの子は、一人でトイレを済ませることができます。
ただ、トイレの後に手を洗うこと、洗ったらきちんとハンカチで手をふくことまでは、できていない子もいます。
学校では、トイレの後にきちんと手を洗うように言いますが、習慣として家庭でしっかり身に付けさせておいてほしいことです。



ハンカチがなくて、ズボンで手を拭く子がいます。
最近は、トイレの様式化が進んできたため、和式トイレのみしかないトイレはほとんど見かけなくなりました。
しかし、和式を使う機会もあるので、和式でも用を足すことができるようしておくことが必要です。



公園に行くと、和式しかないことがありますよね。
自分で着替えられるように


学校では、体育の授業で体操服に着替えます。終われば普段着に着替えます。
小学校では誰も手伝ってくれないので、自分で着替えられるようにしましょう。
学校の休み時間は、10分程度です。1年生の初めの頃は、着替えの時間をゆっくりとってもらえると思いますが、素早く着替える練習をしておくとよいです。
なお、着替えたものをきちんとたたむ習慣も身に付けさせることが大切ですよ。



たたむことなく、丸めてふくろに突っ込む子(特に男子)を高学年でもよく見かけます。小さい頃から習慣づけないと、ずっとできません。というか、やりません…。
困った時、自分から言えるように


1年生にとって、小学校での生活は新しいことの連続です。そのため、いろいろと困ることも出てくるでしょう。
そんな時、わからないことや困ったことを、担任の先生に自分から言えることが大切です。
学校の先生は一人一人しっかり見ているつもりですが、1学級に35人近くいると、どうしても目が行き届かないところもあります。ちょっと困っているくらいでは、気付かれない可能性があります。
ですから、何でも自分から話せるようにさせたいものです。
わが子のことですが、一番下の子は内弁慶なところがあり、家では威張っているのですが、外に出ると急におとなしくなります。そのため、困ったら先生に自分から言えるのか心配でした。
何でもかんでも親が先に介入してしまうと、子どもは自分から言うことができなくなります。わが家も、一番下の子に対して、親だけでなく上の子どもたちもすぐに助けてしまうので、それが良くなかったと反省しています。
保育園や幼稚園からのお便りを、自分でかばんから出せるように
小学校入学直後、しばらくは学校からたくさんのお便りが届きます。
親としては、ついつい先にランドセルを開けて、学校からどんな連絡があるのか確認してしまいます。
しかし、子どもが自分でランドセルを開けて、自分から親に見せられるように習慣づけておきましょう。
なぜかというと、子どもが自分から親に見せる習慣をつけておかないと、親が見なかったらその日に学校からの連絡が伝わらないからです。
学年が上がっていくと、学校からの連絡だけでなく、テストを見せなくなることもあります。
小学校に入学してから習慣化させてもよいですが、保育園や幼稚園に通園している時から、お便りや手帳を自分から出すことを練習しておくとよいと思います。
アナログ時計が読めるように


学校はほとんどがアナログ時計です。
以前の子どもたちは、1年生でもアナログ時計を読める子ばかりでした。しかし、最近は家にある時計がデジタルであることが多いからか、アナログ時計が読めない子が多くなったように感じます。
1年生の初めから、いきなり「○時○分まで」とアナログ時計を読むように言われることは少ないです。
きっと1年生の担任は、「長い針が5のところまで」のように、1年生の誰にでもわかるように伝えるはずです。
しかし、アナログ時計を早いうちから読めるようにすることは、学校生活では大切なことです。
算数で時計の学習をしますが、それまでにアナログ時計に慣れさせておきたいですね。
給食に向けて
30分以内に食べられるように
あえて時間を指定しましたが、小学校入学前までに30分以内で食べることを目標にしてみましょう。
1年生の初めの頃は、給食前の授業を早めに終わって給食の準備を開始します。そのため、食べる時間を多くとることができます。
しかし、1年生の途中からは、通常の給食の時間内で配膳と会食を行います。
給食は大体50分くらいの時間なので、配膳と後片付けの時間を除くと、食べる時間は最大でも30分くらいです。
そのため、遅くとも30分以内で食べられるようにしましょう。



お米でなくてパンの日は、食べるのに時間がかかりやすいです。
食器を自分で運べるように


小学校は、ご飯やおかずをおぼんに載せて運びます。
バランスをとって運ぶことができるよう、おぼんを使って運ぶ練習をしておくとよいと思います。
ご飯、汁物、おかずが載ると、1年生にとっては結構な重量です。おぼんをまっすぐに持って運ぶ練習をしておきましょう。
米粒を集めながら食べられるように
お椀に米粒がたくさんついたまま食べ終わる子がいます。これは習慣ですので、普段から米粒が残らないように、集めながら食べるようにさせましょう。
集めながら食べないで、最後に米粒をとろうと思っても、お椀にくっついてとりにくくなります。
ですから、集めながら食べることが大切です。なお、他のおかずについても、お椀や皿におかずが残っていないようきれいに食べることを守らせましょう。



