学校でよい成績をとってほしい!と親なら思いますよね。人生、勉強が全てではありませんが、親や子どもにとっては数字でわかる「点数」や「成績」にどうしても目が行ってしまいます。
勉強ができるということは、それだけで人生の選択肢が広がることでもあります。親はそれを知っているから、必死に勉強をさせようと思います。
でも、どうしたら勉強ができる子になるのか、いろいろ悩みませんか?

そこで、今回は「元教員が語る 勉強ができる子にするには、塾よりも家庭学習の習慣が大切!」というタイトルで、家庭学習の大切さについて語っていきます。
なお、私は元教員です。
- 20年近く現場の教員として働いてきました。
- 多くの子どもたちに出会い、勉強ができる子できない子を見てきました。
- 勉強のさせ方に悩む親ともたくさん話をしてきました。
そうした経験から見えてきたことをもとに、家庭学習の大切さについて語っていきたいと思います。
この記事は、小学校入学前から小学校6年生くらいまでのお子さんをお持ちの保護者に向けた記事となっています。

親も努力すれば、必ず子どもも変わります。
なお、この記事でいう「塾」や「学習塾」とは、学校の教科を中心に教えてくれる塾のことを示しています。ピアノや習字、公文式やそろばん、英会話教室などは「習い事」として一括りにします。
わが子の成績の紹介
ああした方がよい、こうしない方がよいとこれから語っていくのですから、当然私の考えの信憑性を疑いますよね。
ということで、わが子の通知表を一部載せておきます。
長女の通知表(小学校5年生の時)


次女の通知表(小学校3年生の時)


わが家では、これからご紹介していく考え方、勉強のさせ方を実践し、わが子たちは上記のような通知表をもらってきました。なお、子どもたちは公立の小学校に通っています。
二人とも、習い事はしていますが、学校の勉強を中心とする学習塾には通っていません。
学習塾へ行かなくても、勉強ができる子がたくさんいる現実


私が教員として出会ってきた公立小学校の子どもたちの中で、賢い子(いわゆる通知表が良い子)の多くは、小学生の時に学習塾へ通っていませんでした。
もちろん、高学年になり学習塾へ通っている子もいましたが、「勉強ができるようになるためには、塾へ通わせなければならない」という考え方は当てはまりません。
これまで出会ってきた、勉強のできる子の特徴とは?
私がこれまで受け持ってきた勉強が良くできる子の特徴をご紹介します。全て当てはまる子が勉強のできる子というわけではなく、以下のような特徴が多く見受けられたということです。
- 宿題への取り組みがていねい(字がていねい)
- 宿題を親がチェックしている
- 忘れ物が少ない
- 本をたくさん読む
- 夜更かしをしていない(生活リズムが整っている)
- 負けず嫌い
- 好奇心が強い
実は、勉強ができるといっても、私のような教員から見れば、二種類の賢い子が見えてきます。
①親のバックアップで、勉強ができる子
②元々の知能の高さで勉強ができる子
①の子は、どの教科もまんべんなくできる子が多いです。どの教科の勉強も手を抜くことなく、一生懸命取り組みます。
②の子は、好きな教科の成績は良いのですが、関心が低い教科ではあまり成績が伸びません。また、低学年の時に成績が良くても、高学年そして中学生にになるにつれて、成績が下がっていく場合が多いです。
当然、①のような子を育てることが、親としては大切です。
そのためには、家庭学習の習慣をしっかり身に付けさせることが重要となります。
これまで見てきた勉強がよくできる子どもたちは、常に子どもの後ろに保護者の姿が見えたものです。家でしっかり宿題や家庭学習を見てもらっているなとわかりました。



宿題を見れば、親がチェックしているかすぐにわかりました。
塾へ行かせている子の成績は?
塾へ行かせている子の成績ですが、小さい頃から塾へ行かせている、高学年になってから塾に通わせ始めたなど、状況は様々です。
そのような中、教員をしていた時に感じたのは、
勉強ができないからと、親の意思で塾に行かされるようになった子の大半は、それほど成績が伸びない。
これは、もう理由は明らかです。子ども本人に学習意欲がありません。環境を作ってあげても、本人に向上心がなければ、学校に2回行っているようなものです。
逆に、自分の意思で塾へ通うことを希望した子は、着実に成績を伸ばしていきました。
厳しい言い方ですが、勉強する意欲がない子を学習塾に入れても意味がありません。勉強ができないからと、塾に通わせることで子どものために何かしているという親の自己満足を得るだけです。



