保護者の信頼を得る、連絡帳の扱い方4つのポイント

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小学校では、次の日の連絡を連絡帳に書いていくのがほとんどだと思います。

1年生は、連絡帳をきちんと書けるように、担任がていねいに指導します。2年生以降も、きちんとチェックしているという先生が多いことでしょう。

さて、今回は、「教師が保護者の信頼を得る、連絡帳の扱い方3つのポイント」です。

私が経験してきたことや、教えてもらってきたことをまとめていきます。参考にしていただければ幸いです。

目次

保護者への連絡は、わかりやすくていねいに書く

文面から教師の人柄が伝わります。保護者に連絡を書くときは、わかりやすくていねいに書くことを意識しましょう。もちろん、ていねいを意識しすぎると、文が長くなり、かえってわかりにくくなるので注意が必要です。

例として、子どもが水筒のお茶を自分でこぼし、漢字ノートが使用できないくらいベタベタにぬらしてしまったとしましょう。さて、どうやって連絡帳に書きますか?

今日、〇〇さんが自分でお茶をこぼし、ノートをベタベタにしてしまいました。使用できないので取り替えてください。

ぴーちょこ

確かに事実を簡潔に伝えているけど…保護者はどう思うかなあ?

こんな風に書いてみたらどうでしょう。

いつもお世話になっております。本日、〇〇さんがうっかり自分でお茶をこぼし、ノートをベタベタにぬらしてしまいました。教室で乾かしましたが、今後〇〇さんが使うにはかわいそうな状態です。お手数をおかけしますが、新しいノートの購入をお願いします。

なお、本人はショックだったようで落ち込んでいました。私から「だれでも失敗はあるからね」と話をしましたが、ご家庭でも話をしてあげてください。

それでは、ポイントをかいつまんでまとめます。

「いつもお世話になっております」など、最初にあいさつを入れるか入れないかで、読む側の印象は変わります。

「教室で乾かしました」のように、教師が何をしたのか書くと、「先生はわが子のために動いてくれたんだ」ということが伝わります。

「〇〇さんが使うにはかわいそう」のように、ノートがぬれて使えないという事実だけでなく、子どもの立場にも触れていると、子どもの気持ちに寄り添ってくれる先生という印象を与えます。

「お手数をおかけしますが」と一言入れるだけで、ていねいな印象を与えます。仕事で夜遅く帰ってきて連絡帳を見る保護者には、この一言があるだけで気持ちが和らぐのではないでしょうか。

「私から「だれでも失敗はあるからね」と話をしました」のように、子どもの失敗に対して、教師のフォローがあったことが伝われば、保護者はうれしいと思います。

だれかに見られていけないことは書かない

連絡帳は、だれが見るかわかりません。

けがや病気で欠席する場合、欠席連絡を書いて、近所の子に学校へ届けてもらうことがあるでしょう。

人の連絡帳を見てはいけないと教師は指導しますが、それでもだれかに見られてしまう可能性があります。

そのため、だれかに見られてはいけないことは連絡帳に書かないようにします。そういう場合は、電話連絡をします。

だれかに見られてはいけないこととは、一言で言えば子どもへの指導に関することです。例えば、

  • 忘れ物が続くことへの指導
  • だれかをいじめたことへの指導
  • 学校の備品を壊したことへの指導

などです。

ぴーちょこ

そもそも指導事項は、連絡帳では正確に伝わらず、保護者とトラブルになりやすいです。電話か直接話をするのが基本です。

あと、指導内容ではないのですが、私が絶対に連絡帳に書かず、電話連絡していたことがあります。それは、

トイレの失敗(おもらし)

です。1年生や2年生では、時々おもらしをしてしまう子がいます。本人の失敗であることがほとんどなのですが、連絡帳に書くのは本人がかわいそうなので、電話連絡にしていました。

ぴーちょこ

大切なことは、教師の人権感覚ですね。

時々褒めることを書く

連絡帳には、時々褒めることを書いてあげると、保護者は喜びます。

こういうことをすると、「保護者にこびへつらっている」なんて言う教師もいます。

しかし、私はそう思いません。保護者との人間関係を築くためには大切なことだと思っています。私は現役時代に取り組んできましたが、保護者から感謝されたことはあっても、マイナスになったことはありません。

ぴーちょこ

学校からの連絡は、全て悪いことだと思っている保護者がいまだに多くいます。よいこともしっかり伝えてあげるべきです。

褒めることを電話で伝えると、恐縮する保護者もいます。しかし、連絡帳なら保護者に気軽に読んでもらえますし、何より褒められたという事実が形として残ります。

ただし、褒めることは、きちんと具体的に書きましょう。上っ面だけの褒め方では、保護者に伝わりません。

子どもが書いた内容が正しいか確認する

明日の連絡を子どもたちに書かせたら、チェックをしますよね。低学年であれば、きちんとチェックをするのは担任の義務です。

チェックしたら押印をしますが、きちんと確認するようにしましょう。

といっても、全員分をていねいに見るのは大変です。そのため、連絡を写し間違えそうな子をしっかり見るようにしましょう。

「子どもが書いた内容がまちがっているのに、先生の印が押してある。どういうことですか!」とクレームを受けていた先生がいました。

ぴーちょこ

写し間違えたわが子を叱れよ!と思いますが、教師のせいにする保護者はいるんですよね…。

なお、高学年なら連絡帳のチェックをせず、自己責任に任せても構いません。ただし、忘れ物が多い子は、時々連絡帳をチェックしましょう。

最後に

連絡帳は、子どもたちが毎日使うものです。基本は子どもが明日の連絡を書いていくものですが、保護者との連絡ツールでもあります。

上手に活用することで、保護者の信頼を得ることにつながります。

それでは、まとめです。保護者の信頼を得る、連絡帳の扱い方4つのポイントとは、

  1. 保護者への連絡は、わかりやすくていねいに書く
  2. だれかに見られていけないことは書かない
  3. 時々褒めることを書く
  4. 子どもが書いた内容が正しいか確認する

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

連絡帳を上手に活用して、保護者と良好な関係を築けることを願っています。

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この記事を書いた人

元教員。
公立の小中学校で20年間勤務した経験を生かし、今をがんばる先生方を応援するサイトを作っていきます。

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