【特別支援学級】保護者との関係作りの3つのポイント ~受容が大切~

元公立小中学校教員のぴーちょこです。

4月の発表で特別支援学級の担任になった先生。特に初めての特別支援学級の担任だと、いろいろと緊張しませんか?

今回は、以下の先生方におススメの記事となっています。

  • 初めて特別支援学級の担任をすることになった先生
  • 特別支援学級の児童生徒の保護者との人間関係作りに悩んでいる先生

私、ぴーちょこも特別支援学級の担任を経験したことがあります。その時の経験や教えてもらったことなどから、特別支援学級に在籍する子の保護者と人間関係を築くのに、「これは大切だな」と感じたポイント、3つを紹介していきます。

目次

保護者の思いをしっかり受け止める(受容)

一番大切なことは、「保護者の思いをしっかり受け止める」ことだと思います。

特別支援学級に在籍する保護者は、小学校または中学校に入学させるまでに、とてもたくさんの苦労をしてきています。

多くは幼児期にわが子の様子に気づき、悩みます。

  • 幼稚園で、みんなと同じように行動できない。
  • 遊園地に行ったとき、順番に並べない。
  • じっとして座っていられない。
  • 話しかけても目が合わない。
  • 3歳になっても言葉がほとんど出てこない。
ぴーちょこ

程度の違いはあれ、たくさん悩み、苦労してきています。

特に、小学校の特別支援学級に入学させる保護者は、心配なことがいっぱいです。

保育園や幼稚園と違い、小学校に通うことになったら手厚く見てもらえないのではないか。

周りの子どもたちから、変な目で見られて、いじめられるのではないか。

担任になって初めに保護者と話をするのは、入学式です。

いろいろと心配なことがあるため、それらを担任に全部伝えようとする保護者もいます。

保育園や幼稚園などからの連絡で知っていることもあるかもしれません。しかし、まずはしっかりと話を聞いてあげましょう。

保護者と自分だけで不安なら、特別支援教育コーディネーターの先生や教頭、学年主任などの先生に入ってもらいましょう。

ぴーちょこ

むしろ、最初から入ってもらった方がよいと思います。保護者の質問に答えるために。

保護者の話を聞くときの○と×をまとめると…

メモを取りながら聞く。
相槌を打ちながら聞く。
・「ちょっとその話は違うんじゃない?」と思っても、最後まで言いたいことを言わせてあげる。

ぴーちょこ

「あなた、私が言うことをきちんとメモしておかないから対応を間違えるんでしょ!」と怒鳴られた先生がいました。メモを取る姿を見せるのは大事です。

・話を途中で遮る。
・何の根拠もないのに、安心させようとする。

保護者の話を途中で遮ってはいけません。たとえ知っている話、依然と同じ内容の話であっても、きちんと最後まで聞いてあげることが大切です。

きちんと話を聞く態度を見せることで、「この先生は話を聞いてくれる先生だ。」と思ってもらえます。

私の経験上、保護者によっては学校に過度の期待をしているわけではなく、「うちの子が大変であることを知ってほしい」という思いの保護者もいます。つまり、共感してほしいのです。

ですから、話をしっかり聞いてあげましょう。対応の上手な先生は、言いたいことを全部言わせた後で、保護者の思いを受け入れながら返答をしていきます。

もう一つ、やってはいけないことは、「何の根拠もないのに、安心させようとする」ことです。

例えば、「うちの子が変な目で見られて、いじめられるのではないか」と保護者が話した時に、次のように答えるのは無責任で、保護者の不信感を買います。

心配ないですよ。うちの学校の子は、みんなやさしい子ばかりですので、そんなことは起こりませんよ。

こんな返答をして、保護者が安心できると思いますか?私だったら、「深刻に考えてくれない先生」という印象を受けます。

模範解答になるか分かりませんが、私ならこのように言います。

心配になりますよね。学校では普段から、いろいろな個性を認めるよう人権教育をしています。しかし、低学年の子の中には、思ったことを言ってしまう子もいます。そうした言動には十分注意しながら、○○さんがみんなに受け入れてもらえるようにしていきます。もし、家庭で嫌なことがあったと言った場合は、すぐにお知らせくださいね。すぐに対応いたします。

ぴーちょこ

保護者の思いに寄り添いながら、何かあった時はきちんと対応するという姿勢を見せることが大切だと思います。

変に不安がらせてもいけませんが、きちんと伝えることは大切です。

×のように回答した後、もしいじめられるようなことがあったら、「先生はいじめは起こらないって言ったじゃないですか!」と言われてしまいます。安易な発言はしない方がよいです。

要望に対しては、可能な限り受け入れる

特別支援教育には、「合理的配慮」という言葉があります。

文部科学省のHPには、以下のような説明がされています。

「合理的配慮」とは、「障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。」と定義されている。

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1297380.htm より一部引用

そして、合理的配慮として以下のことが挙げられています。

(ア)教員、支援員等の確保
(イ)施設・設備の整備
(ウ)個別の教育支援計画や個別の指導計画に対応した柔軟な教育課程の編成や教材等の配慮

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1297380.htm より一部引用

保護者からは、わが子のために特別に対応してほしいことを要望されると思います。

その際は、「可能か、可能でないか」ということをきちんと踏まえた上で、できることは可能な限り受け入れてあげることが大切だと思います。

もちろん、できないことをできないと答えるのは当たり前です。しかし、「ちょっと面倒くさいな」という教師側の判断で、保護者からの要望を拒否しないようにしたいものです。

即答できないことは、きちんと校長や教頭、特別支援教育コーディネーターなどに相談しましょう。

連絡を密にする

連絡は密に行いましょう。

通常学級の場合と違い、特別支援学級は1つのクラスに在籍する児童生徒数が少ないので、保護者との関係は濃くなります。

ですから、保護者と積極的に連絡をとるようにしましょう。

小さなことでもよいので、学校での様子を伝えてあげると保護者は安心します。同時に、うまくできなかったことは、保護者と相談します。

保護者と話をする回数が増えれば増えるほど、保護者との関係は深くなっていきます。

「この先生は信頼できる先生だな。またちょっと相談してみようかな。」と思ってもらえるよう、連絡を密に取りながら、保護者との人間関係を築いていくことが大切だと思います。

まとめ

特別支援学級に在籍する子の保護者と、人間関係を築くうえで大切なポイントを3つ紹介してきました。

  1. 保護者の思いをしっかり受け止める(受容)
  2. 要望に対しては、可能な限り受け入れる
  3. 連絡を密にする

特別支援学級の担任になったばかりだと、保護者とどう接してよいかわからないと心配になる先生は少なくないと思います。

保護者はこれまでに、そして今もわが子のことでたくさんの苦労や悩みがあることを理解し、対応することが大切です。

教師として、保護者に意見をしたくなることもあるかと思います。保護者の要望が、「それって子どものためになるの?」と疑問に思うこともあるかもしれません。

しかし、保護者との人間関係ができていない状態では、教師の思いはうまく伝わらないことがほとんどです。

まずは、保護者との人間関係を築くことに重点を置いて、日々接していきましょう。

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この記事を書いた人

元教員。
公立の小中学校で20年間勤務した経験を生かし、今をがんばる先生方を応援するサイトを作っていきます。

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