もちろん、何とかしたいという親の気持ちはわかります。たくさん親の本音を聞いてきましたので…。
私立受験を考えているんだけど…
私立中学への受験を考えている子は、当然学習塾に通っていました。
私立中学の受験は、志望校受験への対策が不可欠なので、必然的に学習塾に通う子が多くなります。
私が受け持ったこの中にも、私立中学を受験した子は何人もいます。その子たちは例外なく学習塾に通っていましたが、当然学習意欲は高く、学校での勉強にも意欲的でした。
塾より家庭学習が大切な理由


まず、はっきりと申し上げておきたいことがあります。
それは、私は塾へ通うことを否定していないということです。



私自身も塾へ通っていたしね。
大切なことは、
塾へ通わせる前に、家庭学習の習慣を身に付けさせておくことが大切
ということです。
家庭学習は、自ら学習する態度を育てる
家庭学習は、自ら学習する態度を育てます。自ら机に向かう習慣を付けさせれば、塾へ行かなくても小学校の学習内容は十分に理解できます。
学校の勉強に限らず、大人になって資格を取得するにしても、自分で勉強することは必要ですよね?話を聞くだけで、全て学ぶことができる人はほとんといないと思います。
学校で教えてもらったことも、塾で教えてもらったことも、家庭でしっかりと復習をする必要があります。そのために、家庭学習にきちんと取り組める子を育てることが大切なのです。



家庭学習の習慣化が、もっと先の高校受験、大学受験、就職試験に生きていきます。
塾は受け身になりがち
学習塾に通うと、どうしても受け身になりがちです。これは、一斉型の授業になるため、どうしても受け身になりやすいのです。
塾の落とし穴といえば、以下の点だと思います。
・子どもは塾へ行って、勉強した気になっている。
・親も塾へ行かせて、勉強させたつもりになっている。
子も親も勉強した・させた気になっていますが、そこに自主性はないので、当然成績の上昇は期待できません。
すると、「あの塾は教え方が悪い」だの「塾の方針がうちの子に合わない」だの、適当な理由をつけて塾を辞めてしまいます。別の塾に通ったとしても、成績の上昇は期待できません。本人が変わらない限り。
「子どものやる気を引き出す!」ということを謳い文句にしている学習塾もあるでしょう。もちろん、子どものやる気を引き出してくれる先生に巡り合えればありがたいですが、必ずしもうまくいくとは限りません。
個別指導の学習塾ならいいの?
個別指導の学習塾ならどうなのでしょう。
結論から言えば、子どものやる気を引き出し、学習習慣を身に付けさせてくれる先生だったら、通う価値は大きいと思います。
個別指導の先生との人間関係が大切になりますが、人間関係が良好なら、成績の上昇は期待できると思います。
家で学習したことを個別指導の塾で教えてもらう。また家で勉強し、わからないところを塾で教えてもらう、という学習スタイルが確立されれば、個別指導塾をやめても、自分から学習することはできるでしょう。
ただ、忘れはいけないのは、個別指導の学習塾の先生に頼りっぱなしにならないことです。塾では先生が、家庭では親がしっかり学習を見て、子どものやる気を切らさないように協力し合うことが不可欠です。
家庭学習で大切なポイント


幼少期から始める
家庭学習を習慣づけるためには、幼少期から始めるとよいです。
小さい子どもたちは本当に好奇心が旺盛です。人間が生まれながらにもっている本能だと思います。
そのため、小さい頃から様々な教材を与えていくと、たくさんの学びに触れることができます。
書店へ行けば、幼稚園や保育園の子から取り組めるテキストがいろいろと販売されています。そうしたものを購入して取り組ませてもよいですし、通信教育を選んでもよいかと思います。
わが家の場合は、「こどもちゃれんじ」を選びました。私は教員ですが、幼児教育の専門ではありません。そのため、実績のある「こどもちゃれんじ」を利用することにしました。
詳しくは下記から。
【こどもちゃれんじ】

