子どもたちに将来の夢を語らせることって、学校現場では何度もありますよね。2年生の生活科、6年生の卒業の時、中学生になって進路を考えるとき・・・。
子どもたちの夢は実に多様です。いろんな夢があって、聞いているこちらとしてもわくわくします。
しかし、「どうやったらその夢に近づけるか」ということを考えさせるとき、現実的なことを考えさせる必要があります。
具体的には、「夢をかなえるのが困難な職種もある」ということです。
もちろん、子どもたちの純粋な夢を大切にした上で、現実的なことを話していきます。
以下は、私が6年生の卒業生に語ったことです。
まず、自分の好きなことを教えてください。
(野球、サッカー、イラストを描く、ゲームをするなど)
自分の好きなことで仕事ができたらすばらしいですよね。でも、その好きなことに関わる職業ってどんなものがあるか知っていますか。
先生は、F1が好きです。でも、今のF1の世界では、F1ドライバーになれるのは、世界中でわずか20人だけです。その20人に入るために、世界中のドライバーががんばっています。
しかし、どんなに努力してもその20人に入れなければ、F1ドライバーにはなれないのです。
では、20人に入らなければF1の仕事はできないのでしょうか。そうではありません。実は、F1ドライバーを支えるためのメカニックやスタッフなどは何万人もいるのです。
(サッカー選手が将来の夢だという子に)
あなたは、サッカー選手になりたいんだよね。でも、サッカー選手以外にサッカーに関われる仕事って何があるか知っていますか?
(答えさせる。)
実は、いろんな職業があるんですよ。(図を見せる。)
監督やコーチ、医療スタッフ、トレーナー、スポーツショップの店員、サッカー雑誌の記者や編集者、サッカーゲームのプログラマー、サッカーのイベントスタッフ、サッカーグラウンドの芝を手入れする人、学校の先生だって部活動でサッカーに関われます。
実は知らないだけで、自分の好きなことを生かせる仕事ってたくさんあるんですよ。
もちろん、今の夢を第一に考え、それがかなえられたらすばらしいことです。でも、視野を広くしていろんな職業があることを知ると、自分にあった職業が見つかるかもしれません。そして、どんな勉強をしたらよいのか見えてくるかもしれませんね。
子どもたちに夢をもたせることは大切なことです。しかし、中学生になれば具体的に進路を考えるようになります。多くの子は、とりあえず高校に進学することを考えると思います。
しかし、中には具体的に自分の将来を考えて、専門的な学科がある高校や専門学校に進学する子もいます。
子どもたちが自分の将来を考える手助けとして、好きなことに関わる職業がたくさんあることに気付かせたいものですね。
なお、「13歳のハローワーク」に代表されるような、子どもが職業を考える参考になる書籍がいろいろ出ています。教室や図書室にあればよいのですが、なければ学校で購入してもらうようにお願いしましょう。