学校の避難訓練って形式化しているよね

アイキャッチ画像

2011年、東日本大震災は東北地方に甚大な被害をもたらしました。

そして、それ以後、学校では防災教育にこれまで以上に力を入れて取り組むようになりました。

教員向けの講習会も多数開かれ、私も「釜石の奇跡」で有名となった片田敏孝教授の講演会を聞きました。

ぴーちょこ

ものすごく勉強になりました。いかに実践的な訓練をし、日頃から子どもたちの防災意識を高めるかがポイントだと思いました。

さて、実際に自分が勤務していた学校の避難訓練を思い出してみると…

なんて形式化した避難訓練なんだ!

と思ったわけです。

先進的な避難訓練を実施している学校に対して、避難訓練をする意味があるのか?と疑問に思うような内容です。

どんな内容だったか簡単に紹介します。

目次

形式化した避難訓練とは?

シナリオ通りに進めるだけの避難訓練

多くの学校に、避難訓練のシナリオがあるのではないでしょうか。

  • 10:30地震発生 
  • 全員、机の下にかくれる
  • 10:33職員室から火災発生
  • 避難経路を通って運動場へ避難

という感じです。ここに、細かく「〇〇先生は、消火器をもって消火活動にあたる」「〇〇先生は、拡声器をもって外で子どもたちを待ち受ける」などなど、役割分担が書いてあります。

そして、全員の安全が確認でき、「今回は〇分で全員が避難できました。すばやく避難できてすばらしい!」と校長から話があります。タイムレースなの?

大まかな避難の仕方を学ぶという意味では、こうしたシナリオにそって基本的な避難を学ぶことは大事だと思います。

しかし、毎回こうしたシナリオにそった避難訓練で良いのでしょうか。そもそも、先生たちに細かく役割分担をしているのがよくないと思います。

いつも決まった先生がいるわけではありません。出張や欠席などで不在の場合もあるでしょう。

ですから、毎回きちんとしたシナリオで進める避難訓練って意味あるのかな?と思います。

ぴーちょこ

シナリオが書かれたプリントを持って避難訓練に臨む先生がたくさんいます。頭に入れて、見ないでやってみましょうよ。

雨の日は延期となる避難訓練

避難訓練が、「雨天の場合は延期」ということがありませんか?どうしてだろうとよく思います。

雨の日に地震が来ないなんてことがあるのでしょうか?雨の日でも実施するべきだと思います。

同じようなケースですが、雨天でも避難訓練を決行するけど、晴天なら運動場、雨天なら体育館へ避難すると決めておいたとします。

当日、小雨なのでどちらに避難してよいかわからない場合、朝の打ち合わせで「どこへ避難してよいか混乱するので、天気に関わらず体育館に避難させてください」と指示が出ました。

いやいや、そこは混乱したとしてでも指示を出したらダメでしょ!と思います。なぜなら、実際に地震が起きた時のことを想定して訓練する必要があるからです。

なぜか、「避難訓練を滞りなく進めること」が目的になっている場合が多いように思います。

管理職が見ているだけの避難訓練

避難訓練の時、校長や教頭などの管理職は何をしていますか?避難の様子を見ているだけではありませんか?

管理職も、教育委員会や市役所と連絡を取り合うことや、情報収集をするなどの訓練を同時にすべきだと思います。のんびりと子どもたちの避難の様子を見ているだけの管理職のなんと多いことか…。

もちろん、うちの管理職はそんなことはないという方、自慢してよい管理職ですよ。

どんな避難訓練にしたらよい?

先進的な避難訓練に取り組んでいる学校は、全国にたくさんあると思います。そういった学校の実践をまねることはとても大切ですが、実際にはいきなり大きく変えるのは難しいでしょう。

その場合、これまでの避難訓練をアレンジしていくのがよいと思います。

具体的には、「内容をもっとシンプルにして、問題を洗い出すこと」だと思います。

先ほども書きましたが、なぜか学校は避難訓練を滞りなく進めようとします。避難訓練で失敗があってはいけないような雰囲気になっています。

しかし、大切なことは、実際に地震が起きた時にどんな混乱が起こるか、問題を洗い出すことだと思います。

内容をシンプルにして避難訓練をやってみてください。必ず、どう動いてよいかわからず、オロオロする教員が出てきます。こうしたことを見つけることが大切だと思います。

ですから、避難訓練を計画する先生。この記事をご覧になっていたら、もっと実践的な避難訓練を計画してみませんか?

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

元教員。
公立の小中学校で20年間勤務した経験を生かし、今をがんばる先生方を応援するサイトを作っていきます。

目次