時間外勤務を「改ざんされた」ニュースを見て、元教員が感じる教員界の闇

先日、ニュースで「時間外勤務を教頭に改ざんされた」という記事を見ました。愛知県の公立小学校の話です。

以下、ソースをご覧ください。

【独自】「勤務記録を教頭が改ざん」 愛知の教諭訴え、時間外52時間少なく

https://www.chunichi.co.jp/article/573445

勤務時間を教頭が書き換え 愛知の小学校教諭、是正要求

https://www.sankei.com/article/20221031-42OFCRB3YBNWLDGJTCCBKNS4D4/

時間外勤務「改ざんされた」 130→78時間 小学校教諭が訴え

https://www.asahi.com/articles/ASQB0647FQB0OIPE00G.html

記事をご覧いただかなくても、記事のタイトルから何となく推察できるかと思います。

簡単にこの記事のポイントをまとめると、以下の通りとなります。

  1. 訴えを起こした教諭は、教務主任だった。
  2. 4月の時間外勤務、約130時間を、教頭が78時間に改ざんした
  3. 改ざんの前に、教頭から過少申告を求められた。(直接ではなくスマホで)
  4. 教委の幹部は「事実と異なる勤務時間が教委に報告されたことは間違いないが、教頭と教諭本人が相談した上でのことと認識している」と話している。

上記4点について、元教員で教務主任も経験したぴーちょこが、教員界の闇だと感じることを思うがままにまとめていきたいと思います。

目次

4月は忙しい!教務主任は特に・・・。

4月はとにかく忙しい!教員なら常識です。

教務主任でなくても、4月は過労死ラインといわれる80時間の時間外勤務をする先生は少なくありません。

初めて学年主任になる先生、研究主任などの役割を与えられた先生のみならず、1年間の学級経営を軌道に乗せようと一生懸命働いていれば、時間外勤務が80時間を超えることは珍しいことではありません。つまり、立場にかかわらず、4月の時間外勤務80時間は、今の教員の働き方では驚くことではありません。

4月の教務主任は、もはや忍耐が試される過酷な忙しさがあります。

  • 年度当初の学校運営に関する提案(めちゃくちゃ多い)
  • 文科省から依頼される各種調査(似たようなやつもあり、とにかく多い)
  • 時間割編成(学校規模が大きいと大変)

などなど、とにかくやることが多いです。

教務主任を経験した私の意見としては、教務主任の4月の仕事は、時間外勤務80時間で収まりません。

訴えを起こした先生は、新聞記事によると、支援員が足りない特別支援学級にも入っていたとのこと。

同情するしかない忙しさだったはずです。

時間外勤務約130時間だったとのことですが、それにプラスして家でも仕事をしていたと思います。

ここでは詳しく触れませんが、年度当初に来る文科省の調査は多すぎます。必要ないもの、もっと精選できるものがあります。

学校運営を円滑に進めることを第一に考えた場合、お役所仕事できなものを4月に集中させるのは遠慮してほしいです。

ぴーちょこ

学校の教務主任はもちろん、それを集約する市町村教育委員会、都道府県教委も忙しいぞ!

教頭よ、校長の味方か、その他大勢の教職員の味方かどっちだ!

さて、そんな忙しい教務主任の先生ががんばった約130時間の時間外勤務。それを78時間に改ざんした教頭。

この教頭、確実に校長の味方です。その他大勢の教職員の味方ではなく、校長に寄り添っています。

記事の中で、こんな表記がありました。

時間外勤務が計百時間を超えた四月下旬、スマートフォンのメッセージで教頭から勤務記録の書き換えを求められたが、教諭は拒否。教頭から「在校時間を整えるのは校長先生の願いです」と返信があり、やむを得ず了承したという。

https://www.chunichi.co.jp/article/573445 
ぴーちょこ

お前は出世のために校長のいいなりになっているんかい!

