公立学校の先生、いつもお疲れ様です。
公立学校の教員をやっていると、授業の進め方でジレンマに陥ったりしませんか?普段は忙しすぎてそんなことを考える余裕もないと思いますが、私は現役時代にふと考えることがありました。
今回は、そんな公教育のジレンマについて語っていきます。
非常に個人的な見解が入りますが、こんな考え方もあるんだなと流し読みしていただければ幸いです(笑)。
※ 記事を書いている間に、いろんな考えが浮かんできたので、話題があちこちに飛びます。途中、何となく頭にきて、過激な表現になっているところもありますが、ご容赦ください…。
一斉授業か個別に学ばせるか
一斉授業について
日本の授業の基本形は、一斉授業です。40人の子どもたちを目の前にして、教師が中心に授業を進めていく講義型の授業です。遥か昔から行われている授業形態です。
ただ、講義型の授業はどうしても子どもたちが受け身になり、主体的に学習に取り組まないという問題が出てきます。
やる気がある子はやるけど、意欲がない子、授業についていけない子は時間が過ぎるのを待つだけになってしまいます。
そうならないように、グループ学習を取り入れたり体験的な活動を取り入れたりします。
でも、グループ学習では、やる気がある子やできる子が仕切ってしまう、体験的な活動も、できない子にとっては教師の話を聞くより楽しく学べるだけで、身についていないこともある
といったこともよく起こります。もちろん、授業が上手な先生ならそうならないようにするのでしょうが、どんな教師もうまくできるわけではありません。
日本において、授業研究といえば、圧倒的に一斉授業の指導案が多いです。
時代によって、重きを置くところは変わるけど、基本は一斉授業ベースのイメージです。
算数の基礎基本が大切であれば、「スモールステップ」を取り入れたり、習熟の時間を設けたりします。
言語活動が話題に挙がれば、どの授業においても言語活動を意識した指導案作りになる…。
お役所の方針で振り回されるのは、いつも現場の教師です…。
個別に学ばせる授業について
GIGAスクール構想により、全国の学校に一人一台のタブレット端末が導入されてきています。
これにより、一人一人がタブレットを使い、自分の力で学ぶことが期待されます。
子どもたちは、一人一人学力が違います。ましてや公立の小中学校は、学力差がものすごくあります。IQがめちゃくちゃ高い子もいれば、LDや軽度知的障害の子もいます。
タブレットの使い方そのものは、子どもたちはすぐに覚えていくでしょう。そして、教師が説明するよりも意欲的に、学習に取り組むと予想されます。
しかし、現状の40人学級で、一人の担任で対応できるでしょうか。さすがに難しいですよね。
子どもたちに丸投げでいいのなら可能ですが、評価も含めきちんと学習したことが身に付けさせたいのなら難しいですよね。
結局どちらを選ぶのか
何が言いたいのかまとまらなくなってきましたが、結論を言うと、「やはり、現状は一斉授業をすべき」だと思います。
なぜかというと、
現在の教育環境を考えると、一番無難な授業形態だから
学習の究極の理想は、自分で必要なことを学んでいくことです。もし仮に、子どもたち全員が、自分で学んでいく強い意志があるのなら、一斉授業は必要ありません。
というか、授業を行う必要がありません。学習する時間を確保して、あとはご自由にで済んでしまいます。
しかし、小学生の場合、
- 自分で学ぶという意識が育っていない
- 自分で学んでいく力がない
- そもそも勉強をするために学校へ来ていない(言いすぎ)
ということで、以下がジレンマに対する結論です。
何も目新しい提案ではないですが、現状ならこれかな。
余談 ICT化が進みすぎるとどうなる?
学校は勉強をするだけのところではありません。集団生活で学ぶこともたくさんあると思います。
だから、一斉授業に限らず、グループで話し合いをしたり、みんなで討論したりする授業の大切さはいつまでたっても変わらないと思います。
どころで、ICT化が進みすぎるとどうなるでしょう?もし、タブレットのみで授業がどんどん進んでいくようになれば、相手の顔を見ることが減少するでしょうね。
電車に乗ると、多くの人がスマホの画面をのぞいています。
現在の学校では、そうした姿は見られませんが、タブレットを常時活用するようになると、友達と相談するよりタブレットに相談するようになると思います。
ICTのバランス、難しいですね。