教員を目指している人にとって、教育実習は教員免許取得のための一大イベントです。
教育実習へ行く前に、どんな準備が必要なのか、実習中はどう過ごせばよいのかなど、気になることがたくさんあると思います。
教育実習は大体3~4週間行われます。長いようであっという間の実習期間です。準備しておくと、ものすごく充実した教育実習になります。逆に何もしないで臨むと、教育実習が始まってから焦ったり迷惑をかけたりすることにつながります。
現場の先生は、実習生が準備をしてきたかどうか、気付いていますよ。
ということで、教育実習をこれから迎える人に向けてのアドバイスを、3回に分けて紹介していきます。
なお、この記事は、小学校、中学校に教育実習へ行く人を対象にしています。
今回は、「持ち物と服装・髪型編」です。
私、ぴーちょこは以下の経験があります。
・指導教官として、実習生を直接受け持った経験あり
・教務主任として、実習生に関する業務、指導を担当した経験あり
そこで、現場で実際に教育実習を受け入れた立場から、現場の声をお伝えします。
教育実習前に用意しておくもの(必須!)
まずは、教育実習の前に用意しておくものです。当たり前だと思われるかもしれませんが、当たり前だと思うものほど、忘れやすいです。しっかりチェックしましょう。
バインダー
教育実習中は、メモをとる場面がたくさんあります。授業を見るときなど、立ってメモする機会がほとんどです。そのため、バインダーは必須です。
メモすることは、児童生徒に関わる個人的な内容が含まれる場合があります。そのため、閉じることができるバインダーを使いましょう。
印鑑
最近は、様々な書類に押印の必要がなくなってきていますが、いつ必要になるかわかりません。
教育実習の期間は、毎日印鑑を持参することを忘れないようにしましょう。
スーツ
教育実習前でなくても、すでにスーツは持っていると思います。持っていれば新たに購入する必要はありません。
ただ、汚れや破れなど、傷んでいる箇所がないかは事前に確認しておきましょう。
なお、実習が5~6月だと、サマースタイルでOKという学校が多いと思います(男子学生の場合、ノーネクタイ)。学校で過ごす間はサマースタイルでもよいですが、男女とも必ずジャケットは持ってきてください。
暑いからジャケットはいらないよと言われても、正装という形でジャケットを持参する方が無難です。脱ぐなら学校へ着いてから。
ジャージ
教育実習先が小学校であれば、体育の授業があったり子どもたちと一緒に遊んだりする都合上、ジャージで過ごすことが多くなります。
しかし、それだけが理由ではなく、学校は掃除や施設の修繕など、様々な作業を教員が行っています。そのため、小学校でも中学校でもジャージは必要です。
ジャージは必ず実習初日から持っていきましょう。実習先が中学校でも必要です。
上履き、体育館シューズ、外履き
教育実習先では、3つのシューズを用意しましょう。
- 校内で履く上履き
- 体育館で履く体育館シューズ
- 外で活動するとき用の外履き
校内で履くための上履きを用意しておきましょう。サンダルやスリッパはダメです。新品である必要はありませんが、汚れが目立つのであれば、新しいものを用意しておきましょう。
体育館シューズは、通常の上履きとは別に用意します。体育館のフロアを傷つけないために履くシューズですので、外用に履いていたシューズを使わないようにしましょう
また、外履き用の運動靴も用意しておきましょう。こちらは外で子どもたちと遊んだり、運動で動いたりするときに履くので、履きなれた運動靴の方が良いでしょう。
腕時計
腕時計も必須アイテムです。分単位で時間割が組まれている学校という場所は、1分2分でも大切な時間です。すぐに時間が確認できるよう、腕時計を用意しておきましょう。スマホで確認なんてダメですよ!
なお、スーツにもジャージにも馴染むデザインの時計だといいですね。腕時計であれば、アナログでもデジタルでも、スマートウォッチでも構いません。
スマホで時間を見ることに慣れている人は、腕時計を持っていないかもしれませんね。これを機に購入しましょう。
はさみ、カッターナイフ、のり、セロテープ
授業で使う掲示物や教材の作成に必要です。切ったり貼ったりするための道具です。
よくある文房具ですが、持参していかないと学校で「貸してください」とお願いすることになります。子どもも持っている文房具ですから、実習生も持参しましょう。
ノートパソコン
実習先の学校でパソコンを貸してもらえるかもしれません。しかし、多くの学校は実習生用のパソコンを用意していないと思います。
学習指導案作成、教材作成などは、自分で持ってきたノートパソコンで作成します。
印刷したいものは、指導教官にお願いして、学校のプリンタを使用させてもらいましょう。
教育実習にあると便利なもの
先生用の赤ペン
教育実習中は、児童生徒の答案を採点したり、ノートに朱書きを入れたりします。その時に必要となるのが赤ペンです。
教育実習生とはいえ、子どもたちにとっては一人の先生です。せっかくですから、「先生の赤ペン」を用意してみませんか?
