全国的に教員志望者が減っていると言われていますが、その分教員を志す人は、教員への強い思いや憧れをもっているのだと思います。
そんな人たちのために、自分の経験が何か生かせないか考えた時・・・
ありました。私、ぴーちょこは教員採用試験で、一次試験の集団面接の面接官をしたことがあります。
私が面接官を務めたのは、小学校の教員採用試験です。
自治体によって、教員採用試験の内容は違います。面接についても、個人面接か集団面接か、面接官は何人かなど、細かい点は自治体によって違うと思います。
しかし、面接で何を評価するかということの根本はどこも変わらないはずです。教員を目指す人の参考になると思っています。
集団面接で何を評価しているのか
面接官をだれが務めるのか、自治体によって若干の違いはあるかもしれませんが、現役の教員が務める場合が多いと思われます。
多くは、校長、教頭といった管理職が中心です。私の場合は、面接官は3人1組で、校長、教頭、教務主任等の比較的若手の教員でした。
その点を踏まえると、評価するポイントが見えてくると思います。それはズバリ
自分の学校にほしい人材か!
ということです。当たり前ですが、教員は採用されてからすぐに即戦力として仕事をすることが求められます。面接官は自分の職場に来ることをイメージしながら話を聞いています。
面接官は管理職が多いということを理解しておきましょう。
ただし、集団面接は個人面接と違い、深いところまで突っ込んで質問をすることは少ないです。なぜかというと、基本的に同じ質問を全員にするからです。
そのため、集団面接は十分に対策が可能です。逆に面接の準備をしていないとすぐにわかります。
では、具体的にどんなところに気を付けたらよいのでしょうか。ご紹介していきます。
目を見て話ができるか
私は、この点をものすごく大切にしていました。厳しいことを言いますが、人と目を合わせられない人は、教員に向いていません。なぜなら、教員の仕事は、子どもと目を合わせて話す必要があるからです。
子どもは大人以上に素直、悪く言えば残酷です。例えば教室が騒がしくなった時、目を合わせられない先生が注意をしたとしても、「自分に言っていない」と捉える子がいます。中には、「目を合わせないのは、自分にビビっているからだ」と捉える子どももいます。そうなると、学級は荒れていきます。
もちろん、恥ずかしがり屋で目を合わせるのが苦手という人もいるでしょう。でも、教員採用試験の面接では、事前に対策をしておけば目を見て話せるはずです。
聞きやすい声の大きさ、速さで答えられるか
教員は、子どもたちの前で話すことが仕事です。声の大きさや話す速さというところまで意識をもつようにしましょう。具体的には、「読む」のではなく「話す」イメージです。
ほとんどの受験者は、面接の質問を予想して対策をしてきています。そして、対策してきた質問が出た途端、「よし、キタ━(゚∀゚)━!」とばかりに、考えてきたことを読み上げるように話す人が結構います。
減点というわけではありませんが、やはり話すように自分の思いを込めながら答えられると印象がよいです。
「話す」とは、自分の考えを相手に伝えること。自然と聞きやすい声の大きさ、聞き取りやすい速さになります。
笑顔で受け答えができるか ~メラビアンの法則~
人の印象は、表情が占める割合がとても大きいです。コロナ禍でマスクを着用しての面接であっても、目元から表情はある程度わかります。
「メラビアンの法則」というものがあります。これは、人の印象は視覚からが55%、聴覚からが38%と言われるものです。詳しくはこちら。
やはり、仏頂面より笑顔の方が好印象です。
教員として、常識的な回答ができるか
これは、それほど難しいことではありません。質問に対してトンデモない回答をしなければ大丈夫です。例えば、以下のような回答はアウトです。
Q:いじめを発見した場合、どのように対応しますか。
A:いじめのつらさをわからせるために、いじめられた子の見方になって、いじめ返させます。
実は上の回答、大学時代の面接練習で実際にこう答えた人がいました…。
こんな考えの人が採用されたら、学校現場はものすごく迷惑です。
学校は組織であるということを理解して回答することが大切です。
Q:いじめを発見した場合、どのように対応しますか。
A:まず、他の先生方や校長先生に相談します。それから、事実関係をしっかりと把握してから対応します。保護者に不安を抱かせないよう、できるだけ、早く対応します。
こんなような回答ができるといいですね。学校という組織に所属するのですから、一人で抱え込まずに報告・連絡・相談をするのは常識です。そこに、教員としての責任感として、できるだけ迅速に対応することを述べます。
最後まで丁寧に受け答えができるか
上手に答えなきゃと思うばかりに、焦ってしまう受験者がいます。特に、事前の対策にないような質問をされたときに、パニックになってしまう受験者がいます。
しかし、考えても見てください。最初から完璧を求められると思いますか?
学校現場にとって、ほしいと思われる人物とは、最初から完璧な人ではありません。成長しようと前向きな態度を見せる人です。
例えば、「開かれた学校づくりについて、大切なことは何だと思いますか?」と聞かれたとしましょう。
もし、「開かれた学校づくり」とは何かわからないのであれば、
「開かれた学校づくりについて、勉強不足でよくわかりません。これからしっかり勉強して、考えていきたいと思います。」と答えた方がよいでしょう。
知らないのにごまかそうとしても、面接官はわかります。うまく答えられない質問であっても、最後まで丁寧に受け答えをすることが大切です。
私の場合、わからないことはわからないと認め、がんばって勉強したいと答えた受験者に好印象をもちました。
集団面接の面接官をして感じたこと
集団面接の面接官を通して感じたことは、集団面接でマイナス評価を受ける受験者はほとんどいないということです。
受験者を詳細に見るのは、個人面接の場になります。集団面接は、ふるいにかけるといった感じです。そのため、きちんと集団面接の対策をしてきた受験者は、ほぼ問題ありません。
質問に対して、覚えてきたことを朗読するような回答の仕方であっても、プラスにはならないにしても、マイナスにはなりません。きちんと準備をしてきた、熱意のある受験者だと感じます。
私が低く評価したのは、回答の内容より、受け答えと立ち振る舞いがよくない受験者です。
覇気がない、声が小さい、表情が暗いは、私でなくても他の面接官にとっても評価は低いです。ただ、そのような受験者はほとんどいませんでした。
受験者の中には、新卒もいれば講師経験者もいます。講師経験者の中には、教員採用試験の不合格を経験した人もいます。しかし、講師経験者は不合格になった経験をマイナスにとらえる必要はありません。
講師経験がある人は、自分の経験を交えて話す人がたくさんいました。これは、新卒の受験者には言えないことです。面接官としては、現場経験があるのはさすがだなと感じました。
まとめ
- 目を見て話ができるか
- 聞きやすい声の大きさ、速さで答えられるか
- 笑顔で受け答えができるか
- 教員として、常識的な回答ができるか
- 最後まで丁寧に受け答えができるか
上記の5つは、個人面接であっても大切なポイントです。
現場の教員だった経験から言わせてもらうと、知識や技術は後からどんどん身に付けていくことができます。
だから、一番重視したいのは「人柄」です。そうした人柄のよさが面接官に伝わるように、集団面接の準備をしましょう!
教員採用試験の合格目指して、がんばってください。