私がまだ若手教員だったころ、研修会で教師の理想像として「V.S.O.P」の話を聞いたことが何度もあります。聞いたことがある!という先生がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
ブランデーのV.S.O.Pをイメージしちゃいますよね。
V.S.O.Pとは、
V・・・vitality(バイタリティー)
S・・・specialty(スペシャリティ)
O・・・originality(オリジナリティ)
P・・・personality(パーソナリティ)
の4つのことです。
それぞれの資質を伸ばしていく年代として、
V(vitality)は、20代、
S(specialty)は30代、
O(originality)は40代、
P(personality)は50代
なんだそうです。
教師のV.S.O.Pについては、全国的に取り上げられていることなので、地域や研修会などによって、微妙に解釈が違うようです。
ここからは、V.S.O.P一つ一つについて、私が学んできたことを紹介します。今をがんばる先生方のお役に立てば幸いです。
V(vitality)
バイタリティがある、つまり活力にあふれていることは、教師にとって必要なことですよね。元気な子どもたちに負けないくらい活力のある教師は、子どもたちだけでなく、周りの教師にとってもよい刺激になります。
また、バイタリティのある教師は、仕事に対して前向きで一生懸命になれます。
若手の教員は、教師としての力量は不十分でも、バイタリティがあればそれを補うことができます。とにかく行動あるのみ!
失敗を恐れず行動することで、教師として成長できますし、何よりもそんな教師に子どもたちは付いてきます。
バイタリティが必要なのは、ベテランも一緒。でもベテランの場合、バイタリティの意味が「活力」から「生命力」に変わってきているかも(笑)。健康第一で!
S(specialty)
スペシャリティとは、「専門性」です。教師は、教えるという専門職ですから、この力を伸ばすことが大切です。
教師という職業の専門性とは何でしょうか。それは、ズバリ
教え方がうまいこと
です。当たり前じゃんと思われるかもしれませんが、この教えるということの難しさは、教師であればだれもが痛感しているはずです。
子どもたちは一人として同じ子はいませんし、教える環境(クラスメイトの人間関係、教室内の児童生徒の理解度など)も違います。
また、そもそも教師一人一人も違います。有効な指導法というのはありますが、だれもがその通りにやってうまくいくわけではありません。
さまざまなことを教師自身が学びながら、自分なりの「教え方」を身に付けていく。それが、教師にとってのスペシャリティだと思います。
専門教科の知識、発達障害への理解、教育法規などは、スペシャリティ(専門性)ではないと思っています。だって、教師にとって必要な知識ですもんね。
O(originality)
Oは、オリジナリティです。つまり、独自性です。独自性といっても、子どもたちから見た独自性と、職場仲間から見た独自性の両面をもちたいものです。
子どもたちから見た教師の独自性の例として・・・
- ギターが弾ける
- イラストが上手
- アニメについて詳しい
といった、子どもたちの興味を引き付ける特技が挙げられます。
対して、職場仲間から見た独自性とは、
- ICT機器に詳しい
- 教室掲示や環境整備が得意
- 合唱の指導をさせたら、どの学年も短期間で上達する
などのような、職場仲間から一目置かれる力を備えていることが挙げられます。
教師のS(スペシャリティ)に+αとして、O(オリジナリティ)を身に付けることで、さらに一段上の教師になれるように思います。
ある教師の模倣ではなく、独自性のある教師を目指しましょう。
マイナスなオリジナリティをもつ先生にならないように!
(例)提出期限を守れない、自分がよいと思うことしか教えない…
P(personality)
Pのパーソナリティとは、人格や人間性のことです。
人間としての魅力を磨き、教師集団を引っ張っていくことが求められます。
ただ、教師という職業柄、子どもたちの前に立つわけですから、パーソナリティを磨いておくことは大切です。
職場の中に、魅力ある先輩教員がいれば、きっとその先生はパーソナリティが磨かれている先生だと思います。
まとめ
教師のV.S.O.Pとは、以下の4つです。
V・・・vitality(バイタリティー)
S・・・specialty(スペシャリティ)
O・・・originality(オリジナリティ)
P・・・personality(パーソナリティ)
教師としての生活がマンネリ化してきている、何か目標を忘れてしまっているようならば、教師のV.S.O.Pを考えてみてはいかがでしょうか。
先生方のご活躍を願っております。