細かい朱書きをするために、赤のボールペンや細めの赤ペンも用意しておくと便利です。
定規(長めのもの)
これも、掲示物や教材の作成にあると便利な道具です。普通の定規なら、ペンシルケースに入れてあると思いますが、長めのものがあると便利です。
画用紙や色画用紙を使うことがあると思うので、長めの定規があった方が作業しやすいですよ。
穴あけパンチ
これはあると便利な道具です。
教育実習中は、たくさんのプリントが配られます。それらのプリントに穴があけてないかもしれません。もらったプリントをファイルに綴じるために、穴あけパンチがあると便利です。
スタンプ
教育実習も中盤頃には、子どもたちのノートやプリントを見ることになります。その際、スタンプを押してあげると、小学生の子どもたちは喜びます。
私が教育実習生だったころ、指導教官の先生がスタンプを貸してくれました。しかし、子どもたちにとっては「担任の先生のスタンプ」です。
やはり、担任の先生とは違うスタンプを押した方が子どもたちは喜びます。
多くの種類は必要ないので、1セット持っておくと便利です。
デジカメ
記録用として、デジカメを用意しておくとよいでしょう。最近は写真撮影はスマホが当たり前ですが、まだまだ教育現場ではスマホで撮影するのを快く思わない人がいます。
子どもがいる前で、スマホ片手に…はちょっとね。
ただし、見せてもらう授業を撮影したり、子どもたちを撮影したりする場合は、指導教官と相談してください。勝手に撮影しないようにしましょう。
教育実習校から用意するように言われたもの
教育実習の前に、事前の打ち合わせが行われます。そこで、持ってくるように言われるものがあるかもしれません。
上記に紹介してきたもの以外に、例えば
・自分用のカップ(コーヒー用)
・給食配膳指導のために、自前のエプロン
・食後の歯磨き用に、歯ブラシとコップ
などです。持ってくるように言われたものがあれば、忘れないうちに早めに用紙しましょう。
教科書について
教科書については、教育実習先の学校によって、対応はまちまちだと思います。といっても、下記のどちらかがほとんどだと思います。
・教育実習生が必要な教科書を購入する
・学校が教育実習生に教科書を貸し出す
私が勤務してきた学校でも、上記の2つに分かれました。小学校の場合、実習生の金銭的な負担を減らすため、教科書を貸し出す学校もありました。
教科書を自分で購入するか、貸し出してもらえるかは、実習前の打ち合わせで教えてもらえます。
自分で購入する場合は、学校側が注文し、後で金額を請求される場合がほとんどでしょう。なぜなら、教科書は普通の書店では扱っていないからです。
教科書に関しては、実習校の担当者の話をよく聞いてください。実習前に教科書を手に入れたい場合、事前に相談するとよいでしょう。
服装や髪型
服装
すでに必要な持ち物のところでふれましたが、スーツが基本です。
小学校であれば、行きと帰りはスーツ、日中はジャージ。
中学校であれば、行きと帰りはスーツ、必要な時にジャージに着替えるというのが基本です。
なお、ジャージはあまり派手なものは控えましょう。
派手とそうでないものの線引きは難しいですが、蛍光色は避けた方が無難です。
髪型
まず、髪を染めるのはやめましょう。染めている人は、実習期間中は黒に戻しましょう。
髪型は、前髪が目にかかりすぎないように、さっぱりとさせましょう。髪が長い人は、しばりましょう。
女性の人は、メイクが濃く派手になりすぎないようにしましょう。
髪型はしっかり大学側からも指導が入っているからか、派手なメイクに茶髪という実習生に出会ったことはありません。
持ち物の準備は早めにできます。教育実習が近づいてから慌てることがないように、早め早めに準備をしておきましょう!
教育実習が終わって、採用試験に合格すれば、再び使う道具ばかりです。教員になることをイメージしながら、必要なものをそろえると楽しいかもしれませんね。