楽しい給食の時間にする、給食指導のポイント ~アレルギー対応も~

給食は、子どもたちが楽しみにしている時間です。

しかし、教師にとっては学級経営のポイントとなる「給食指導」の時間です。

私が教務主任の時、担任が出張などで不在の時には、よく給食指導に入っていました。給食指導は、学級の雰囲気がよくわかります。担任の指導力もよくわかります。

ぴーちょこ

落ち着きがない学級は、給食の準備から雰囲気がよくないです。

給食指導がうまくできないと、確実に他にも悪影響が出ます。それくらい給食指導は大切なことだととらえ、臨む必要があります。

ここでは、子どもたちが安心して給食の時間を過ごせるようにするにはどうしたらよいかについてまとめていきます。

目次

アレルギー対応について

最優先事項は、アレルギーがある子への対応です。

アレルギーといっても、アレルギーの程度は子どもによってまちまちです。一人一人によって対応は異なるので、その子に合わせた対応方法を決めておく必要があります。

年度当初に、前担任や養護教諭、そして保護者をきちんと打ち合わせをしておきましょう。

年度当初に保護者と話をする

年度当初に、前担任や養護教諭と打ち合わせをすると思います。しかし、それだけで終わってはいけません。

必ず保護者と年度当初に話をしましょう。

できれば、担任発表がある始業式当日がよいです。

なぜかというと、保護者を安心させるためです。

保護者の気持ちを考えると想像がつくと思いますが、アレルギーの子を学校に送り出すというのは、保護者にとっては心配なことなのです。

年度当初に担任から連絡が入れば、「わが子のことをきちんと見てくれる先生だな」と安心させることができるでしょう。

もちろん、安心させるだけでなく、具体的な対応についてもきちんと保護者と確認しておきましょう。

給食当番の役割はできることを

アレルギーの子にも給食当番の役割を与えるときは、何ができるかをきちんと確認しましょう。

食品に触れただけでもアレルギー症状が出る子には、細心の注意が必要です。

アレルギーがでる食品が入ったものを配膳させないようにしなければなりません。

保護者と相談の上、できることのみ取り組ませましょう。

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保護者や本人の気持ちをしっかり聞きましょう。ただし、安全第一ですので、無理はさせないように。

おかわりは教師の監督下で

アレルギーの子も、こんだてによっては、おかわりができます。

しかし、アレルギーがある子がおかわりをする場合は、必ず教師の監督下で行ってください。勝手におかわりをさせないようにしてください。

過去に、おかわりをしてはいけないこんだてなのに、本人が勝手に食べてもよいと思い込んで、おかわりをしそうになったことがありました。

低学年の児童だと、特に気を付けて見ていなければなりません。

「おかわりしたいときは、先生に言う」ということを、きまりとして徹底させておきましょう。

だれが給食指導に入っても対応がわかるように

給食の時に、いつも担任がいるわけではありません。

欠席や出張などで、給食の時間に担任がいない日が必ずあります。

そんなとき、別の教員が来ても対応方法がわかるように、きちんと決めておくことがとても大切です。

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アレルギーがある子がいる学級は全て、対応方法を統一しておいた方が良いです。入るクラスによって違うと、混乱します。

具体的には、以下のことがわかるように、教室の決まったところに表示しておく必要があります。

  • その日に、アレルギー対応が必要な献立があるか。(専用の献立表や盛り付け図)
  • 対応が必要な場合、除去食か、家から持ってくるのか。
  • その日におかわりができる献立は何か。
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事前に、自分の代わりに入ってもらう先生に伝えておくことも忘れずに。

アレルギー反応が出た時の対応を確認しておく

必ずアレルギー反応が出た時の対応を確認しておいてください。

・エピペンを持っている子なら、どこに保管してあるのか。
・内服薬がある場合、どこに保管してあるのか。
・緊急連絡先はだれか。

アナフィラキシーショックが出たら、すぐにエピペンを打つ必要があります。ためらわずに打つことができるよう、事前に研修会を開くとよいです。

アレルギー反応が出た時の対応については、保護者ともきちんと確認をとっておきましょう。

給食当番の決め方

学校や学年で決まっていれば合わせる

給食当番の決め方は、学校や学年で決まっているかもしれません。

特に、小規模校の場合は、6年間同じような給食指導ができるように、給食当番の決め方が統一されているかもしれません。

学校で統一はされていなくても、学年で給食当番の決め方を統一することがあります。これは、学年主任の意向によります。

学年主任から、給食当番の決め方をそろえたいと言われた場合は、一緒に考えましょう。

1年間使用できる当番表を作る

給食当番を自分で決める場合、1年間使用できる当番表を作りましょう。

座席が近い子どもたちでグループを作り、そのグループで給食当番を回すという方法はおススメしません。理由は、席替えのたびに、給食当番のメンバーが変わってしまうからです。

