新任教師にとっては、何もかもが初めてのことで、緊張の連続です。
その中でも、保護者と話すのは、新任教師にとってとても緊張する瞬間です。
私の場合、20年以上も前のことですが、緊張したことしか覚えていません…。
今回は、新任教師が保護者と初めて話す機会になるであろう、最初の学級懇談会での自己紹介のコツを解説していきます。
保護者は新任教師をどう思っているか
新任教師は、保護者から新任ということで不安がられる、なんて言う人がいますが、新任だからといってマイナススタートはありえないと思っています。
もちろん、一部の教育熱心な保護者は、新任という経験のなさを心配するかもしれません。しかし、保護者にとって大切なのは、「わが子を安心して任せられる担任かどうか」ということです。
「新任」という言葉にとらわれる保護者は別にして、まだ何も始まっていない状態ですから、保護者は評価のしようがありません。
前年度の担任に不満があった場合、むしろ新任教師の方が期待されているということもあり得ます。
ですから、必要以上に不安に思う必要はありません。
保護者の好感度を上げる自己紹介とは
それでは、保護者の好感度を上げる自己紹介について、ポイントを5つまとめていきます。
なお、ここでいう自己紹介とは、4月の学級懇談会で、担任と保護者達が初めて一堂に会する場を想定しています。
多くは、授業参観の後に学級懇談会の流れだと思います。
4月の学級懇談会では、学年で「○年生学級懇談会資料」というものを作成し、それに基づいて説明することになるでしょう。
その説明の前に担任自己紹介があるので、ここでどのような自己紹介ができるかがカギになります。
笑顔で話す
別記事でも書いていますが、メラビアンの法則というものがあります。人の印象は、視覚からが55%、聴覚からが38%というものです。(参考にしたサイトはこちら)
人の印象は、視覚からが半分以上を占めています。ですから、笑顔を見せることが好印象につながります。
もちろん、教員になってすぐに、たくさんの保護者を前にして話すのですから、緊張しないはずがありません。
普段から、鏡の前でにこやかに話す練習をしておくとよいです。笑顔といかないまでも、やわらかな表情を作れるように練習しておきましょう。
聞き取りやすい話し方をする
聞き取りやすい話し方のポイントは、以下の3点です。
- 大きな声で
- ゆっくりと
- 滑舌良く
普段の授業で、子どもたちに話すときと基本的に同じです。
メラビアンの法則の通り、視覚の次は聴覚です。聴覚からの情報も、人の印象を決定づける大きな要因になっています。
聞き取りやすい話し方ができるということは、子どもたちにもわかりやすく話ができていると保護者は捉えます。
逆に、小さな声だったり、あまりにも早口で聞き取りにくかったりすると、「この先生の授業はわかりにくそうだな」とか「なんだか頼りない先生だな」という印象をもたれてしまいます。
聞き取りやすい話し方になるよう、意識して話をしましょう。聞き取りやすい話し方を意識すると、表情も落ち着いてくるものです。笑顔で話すためにも、聞き取りやすい話し方も同時に意識しましょう。
具体的なエピソードを入れる
自己紹介を話すときは、4月から今までの間にあったエピソードを何か話しましょう。
「子どもたちはとても素直です」「授業に熱心に取り組んでいます」といった漠然とした内容では、保護者に伝わりません。
具体的なエピソードを話しましょう。その時、子どもたちのよいところをさりげなく褒めるのがポイントです。
「先日、理科の授業で、水の中の微生物を顕微鏡で観察しました。どの子も熱心に顕微鏡をのぞいて、いろいろな生き物を探していました。子どもたちの意欲的な態度を見て、もっと知的好奇心をくすぐるような授業を考えていきたいと思います。子どもたちとの授業がとても楽しいクラスです。」
謙虚な姿勢を見せる
新任教師は新任らしく、謙虚な姿勢を見せましょう。年齢は、ほとんどの場合、保護者の方が上です。
そして、子育てに関しては圧倒的に保護者の方が経験豊富ですよね。
ですから、素直に「教えてください」「協力をお願いします」という謙虚な姿勢が大切です。
謙虚であり、熱意のある新任教師には、保護者も協力したくなるものです。
私も、わが子の担任が新任の時がありました。とても謙虚であり、熱意のある先生で好印象でした。
学級懇談後も個別に対応することを伝える
学級懇談会後は、教室に残って個別に対応できるようにしましょう。
中には、他の保護者の前では伝えにくいことを抱えている保護者がいるかもしれません。
そのため、学級懇談会の最後には、「もし個人的に何かお話があるようでしたら、懇談会終了後、遠慮なくお声がけください。」と伝えましょう。
こうした一言を言うだけで、「配慮のできる先生だな」という印象を与えることができます。
自己紹介の具体例
それでは、自己紹介の具体例を示します。参考にしてください。
保護者のみなさま、はじめまして。このたび、○年△組の担任となりました、ぴーちょこです。
子どもの頃からの夢であった教師になることができ、この4月から新任として☆☆小学校で勤務することになりました。
○年△組の子どもたちは、明るくとても元気です。毎日、休み時間は子どもたちと一緒に外で遊んでいます。
先日、休み時間に子どもたちと遊んでいる時、おにごっこで転んで泣いている1年生の子がいました。すると、それを見つけたクラスの子どもたちが駆け寄っていきました。ある子は担任の先生へ報告に行き、ある子はやさしく声をかけていました。子どもたちの心やさしい行動が見られ、担任としてうれしく思いました。こんな素敵な子どもたちと生活できる喜びとともに、担任としてのお子さんたちを預かる責任の重さも感じています。
1年目ということで、何かとご心配をおかけすることがあるかもしれませんが、若さを前面に出して、全力で頑張ります。お気づきのことがありました、どうかいろいろ教えていただけるありがたいです。1年間、よろしくお願いします。
(学級懇談会の最後には)
もし個人的に何かお話があるようでしたら、懇談会終了後、遠慮なくお声がけください。これで、学級懇談会を終わります。ありがとうございました。
謙虚さを出すことは大事ですが、新任であることをアピールすると、保護者を不安にさせるだけです。
上記の自己紹介では、休み時間に1年生の子へのやさしい対応が見られたエピソードを入れています。子どもたちの具体的な様子を紹介することは、子どもたちをきちんと見ていますよ、というアピールになります。
長々と自己紹介をする必要はありませんが、5つのポイントに気を付けて自己紹介をしてください。
- 笑顔で話す
- 聞き取りやすい話し方をする
- 具体的なエピソードを入れる
- 謙虚な姿勢を見せる
- 学級懇談後も個別に対応することを伝える
最後までご覧いただき、ありがとうございました。