推測でものを言うのはよくないかもしれませんが、この学校で80時間を超えたのは教務主任だけではないはずです。

ということは、80時間を超えた他の教員も、教頭から同様に勤務記録を改ざんされた可能性があります。

この教頭、自分も教務主任時代があったと思われますが、忙しくしている教務主任をかばう気はなかったのでしょうか。

約130時間の時間外勤務をして、心身ともに疲れている中、

「お疲れさん、時間外勤務がすごいことになっているけど大丈夫?」と言われるのではなく、

「時間外勤務が多いね。在校時間を整えるのは校長先生の願いです。」と言われるわけです。

まあ、少し教頭に同情するとしたら、時間外勤務が80時間を超えないように校長から言われていたであろうということです。だからといって、改ざんしてよいことにはならないですが…。

道徳教育は、教頭(校長にも)に必要なんじゃない?

この記事を読んでいてふと思ったこと。それは、「道徳教育は教頭に必要なんじゃない?」ということです。(ついでに校長も)

ぴーちょこ

あ、この学校の教頭に対してですからね。

誤解のないように言いますと、この学校の教頭に対して思ったことです。もちろん、周りの先生のことを考え、仕事をしているデキる教頭先生はたくさんいます。私が出会った教頭先生も、そういう先生が多かったです。だから余計にこの記事よ読んで腹が立つのです。

時間外勤務の改ざんなんて、「文書偽造」に当たるんじゃないでしょうか。教務主任の先生がやむを得ず了承したとはいえ、一旦は拒否するなど、本人が認めていないことは明らかです。

いや、本人の意思とは関係なく、約130時間という時間外勤務の事実を捻じ曲げていることに問題があります。

事実を捻じ曲げられるのであれば、そもそも勤務時間の調査をやめにすべきです。

「ウソを言わず、正直に話しなさい。」

きっと、この教頭だって子どもたちにこう教えてきているはずです。「嘘も方便」なんて考え方は通用しません。明らかにこの時間外勤務の改ざんはダメなことです。

「もしあなたがこの教頭の立場なら」というテーマで、話し合う道徳の授業をやりますか?多様な考え方を認めるということで、「ぼくなら、校長先生に怒られるから、この教頭先生と同じことをするな」という意見でも認めますか?

問題すり替えの教育委員会も、道徳教育を受けたら?

この記事でさらに私が気になった記述が以下です。

教委の幹部は「事実と異なる勤務時間が教委に報告されたことは間違いないが、教頭と教諭本人が相談した上でのことと認識している」

https://www.asahi.com/articles/ASQB0647FQB0OIPE00G.html

教育委員会がこんなことを言っているから、いじめ問題への対応でも世の中からの反発を受けやすいんだ!と思いました。

「教頭と教諭本人が相談した上でのことと認識している」と言っていますが、訴えた教務主任の先生は明らかに管理職からの圧力を受けて、改ざんを認めざるを得なかったわけです。

そもそも問題をすり替えているでしょ。

一番問題なのは、「事実と異なる勤務時間が報告されたこと」です。そして次の問題が、「管理職からの圧力があったと認められること」です。

教育委員会が、この教務主任の訴えから何が問題であるのかはっきり認識し、対応策を講じないのであれば大問題です。

最後に

教員が過労死ラインを超えて働いているということで、時間外勤務の調査については数年前からどこの学校でも行われているはずです。

ただ、今回の問題が明るみになったように、過労死ライン80時間を超えないようにしたいという管理職の考えは、全国どこの学校にもあると思います。

今回のように、勤務時間を改ざんされた、または実際と違う勤務時間を報告するように言われた教員は、少なくないと思います。

直接的に言われなくても、遠回しに「80時間を超えるな」という圧力を受けたことがある先生はいるはずです。実際に私も、「80時間を超えると、医者の診断を受けないといけない。そうならないように。」とある校長に言われたことがあります。

今回のような、勤務時間の改ざん、過少申告は氷山の一角ような気がしてなりません。みなさんの学校ではいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

元教員。
公立の小中学校で20年間勤務した経験を生かし、今をがんばる先生方を応援するサイトを作っていきます。

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