電話対応をしっかりと!初任者研修でしっかりやってほしいな

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若手教員の電話対応について、気になることがよくありました。

相手:「3年の〇〇の保護者ですが、教頭先生はいらっしゃいますか?」

A教諭「教頭先生は、本日出張に出られていて、いらっしゃいません。」

ここまで読んで、訂正箇所がわかる人は問題ありません。

こんな基本的な電話対応ができない若手教員がいるのが事実です。

本来であれば、「教頭は出張のために、終日不在にしております。」と答えるべきです。身内に対して敬語を使うことに、違和感を感じないのでしょうか。

ということで、教員の電話対応について確認していきましょう。

目次

よくある教員の間違った電話対応

職場の人に対して「先生」をつけてしまう

教員の電話対応でよくある間違いが、「〇〇先生は~」のように、「先生」とつけて答えてしまうことです。

普段の生活から、「〇〇先生」と呼び合っているので、ついつい出てしまうのでしょうが、電話の相手からすると、「どうして身内の人間に敬称をつけるの?」と思われてしまいます。

特に、若手の先生からすると、自分より年上の先生を呼び捨てにすることに慣れていないのでしょう。

「佐藤先生は、いらっしゃいますか。」と聞かれ、

佐藤はただいま授業のために席を外しております。」と答えられる若い先生は、意外と少ないと感じます。

ただ、前職が一般企業だった先生は、電話対応がとても上手でした。聞くと、「電話対応はみっちり指導を受けてきた」とのことでした。企業にとっては、電話対応の研修は当たり前なんですね。

保護者にタメ口を使う

私は、保護者へのタメ口を必ずしも否定はしません。

しかし、保護者とタメ口で話してよいのは、「保護者と信頼関係を築いている、中堅からベテランの教師」です。

ぴーちょこ

こういう先生は、保護者によって、敬語を使うこともあります。

こういった教師は、保護者が我が子のことで相談に来ても、

「大丈夫だよ、お母さん。心配ないって。お母さんの気持ちはわかるけど、もうちょっと〇〇さんのことを信じても大丈夫だよ。」

といった感じで、保護者を安心させる優しい口調で対応できます。

しかし、中にはこういった先輩教師を見て、勘違いしている若手教員がいます。

電話の様子を見ていると、「うん、うん」と言いながら話を聞いています。ときどき、「うん、なるほど」と答えています。

さあ、保護者はどんな気持ちになるでしょう。若手教員にとっては、大抵保護者の方が年上です。

年下の若造にタメ口対応されて、よい気分になる保護者がいるでしょうか。

特に、電話は顔が見えないので、言葉遣いはとても大切です。この保護者は電話の後、いろんなママ友に担任の電話対応についてしゃべりまっくているかもしれません(汗)。

若手教員に関わらず、保護者と話すときはきちんと敬語を使って対応する。これが基本です。

基本的な電話対応の仕方

それでは、基本的な電話対応についてまとめてみましょう。

電話の受け方

(電話を取る)

着信があったら、すぐに出る。着信コールが3回以上なったら、「お待たせいたしました。」

(学校名を名乗る)

「〇〇小学校の××でございます。」

(相手の名前を確認する)

相手が名乗ったら、「いつもお世話になっております。〇年△組の□□さんですね。」

名乗らなかったら、「失礼ですが、どちら様ですか。」

(電話を取り次ぐ)

「〇〇ですね。しばらくお待ちください。」

「〇〇先生、〇年△組の□□さんからお電話です。」(要件を聞いていれば簡単に伝えておく。)

取り次いでよいかわからない電話の場合、指名された先生が職員室にいても、「確認いたしますので、しばらくお待ちください。」といって、保留にしましょう。

夕方になると、教員を狙ったセールスの電話がかかってくることがあります。また、特定の担任に執拗にクレームを言ってくる保護者であれば、管理職に電話を回してもよいと思います。

(指名された教職員が不在の場合)