小学校低学年までは、必ず親が見ているところで勉強させる
小学校低学年までは、必ず親の見ているところで勉強させましょう。
その理由は、はっきりしています。それは、
勉強の仕方を教えるため
です。
これまで学校で教えてきた子どもたちも、家庭での学習をしっかり見てもらっていたようです。
- 鉛筆の持ち方は正しいか。
- ひらがなや漢字の書き順が正しいか。
- 字をていねいに書いているか。
- 下敷きをノートに挟んでいるか。
- 削った鉛筆を使用しているか。
細かいことを書きだすと、もっとたくさんあります。これらのような学習の仕方の基本を小さい頃にしっかりと家庭で教えておくことが、勉強のできる子にするために大切なことだと思います。
あとは、小さい子は親に見てもらいながら学習した方が喜びます。「きちんと見ているからね」というサインを送ることで、子どもは安心して学習に取り組むことができるのです。
テストの点数を褒めるよりも、学習に取り組む態度を褒めることを大切に
小学校に通うようになれば、テストを持ち帰るようになります。そこには点数が書かれているのですが、テストの点数を褒めるよりも、学習に取り組む態度を褒めることを大切にしましょう。
どうしても点数に一喜一憂してしまいますが、良い点数をとった時に褒めるだけになってしまうと、テストが子どもにとって大きなプレッシャーになります。
良い点数をとれば褒められるけど、悪かったら怒られる…なんて子どもが思っていたら、失敗を恐れる子どもに育ってしまうかもしれません。
それよりも、普段からコツコツ勉強に取り組むことを毎日褒めてあげましょう。とにかく努力することを褒めてあげましょう。これは勉強だけでなく、前向きに努力する子どもに育てるために大切なことです。
ちなみに、わが家の場合、テストが悪くても絶対に叱りません。どうして間違ったかを考えさせ、これからの勉強方法をどうしたらよいか一緒に考えます。



子どもたち自身が悔しがっているので、親が叱る必要はないと感じています。
その子にあった家庭学習の教材を選ぶ
次のポイントです。家庭学習では、その子にあった家庭学習の教材を選ぶことが大切です。
わが家の場合、長女は書店で売られている教科ごとの問題集を、次女は進研ゼミ小学講座を利用しています。
どうして違うかというと、二人の勉強スタイルが違うからです。
長女は、割とマイペースで一定のスピードで学習が進まないので、自分のペースで教材が進められる市販の問題集を活用しています。
一方、次女はコツコツ形で、毎月送られてくる進研ゼミが本人に合っているようです。また、オマケで付いてくるちょっとした読み物や、付録の教材を楽しみしており、本人がすごく気に入っています。


家庭学習に利用している教材は二人で違いますが、最初の方で掲載した実際の通知表のように、長女も次女も同じような成績をもらってきています。
共通しているのは、家庭学習にしっかりと取り組んでいるということです。
保護者から懇談の時によく受けた質問
ここでは、私が教員の時に保護者からよく聞かれた質問と、それに対しての私の考えをまとめます。
- 問題を買い与えても取り組まないので溜まっていく…。どうしたらよいのか?
-
まず、学習計画を一緒に立てましたか?そして、問題集に取り組む時間を決めてありますか?そして、毎日は無理でも時々一緒に勉強を見てあげていますか?
学習習慣を身に付けさせるまでは、根気よく一緒に取り組んであげてください。
- 周りの友達が塾に行くようになって焦る。塾へ行かせた方がいいの?
-
もし、「友達が行くから自分も行きたい」というくらいの気持ちであれば、行かなくてもいいでしょう。過去に、友達に会いたいからという理由で塾に通った子がいましたが、勉強ができるようになった感じは受けません。
- 宿題以外に勉強をやらない。どうやって勉強する習慣を身に付けさせたらいいの?
-
勉強しなさいといっても、勉強しませんよね。家庭学習は、勉強の内容を教えることより、勉強の仕方を教え、習慣化させることが大切です。家庭学習の時間を決め、慣れるまでは子どもについて勉強に取り組ませてください。
まとめ
ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
繰り返しますが、私は塾を否定するつもりはありません。私自身、中学生の頃は学習塾に通い、いろいろと助かった場面がたくさんありました。
しかし、学習の基本は家庭学習です。これができていないと、学習塾へいっても思ったような効果は期待できません。
これまで、勉強ができる子にするために大切な家庭学習について、様々なことを述べてきました。
ポイントをまとめると、次の一点に集約できます。
親が一緒になって、家庭学習に取り組む習慣を身に付けさせること



「親が一緒になって」というのがポイントですね。
勉強ができる子というのは、家庭学習の習慣がしっかりと身に付いている子です。根気がいることですが、しっかりと子どもの学習を見てあげましょう。
今日から取り組めることとして、まずは宿題のチェックからです。間違いはないか、ていねいに取り組めているか、チェックするところから始めてみましょう!
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