1年間使用できる当番表を作っておけば、子どもたちも混乱しません。

30人学級であれば、10人グループを3つ作ります。番号順など、機械的に分ければよいです。

・牛乳やデザート・・・2人
・ごはんなどの主食・・・2人
・汁物・・・2人
・おかず・・・2人
・台ふき・・・2人

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グループ内で、役割をローテーションさせましょう。

配膳の仕方

全部同じ分量で盛り付ける

配膳は、必ず全部同じ分量で盛り付けるように指導しましょう。

これは、年度当初にはっきりと言い、徹底させることが大切です。

同じ分量を盛り付けさせる理由は、次の通りです。

  • 「増やす」「減らす」を聞いて盛り付けていると、配膳に時間がかかる。
  • 気の強い子が「増やして」と圧力をかけ、分量に不平等が生じる。

「増やす」「減らす」を聞いて盛り付けていると、配膳に時間がかかる。

給食の時間はそれほどゆったりと設定されていません。食べる時間を確保するためには、配膳と後片付けに使う時間を短くする必要があります。

多くの学校は、給食の時間の後半に、歯磨きの時間を設定していると思うので、「ごちそうさま」の時間は決まっています。

そのため、配膳に時間がかかると、単純に食べる時間が少なくなってしまいます。

配膳の時に、いちいち「増やして」「減らして」という要望を聞いていると、ものすごく時間がかかります。

「増やす」「減らす」は、給食を受け取った後で行います。そのため、給食当番は、とにかく同じ分量でどんどん盛り付けていくことに専念させます。

気の強い子が「増やして」と圧力をかけ、分量に不平等が生じる。

子ども同士の判断で、増やしたり減らしたりさせてはいけません。

気の強い子が圧力をかけて、自分が食べたいものを多く盛り付けさせます。

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ジャイアンみたいですね。

給食の盛り付けで上下関係ができると、学級は確実に荒れます。

子どもが好きなメニューは似通っています。言ったもの勝ちみたいな雰囲気を許してはいけません。

教師は配膳の様子をよく見て、そういったことが行われていないか見ている必要があります。

もし、発見した場合は、毅然とした態度で、約束を守っていないことを注意しましょう。

具材の種類が同じくらいになるように

分量を同じにすることと似ていますが、具材の種類が同じくらいになるように配膳させることも大切なポイントです。

例えば、ある子のスープにはうずら卵がたくさん入っていて、ある子には一つも入っていないでは、入っていない子から不満が出ます。

悪気がなくても、結果としてそうなってしまうことがあります。

そうならないようにするには、日頃から配膳のときに気を付けて盛り付けさせるように声をかけ続けます。

低学年の場合は、汁物の具が食缶の底にたまってしまうことがあります。そのため、かき混ぜながら具と汁を同じくらい入れるようにさせます。

かき混ぜる行程を入れないと、最初の方の子は汁ばかり、後の方の子は具ばかりになってしまいます。

教師が見ながら、上手に盛り付けられるようになるまで、根気よく指導しましょう。

給食の受け取り方

グループごとに順に取りに行く

給食は、グループごとに取りに行かせます。

取りに行かせるタイミングは、給食当番が声をかけるか、声をかける係を作るかどちらでもかまいません。ただ、勝手に取りに行くことがないよう、配膳の状況を見て声をかける役割を決めておくことが大切です。

給食当番の分を先に作る

給食当番の分を先に作らせるのは、心の教育のためです。

当番で回ってくることとはいえ、みんなのために給食の準備をするのです。お互い様という気持ちをこめて、給食の配膳をしている当番の分を先に作らせましょう。

ただし、大切なことは、「なぜ給食当番の分を先に作るのか」ということを子どもたちにしっかり説明しておくことです。

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誰が誰の分を作るかは、きちんと決めておきましょう。

当番以外の子どもたちへの指導

給食当番でない子どもたちは、必ず席に座って待たせるようにさせましょう。

手を洗ったら、配膳の準備ができるまで、自席に座って待つということを徹底させます。

落ち着かない学級は、給食指導でここが徹底されていません。

配膳の時は、担任の目が行き届きにくくなります。もし、配膳中に教室を自由に出入りできる状況にしているとしたら、大問題です。廊下でおしゃべりをしているくらいならともかく、隠れていじめが行われているかもしれません。