「あいにく○○は,ただいま授業中です。(席を外しております。)戻りましたらこちらから,お電話をいたしましょうか。」

(長時間の不在)「申し訳ございませんが,○○は,ただいま出張で学校を出ております。×時ごろに戻る予定です。」

「差しつかえなければ,私がご用件をお伺いいたしましょうか。」

「確かにお伝えいたします。××が承りました。」

用件を聞く場合は、ていねいに聞きましょう。悩み事があって落ち込んでいる、苦情を言いたくて立腹しているなど、保護者からはいろんな電話がかかってきます。たとえ、代わりに話を聞いているといっても、「ご心配をおかけします」「申し訳ありませんでした」などの言葉を添えて、保護者の気持ちを落ち着かせましょう。

(最後のあいさつ)

「今後とも、よろしくお願いいたします。失礼します。」

相手が受話器を置いたのを確認してから、受話器を静かに置く。

電話応対メモ

指名された教職員が不在の場合、電話の内容をメモして机上に置きます。電話応対メモとして、以下のことを伝えましょう。

  • 電話を受けた日時
  • 電話の相手は誰か
  • こちらから電話連絡するのか、後ほど電話がかかってくるのか。(こちらから電話をかけるのであれば、番号も聞いておく。)
  • こちらから電話をかける場合、何時ごろがよいか。かかってくるなら、何時ごろか。
  • 用件
  • 電話を受けた自分の名前
ぴーちょこ

たとえメモを残したとしても、メモを置いた教職員を見かけたら、口頭でも伝えましょう。時々、メモが机上の他の書類に交じって伝わってないことがあります。過去、これで保護者を何時間も待たせ、激怒させてしまったことがあります。

ぴーちょこ

用件が第三者に見られていけないような内容であれば、メモを裏返して見えないようにしましょう。

電話のかけ方

(電話をかける前に)

  • 話すことを整理しておく。
  • メモできるものを用意しておく。
ぴーちょこ

生徒指導対応や苦情の対応などで電話をする場合は、特に話すことをしっかりまとめておきましょう。伝えるべきことを伝え忘れると、後々追加で電話をすることになります。

(電話をかけ、名乗る)

「〇〇小学校の××です。」

(相手が直接出た場合)「いつもお世話になっております。△△の件でお電話致しました。」

(相手を呼び出す場合)「△△の件でお話したいのですが、〇〇さんはいらっしゃいますか。」

(相手の状況を確認)

「お忙しい時間にすみません。今、お話してもよろしいでしょうか。」

ぴーちょこ

必ず相手の状況を確認しましょう。特に携帯やスマホに電話した場合、相手はどこで電話を受けているのかわからないので、配慮しましょう。

(相手に伝える)

事前に考えておいた話すことを、ていねいに簡潔に伝える。専門用語は使わない。

必ず最後に、「いかかでしょうか。」「他に何かご相談はありますか。」など、相手の意思を確認するようにしてください。一方的に話すだけだと、伝わったかどうかわかりません。

(電話を切る前)

「今後ともよろしくお願いいたします。失礼します。」静かに受話器を置く。

最後に

電話対応は、慣れが大きいと言われますが、それは保護者対応の部分です。

電話での言葉遣いやマナーは、一般常識の部分ですから、知っているか知らないかの問題です。

いろんな保護者がいるので、気にしない保護者もいるでしょうが、気にする保護者は、電話対応から勝手に先生のイメージを作ってしまうかもしれません。

私が新任の頃より、初任者研修の内容が充実してきているのを感じます。しかし、電話対応をはじめ、身だしなみや言葉遣いなどのマナーについても、しっかりやってほしいというのが、率直な気持ちです。

地区によってはしっかりやっているかもしれません。しかし、私が勤めていた地区では十分でなかった気がします。

電話は相手の顔が見えないからこそ、きちんとした対応ができるようになってほしいですね。教員は常識がない!なんて言われないように…。

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この記事を書いた人

元教員。
公立の小中学校で20年間勤務した経験を生かし、今をがんばる先生方を応援するサイトを作っていきます。

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