【教師の思い!】登校班でのトラブルが多いので、集団登下校をやめたら?という話

地域によりますが、小学校の登下校を集団で行うために、登校班が決められている場合があります。(登校班、通学班、分団など呼び方はいろいろあるようです。この記事では、「登校班」で統一させていただきます。)

なぜ登校班を作るのかと言うと、もちろん子どもたちが安全に登下校できるようにするためです。

しかし、登校班があることで、さまざまなトラブルがあるのも事実です。

今回は教師側の視点から、登校班がいかに教師の負担になっているか紹介していきたいと思います。ただし、私が働いてきた地域の実情での話が多くなりますので、参考として読んでいただければありがたいです。

目次

登校班は地域によってかなり違う

まず教師側の意見を言う前に。登校班といっても、様々な形態があります。

①登校班そのものがない。(自由通学。保護者におまかせ。)

②登校班を組織、運営するのが保護者。(PTAの仕事として。)

③登校班の組織は地域、運営には学校も関わる。

④登校班の組織や運営も学校が一括して担う。

下に行くほど学校側の負担が大きくなります。

登校班は地域の実情によってかなり大きな違いがあるようです。田舎だから集団登校で、都会だから自由登校というわけでもないようです。また、集団登校をしている学校の隣の学校は自由登校と、近いのになぜか違うという場合もあるようです。

この記事では、④の場合を中心に取り上げます。

登校班があることでのトラブル

子ども同士のトラブル

私が経験してきた中で、登校班のトラブルの一番と言えばこれです。そう、「子ども同士のトラブル」です。

小学校の生徒指導の半分は、登校班がからんでいるのではないかと感じるくらい多いです。

どんなトラブルが発生するかと言うと・・・

  • 高学年が低学年に高圧的な態度で接するので、低学年が怖がる。
  • 逆に、自分勝手に行動する低学年がいて班長が困る。
  • 登校班の中で嫌がらせ、いじめが起きている。
  • 登校中に石を蹴って車にぶつけた。
  • 集合時刻を守らない子がいて、他の子が長時間待たされる。
ぴーちょこ

細かいことを挙げだしたら、まだまだ出てきます。

なぜこんなに子ども同士のトラブルが多いかと言えば、答えははっきりしています。

そこに教員がいないから

です。保護者や地域の方が付き添ってくださる場合がありますが、基本的には子どもたちだけでの行動になります。そのため、大人の目が届かないところでのトラブルが起きます。

さあ、ここで登校班でのトラブルが表面化した場合どうするのか。登校班の運営が学校の場合、子どもたちを集めて話を聞くことになります。

その場に教師がいなかったのですから、子どもの話を聞くことになります。しかし、言っていることが子どもによって違い、話が合わないことがよくあります。

ここでていねいに対応しないと、保護者から苦情を言われる場合があります。そうならないようにていねいに話を聞こうと思うと、休み時間だけでなく授業時間に食い込んでまで話を聞かなければならない場合が出てきます。

登校班での指導に時間をかけていたら、教師の負担が減ることはありません。

だから、登校班でのトラブルに教師が介入しなければならないたびに、「学校側にとって登校班は負担でしかない。なくなればいいのに!」と思ってしまいます。

保護者や地域の人からの苦情

保護者や地域の方がボランティアで見守ってくれる場合があります。多くの子は保護者や地域の人へあいさつをしたり、「ありがとうございます」と感謝の言葉を言ったりできます。

しかし、中には反抗的な態度をとる子がいることもあります。

子どものやることだから、と大人の対応を見せる人がいる中で、「反抗的な態度をとる子がいます。学校で指導してください!」と言ってくる人がいます。

そんな時、思うんです。文句を言う相手は、反抗的な態度をとる子の親に対してではないですか?と。

登校班とは関係ありませんが、こんなことを保護者に言われたことがあります。

夏休み、高学年の子どもたちが近所の公園で危険な遊びをしている。指導をしてください。

…いや、違うでしょ。それって学校に言うことですか?学校は保護者ではありません。夏休みに公園で遊ぶのは、学校の管理下ではないですよ。

でも、学校に言ってくる理由はわかっているんです。近所の子に直接注意したら、近所間の仲が悪くなってしまうかもしれない。だから直接は言いたくないから学校に言っちゃお、ということです。

ぴーちょこ

波風立てたくないからって、何でも学校に言うな!

登校班で保護者や地域の方に見守っていただけるのは大変ありがたいことです。学校としても協力したいとは思うのですが、「困ったら学校に対応してもらおう」という意識はもう少し控えてもらえたらと感じます。

登校班編成でのトラブル

新1年生をどこの登校班に入れるか、つまり新年度の班編成で保護者から苦情というほどではないですが、保護者の個人的な考えを言われたことがあります。

どんなことかというと、「班編成の分け方に納得がいかない」という意見です。

この学校に連絡をしてきた保護者をAさんとします。

Aさんのご家庭は、古くからこの地域に住んできた一家です。何が気に食わなかったかというと、「新築組と同じ班にされた」ということです。新築組とは、建売住宅に引っ越してきた最近移り住んできた人たちのことです。

実はAさんの他に、BさんとCさんというAさんと同じく昔から住んでいるご家庭がありました。

道路を挟んで機会的に西側、東側で1年生を振り分けたのですが、Aさんは新築の家庭と一緒、BさんとCさんのところ2軒は一緒となりました。

この「うちだけ新築組に入っている」というのが気に食わなかったようなのです。

当時、まだ若かった私は、「文句があるなら勝手に地域で決めて!」とムカムカしていたのを覚えています。

ぴーちょこ

なんか変なプライドがあって、嫌だなあと思いました。

他にも、「あそこの家とは仲が悪いから、登校班をいっしょにしないでほしい」というように、登下校の安全とは全く関係ないことで要求を受けたこともあります。

まとめ

私の子どもたちも登校班で登下校をしています。実は保護者の立場で言うと、登校班があるのはありがたいです。特に、低学年の間は、高学年の子と一緒に登校してくれるのは安心感があります。

しかし、教師の立場からすると、大きな負担を感じることがしばしばあります。

登校班がなくなればいいのに!と思ったことは2度や3度ではありません。しかし、あることで子どもたちが安全に登校できるよさもあります。

子どもたちが集団で登校する以上、何かしらのトラブルは起こりうるのは仕方がありません。しかし、そのトラブルの対応に教師が振り回されないようになるといいなと思います。

登校班を完全に地域にお願いすれば、今度は保護者の間でいろいろな悩みが出るでしょう。

何が正解かはわかりませんが、多忙な教員としては、登校班があることでの負担をできるだけ減らしてあげることが大切だと思っています。

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この記事を書いた人

元教員。
公立の小中学校で20年間勤務した経験を生かし、今をがんばる先生方を応援するサイトを作っていきます。

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