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教室を出るときは、必ず教師の許可を得るように指導しておきます。

席に座らせておく

食事指導

増やす、減らす、おかわりのルールなどは、どの子にもわかる明確なルールを決め、全員に理解させることが大切です。

そうしないと、給食のルールを守らない子が出てきて、不満を持つ子が出てきてしまいます。

4月当初は時間をかけて、ていねいに説明するようにしましょう。

減らす子が先

配膳のところで、「全員同じ分量で」と言いました。そのため、減らしたいという子がいるかもしれません。

減らしたいという理由は、3つにしぼられます。

  • 苦手なものが入っている
  • 小食のため、食べきれない
  • 体調が悪く、食べられない
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体調が悪く食べられない場合は、無理して食べさせる必要はありません。

「いただきます」をした後、まずは減らしたい子の分を減らします。これは、教師が行いましょう。

口をつけたものを誰かに食べてもらうわけにはいきません。

残菜が出ないようにするには、「食べられないものを最初に減らさせて、食べられる子に食べてもらう」という流れが必要です。

苦手な食べ物がある子には、「どれくらいなら食べられる?」と聞き、食べられる量にしてあげましょう。そして、きちんと食べられたなら褒めてあげましょう。褒めてあげることで、次はもう少し多く食べられるようになるかもしれません。

小食の子も同様です。自分で食べられる量を考えさせます。教師が「これくらい」と勝手に決めてしまうより、自分で考えさせた方がその子のためになると思います。

大切なことは、絶対に無理強いしないことです。子どものためと思って、「これくらいは食べなさい」とやりたくなってしまいますが、給食が嫌で不登校気味になる子もいます。

おかわりのルール

減らしたい子の対応が終わったら、次は食べられる子の分を増やします。

おかわりについては、いろいろな考え方があると思いますし、子どもたちから不満が出ないやり方であれば、どのようなやり方でもよいと思います。

細かいやり方はいろいろあると思いますが、大まかには、以下の2つになると思います。

①最初に全て付け分けてしまう。
②食べ終わった子からおかわりをさせる。

それぞれのメリット、デメリットを見てみましょう。

最初に全て付け分けてしまう

・早いもの勝ちではなく、食べたい子すべてに分けてあげられる。
・最初に全て付け分けるので、残菜が残りにくい

・時間内に食べられない、途中で満腹になり食べられないという子が出てくることがある。

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もらったのに食べられないと、もっと食べたかった子に分ければよかったとなります。しかも、食べ残しも出てしまうし。

食べ終わった子からおかわりをさせる

・お腹に余裕がある子に食べさせることができる。
・おかわりのために、時間を意識して食べるようになる。

・早くおかわりするために、早食いになる可能性がある。

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早食いした児童が、のどにパンをつまらせて亡くなる事故がありましたね…。

私は、教員人生の後半は、「最初に全て付け分けてしまう」方法ばかりでした。

無理して増やして、結局満腹で食べられなかったという子は、そのうちどれくらいなら食べられるか自分で理解して、無理なおかわりをしなくなります。

後は、最初に全て付け分けると、自分がその後ゆっくり食べられるからです。

片付け指導

食事指導だけでなく、片付け指導も大切です。給食の配膳員さんや給食センターの人に迷惑をかけないよう、きれいに返却することを心掛けるようにさせたいですね。

かさばるごみのまとめ方

パンが入っていた袋や、めんが入っていた袋は、かさばらないよう、しばらせます。

デザートのカップは、必ず重ねてから箱や袋に入れさせます。

食器がきれいかチェック

食器はきれいな状態で返却させます。

おススメは、子ども同士でチェックさせることです。片付ける前に、グループの子どもたちに見てもらえばよいのです。

「ごはん粒がついている」「みそ汁のワカメがついている」など、きれいでなければ指摘してくれます。

最後に

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

給食指導は、冒頭でふれた通り、学級経営にとって重要な指導の一つです。

給食を楽しみにしている子どもたちはたくさんいます。その子たちにとって、給食の時間が楽しい時間となるよう、教師は円滑に給食の準備や片付けができるようにしなければなりません。

給食指導は最初が大変ですが、円滑に進むようになると、子どもたちだけで上手に行うようになります。

教師にとっても、給食の時間は楽しい時間にしたいですね。

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この記事を書いた人

元教員。
公立の小中学校で20年間勤務した経験を生かし、今をがんばる先生方を応援するサイトを作っていきます。

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