子どもたちが何となく落ち着かない、学習に集中できていないと思った時、教室環境は整っていますか?
学級がほころびはじめるきっかけの一つに、教室環境の乱れが考えられます。
割れ窓理論というのをご存知ですか?
軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで、凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の理論。アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリングが考案した。「建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される」との考え方からこの名がある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%B2%E3%82%8C%E7%AA%93%E7%90%86%E8%AB%96 (ウィキペディアの「割れ窓理論」より引用)
教室環境も同じことがいえると思います。
教室環境が乱れ始めると、教室の別の場所も乱れ始めます。それがきっかけとなり、子どもたちの心にも影響を与え、落ち着きがなくなることにつながります。
自分の教室を見て、以下のことを確認してみましょう。
- 教室のごみ箱に、ごみがあふれていませんか?
- 掲示物がはがれていたり、画びょうがはずれていたりしませんか?
- 古い掲示物がそのままになっていませんか?
- 本棚の本はそろっていますか?
- 配膳台に給食のおかずがついたままになっていませんか?
- 掃除道具入れは整とんされていますか?
- ぞうきんは、きれいにかけられていますか?
- 児童机の横に荷物がいっぱいかかっていませんか?
- 休み時間、机の上を片付けない子どもを見逃していませんか?
- 子どものロッカーから荷物がはみ出ていませんか?
- 子どもの落し物はすぐ本人に返っていますか?
- 教室の隅にほこりがたまっていませんか?
- 教師の机の上は整とんされていますか?
一つでもできていないものがあったら、アウトだと思ってください。
ぞうきんがきれいにかかっていない教室であれば、きっと掃除道具入れも整とんできていません。
子どもが物を落とした時にすぐに本人に返らない状況であれば、教室で物がなくなることが多発しているのではないですか?
教室環境をきれいに保つことは、子どもたちが落ち着いて過ごすために必要なことです。
ここで大切になることは、子どもたち自身が教室環境をきれいに保つシステムを作ることです。
高所の掲示物など、危険が伴うところは教師の役割ですが、それ以外は子どもたちが環境を整えるように学級を運営することが大切です。
以下のことがきちんと決められていますか?
- ごみ箱のごみを捨てる係
- 本を整えて戻す習慣づけ
- 配膳台におかずが落ちた時に片付ける人と片付け方
- 掃除道具入れのほうきやちりとりを片付ける場所の明記
- 授業が終わった後、消しカスを集めて捨てさせる指導
- ぞうきんを掛ける場所の指示 など
なお、私は学級の係に、整とん係を作っていませんでした。
若い頃は、整とん係を作ったこともあったのですが、整とん係がきれいにしているだけで、全員の成長につながらないと感じたからです。気付いた時に整とんしてあげるにしても、わざわざ係を作る必要はないと思いました。
それよりも、一人一人がきちんと意識して教室環境をきれいに保とうとするような学級経営をすることが大切だと思ったのです。
しかし、ただ「片付けなさい」という指示だけでは不十分です。子どもたちが教室環境をきれいに保てるような工夫をすることも教師の役割です。
教室環境を保つための工夫については、別の記事にまとめていきたいと思います。