片付けのお椀や皿を見ると、家庭での食べ方が想像できます。
魚の小骨に慣れておくように


家で魚を食べさせる時、小さな骨までとってあげていませんか?私はやっていました…。
給食で魚が出た時、当然先生は骨をとってくれません。
実際の話ですが、魚の小骨が気になるから食べたくないという子がいました。
給食で魚が出る場合、ほとんどが切り身なので、骨をよけながら食べることはありません。しかし、切り身の中に小骨が入っていることがあるので、小骨を出しながら食べられるように慣れさせておきましょう。
学習に向けて


学習については、親が想像するよりも、ゆっくりていねいに始まりますので、学習内容についてそれほど心配する必要はありません。
小学校での勉強が始まってから、学校で習ったことを確実に家で復習する習慣を身に付けさせることが大切です。そのためには、親が毎日宿題をきちんとチェックすることが一番です。
それでも小学校入学前に身に付けさせてほしいことがあります。
ひらがなを読めるように
ひらがなは小学校に入ってから学習します。それでも、入学前にひらがなを読めるようにしておいた方がよいです。
ロッカーや棚など、教室のいたるところに説明書きがされています。当然、1年生向けにひらがなで書かれています。
ひらがなが読めれば、何が書いてあるかわかるので、学校生活もスムーズに進みます。



最近は幼稚園だけでなく保育園でも積極的にひらがなを学習させてくれるところが多いですよね。
自分の名前を書けるように
自分の名前は、ひらがなでしっかり書けるように練習しておきましょう。
学校で配られた持ち物は、大抵はそのまま持ち帰り、親が名前を記入することになります。
しかし、プリントなど授業で使うものは、自分で名前を書きます。正しい文字で書けるように、家での遊びの中で良いので、名前を書く練習をさせておくとよいです。
ランドセルに自分で荷物を入れられるように


「次の日の準備は自分でする」とよく言われますが、まさしくその通りです。
家で自分のランドセルに荷物を入れる経験をしておかないと、学校から帰るときに、自分でランドセルにきちんと荷物を入れることができません。
数冊の本をトントンと整えてから入れることを練習しておかないと、学校では手あたり次第ランドセルに詰め込みます。
そうすると、教科書の端が曲がってしまいます。
その他
通学路を歩けるように
入学前までに、通学路を歩く練習をしておきましょう。特に、学校までの距離がある場合は、何回も歩く練習をしておいた方がよいです。
入学前に通学路を歩く練習をしておいた方がよい理由とは、以下の3点です。
- 通学路の危険な箇所を親子で確認する
- どれくらいの距離を歩くのか、子どもに体験させる
- ある程度上級生に合わせられるよう、早く歩く練習をする


学校へ行く日は、汚れてもよい服を
親が準備することというよりは、心構えです。
学校へ行く日は、常に汚れても大丈夫な服を着せてあげてください。子どもたちは本当に活発に行動します。学習でも遊びでも全力で取り組みますので、服が汚れたり時には破れたりすることもあります。
子どもたちが服のことを気にせず、思い切り活動できるような服を着せてあげてください。
「この服を汚しちゃダメだからね!」と子どもに言ったら、子どもは気にして思い切り行動できません。
歯磨き粉はだんだんと甘いものから卒業を
これは、小学校入学までにということではありませんが、参考として読んでください。
私が実際に経験した話です。
小学校3年生で、歯科衛生士さんに来てもらって歯科指導を行いました。歯科指導の後で、一人一人フッ素をぬってもらったのですが、数人の子が「うぇ、マズーい!何、この味?」と言いました。
マズイといった子に対して、他の子は、「歯磨き粉の味と一緒じゃん」と言いました。でもマズいという子は、「歯磨き粉の味じゃないじゃん!」と言います。
もうわかりますよね。マズイと言った子にとって、歯磨き粉の味は甘い味。つまり子ども用の歯磨き粉を普段から使っていたわけです。
最後に
元教員として、実際に1年生を見てきて感じたことを踏まえながら記事をまとめました。
お子さんが小学校入学を迎える保護者の方の参考になればと思います。
なお、この記事ですが、また他に大切なことを思い出したら、付け加えて記事を更新したいと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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