小規模校で長く働くと、中・大規模校へ異動になった時に苦労するかも?という話

この記事をご覧の方は、教員である方が多いかと思います。現在、どの規模の学校にお勤めですか?

小規模校・・・小・中学校ともに11学級以下
適正規模・・・小学校は12学級以上、24学級以下。中学校なら12学級以上、18学級以下。
大規模校・・・小学校は25学級以上、中学校は19学級以上

多くの方は、適正規模の範囲内におさまる学校にお勤めなのではないでしょうか。

その一方で、マンモス校と言われるような大規模校、全校でわずか数十人の小規模校にお勤めの方もいらっしゃるでしょう。

さて、今回は、「小規模校に長く勤務すると、中・大規模校へ異動になった時に苦労するかも?」というお話です。

私自身、小規模校で働いた経験があります。全校児童が100人に満たない学校です。

そこで一緒に働いていた同僚が、「このままこの学校に長くいたら、自分がダメになりそう…。」と言って、異動希望を出して学校を変わっていきました。

私は、その同僚の考え方にものすごく共感できる部分がありました。確かに、教員としての力が伸びないどころか、ダメになっていくかもと感じます。逆に、小規模校だから教員としてプラスになる点もあると感じます。

なぜそう思うのか、この記事で私の考えを実体験からまとめていきます。

小規模校に勤務する予定の方、小規模校に興味がある方、現在小規模校で働く方に読んでいただきたいです。

目次

小規模校に勤務することで、教員としてダメになりそうな部分は?

集団を動かす力が伸びない

小規模校に勤務すると、教師として大切な力である集団を動かす力を伸ばすことができません。特に、全校で数十人という規模だと尚更です。

規模の大きい学校だと、全校児童・生徒を教室から体育館へ入場させるだけでも、スムーズに入場させるには、入場させる順番やルートを考えなければなりません。

しかし、小規模校の場合だと、同時に移動させても混乱なく入場することができます。

様々な場面において小回りが利くため、集団を動かす力は伸びないと思います。

ぴーちょこ

大規模の学校から小規模校へ異動すると、拍子抜けするかもしれません。あまりに簡単に子どもたちに指示が通るので。

計画を立てず、場当たり的な対応になりがち

上記の「集団を動かす力が伸びない」と関連しますが、少人数で小回りが利くため、計画を立てず場当たり的な対応になりがちです。

例えば、体育の授業が計画通りに進まなかったとしましょう。小規模校であれば、別の日に体育の授業を行うことができるでしょう。

しかし、大規模校であれば、運動場や体育館の使用が重ならないように、体育の時間が指定されている場合が多いはずです。つまり、別の日に体育の授業を行おうと思ったら、他のクラスに場所の交渉をしなければなりません。

小規模校は人数が少ないために、その場で何とかなってしまうことが多々あります。

それはそれで小規模校のメリットなのですが、計画的に仕事をすることに関して、自分の力は伸びないと思います。

ぴーちょこ

行き当たりばったりの先生でも、何とかなってしまうのが許せない…。

協調性が育たない

「協調性が育たない」とはちょっと言いすぎかもしれませんが、そうなってしまう教員も確実にいます。

特に、単学級のみの学校だと、自分のやりたいようにやれるので、周りと相談する機会が少なくなってしまいます。

もちろん、単学級であっても、他の学年の先生に相談したり協力を仰いだりしてやっている先生もいます。

しかし、小規模校に赴任してきて長いこと勤務すると、その学校の勝手がわかってきます。そうなると、ますます他の教職員と相談しなくてもやっていけるので、協調性が育たなくなる可能性があります。

ぴーちょこ

もともと協調性のある先生には、あまり関係ない話だと思います。学級王国を作りたがる先生は注意が必要です。

小規模校に勤務することで、教員としてプラスになりそうな部分は?

小規模校に勤務することは、悪いことばかりではありません。小規模校に勤務することで、教員としての自分にプラスになる点もあります。

私が実際に感じたことを紹介していきます。

学年運営の力が伸びる

単学級の場合、確実に学年運営の力は伸びます。なぜなら、「自分がやるしかないから」です。

運動会の学年種目も自分が決める、学習発表会のテーマも自分が決める、社会見学や修学旅行の段取りも自分でやる、副教材の選定や注文も自分でやる・・・

何クラスもある学年であれば、分担しながらやることも、単学級だと全部一人でやっていかなければなりません。

そのため、単学級を経験すれば、たった1年でも教員として大きな経験を積むことができると思います。

やることが多くて大変ですが、一つ一つの仕事は人数が少ない分、それほど大変ではないと私は思いました。

学年主任を経験したことがある先生が、単学級の学校に異動した場合、同じ学年運営でもずいぶん楽に感じられるはずです。

ぴーちょこ

複数クラスの学年主任を何年もやってきた先生の場合、単学級は他の先生に仕事を振る必要がないので、楽に感じると思います。

個別指導の力が伸びる

小規模校の中でも特に学級の人数が少ない学校の場合(1クラス15人前後)、個別指導をする時間が作りやすいため、真面目な先生は個別指導の力がどんどん伸びると思います。

学力に合わせて一人一人に合った個別のプリントを用意したり、取り出して個別指導をしたりと、大規模校ではなかなか取り組めないことができます。

また、少人数の学級づくりを学ぶことができます。

40人学級であれば、何となく合わない子がいたとしても、別の子とグループを作ることができます。

しかし、少人数の場合は関わらないわけにはいきません。どうしても人間関係が濃くなってしまうので、そのような環境の中、どうやって学級経営をしていくのかよい勉強になります。

ぴーちょこ

単学級だと、クラス替えがないので人間関係が固定されがちです。そこをどうやっていくか、良い経験になりますよ。

いろんな校務分掌を経験できる

小規模校は教職員数が少ないので、校務分掌をかけ持ちする場合が多いです。そのため、いろんな校務分掌を経験することができます。

若い先生だと、体育主任を任されることが多いでしょう。児童会や生徒会担当を一緒に兼ねることがあるかもしれません。

数年勤務すれば、たくさんの校務分掌を経験することができると思います。これは、大規模校にはないメリットです。多くの校務分掌を経験することは、教員としての視野を広げることにつながると思います。

ぴーちょこ

私も、児童会担当と道徳教育推進教師、社会科主任、家庭科主任を同時に担当しました。

終わりに

私自身、小規模校に3年程勤務しました。「このままでは自分がダメになる!」と異動希望を出して変わっていった先生の気持ちはよくわかります。

その先生も私も、それまでの勤務校が児童数・生徒数の多い学校でした。そのため、自分が積み上げてきたこととズレがあり、「これでいいのかなあ?」と感じることがありました。

しかし慣れてくると、自分のペースで仕事ができるので、だんだん働きやすくなってきました。

ただ、この記事のタイトルの通り、小規模校ばかり経験していると、大規模校に異動にになった時に苦労するだろうなあと思います。

特に、小規模校しか経験がない先生はいろいろ大変だろうなあと思います。

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この記事を書いた人

元教員。
公立の小中学校で20年間勤務した経験を生かし、今をがんばる先生方を応援するサイトを作っていきます。

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