教師を志し、念願かなって教員に採用された先生たち。最初に赴任した学校でいろんな経験をして成長していきます。
都道府県や市区町村によって差はあるでしょうが、5~6年程度で異動になると思います。
さて、2校目ではどんな感じで迎えられるのでしょうか。それはもう、元教員だった私の経験だけでなく、周りの先生方も口々に言っていたのは、
即戦力として期待!
です。前任校で経験を積んできており、若さがあってフットワークも軽い。早く新しい環境に慣れて、即戦力として頑張ってほしい!と期待されます。
これは、教員界に限らずどんな職種でも同じですよね。経験があるということは、戦力として計算されているのです。
50代で教員に採用される人もいます。ここでは、圧倒的に多い20代で採用された先生を対象に記事を書いています。誤解しないでね。
私が見てきた先生たちも、多くは即戦力として活躍していました。赴任したその年度から体育主任を務めたり、次の年には20代にして学年主任に抜擢されたりと、期待以上に目立った活躍を見せた先生方もいました。
しかし!中には、「前任校で何を学んできたの?」という先生もいました。
前置きが長くなりましたが、今回はそんな経験がありながら、一体何を学んできたのかと思ってしまうような若手教員の行動をご紹介します。
たくさんあるのですが、今回は3例にしぼって紹介します。
提出書類の扱いを知らない
学校には、さまざまな書類提出の依頼が来ます。多くは事務職員や教頭、そして教務主任などが提出します。
しかし、中には校務分掌の担当が提出書類があります。体育主任が担当する運動に関する調査資料や、生徒指導主事が担当するいじめ・不登校に関する調査資料などです。
こうした調査資料は、当然提出の仕方が決まっていますし、提出期限が決められています。しかし、即戦力として赴任してきた先生(仮にA先生とします)は、提出書類の扱いを全くわかっていませんでした。
具体的には、以下のようなことがありました。
11月頃に学校に届いた依頼文書。内容は、学校にあるICT機器を活用した取り組みの実践報告。A先生は、その年度の情報教育担当だったので、ICT機器を使った取り組みの実践をA4レポート4枚にまとめ、提出するよう管理職に指示を受けました。
しかし、A先生は教職8年目とは思えない行動をしました。
A先生は、提出期限が3月某日であったため、まだ提出まで余裕があると書類をしまい込んでしまいます。そして、しまい込んだことを忘れ、数日前になって思い出し、慌ててレポートを作成しました。
レポートを提出するのはA先生ですが、以来としては学校に来たもの。それをA先生が担当するというだけで、当然提出するレポートは学校のものです。そのため、管理職をはじめ関係職員にレポートを回覧し、チェックを受ける必要があります。
それなのに、個人で出そうとしていました。なぜ発覚したかというと、A先生はベテランの先生に、「このレポートの提出期限が明日なんですけど、レポートを封筒に入れて持っていけばいいんですよね?」と聞いたからです。
ベテランの先生は驚き、提出書類には鑑を付けることや、管理職を通すことなどをA先生に教えました。A先生は「え?そうなんですか?」と知らなかった様子。しかし、ベテランの先生は、「年度初めに、文書提出の手順が示されているでしょ。」と職員会議の資料をA先生に見せました。
結局、管理職が目を通したのは提出期限の日。内容を確認している余裕はないと、そのまま提出となりました。
A先生が教職8年目にありながら、提出書類の扱い方を知らなかったことが残念でした。
ベテランの先生が指摘したように、書類提出の仕方は年度初めに示されます。それは、とても大切なことだからです。だから提出方法に変更がなくても、必ず毎年示されます。
採用されて2~3年の先生であっても、書類提出の仕方がわからなければ、周りの先生に聞きます。
しかし、A先生は依頼された書類は、自分が独断で取り組めばよいという感覚でした。
他にも残念だったのは、学校の取り組みをレポートにするのに、A先生の実践しか載せていないこと。他の先生にも聞かなければ、学校の取り組みにはならないのに。
実はこのA先生。赴任してくる前から、評判が極端で「ものすごく熱意があって一生懸命」という評判もあれば、「協調性がなくて突っ走るから注意」という評判もありました。
周りの迷惑を考えない授業をする
続いては、周りの迷惑を考えない授業をするB先生です。
オープンスペースの学校が増えてきたといっても、従来の公立学校は扉付きの囲われた教室で授業をします。
通常の教室であっても、騒げば隣の教室に迷惑をかけるくらい音は聞こえます。隣のクラスの先生が大きな声で叱ると、隣のクラスの子どもがつられて静かになることもありますよね。
そのため、教室が騒がしくなりそうな場合は、隣のクラスの先生に「騒がしくなるかもしれません。すいません。」と事前に一言伝えるのがマナーです。
もし、授業が予定外に盛り上がってしまい、騒がしくなってしまった場合は、「うるさくしてすいませんでした。」と事後報告をします。
お互い様ですから、教員同士が声を掛け合えば問題はありません。
しかし、B先生は周りの学級のことを考えずに授業をすることがたびたびありました。具体的には、以下のようなことがありました。
- 6年生が学力検査をする1・2限は配慮をしてほしいと依頼があったのに、隣のクラスで学級会をやって盛り上がっていた。
- 教室の中で縄跳びをさせたため、真下のクラスの児童は足音が気になり、授業に集中できなかった。
このB先生。こうやって迷惑をかけても、まったく気にしていませんでした。何回も続いたので、さすがに周りの先生も注意しました。
きっと前任校でも同じことをやってきたと思うのですが、しっかり指導されてきてほしかったと思いました。
教室がにぎやかになることはあります。しかし、他のクラスへの配慮ができないというところに、「ほんとに2校目?」と残念な気持ちになってしまいました。
備品や消耗品の扱いが雑
備品や消耗品の使い方については、私ぴーちょこも経験を重ねるにつれ、新任の先生をはじめ、経験の浅い先生にえらそうに言ってきたことがあります。
- ペンのインクやのりなどの消耗品は、学校の予算で購入したみんなが使うもの。必要最低限しか持っていってはいけない!
- 消耗品が残り少なくなった報告する。なくなった状態や「1個残し」にしておかないこと。
- 教材備品を自分のクラスに持ち込んだままにしないこと。必要なら職員全体に連絡をして許可を得る。
社会人としての常識だと思いますが、2つ目は意外とできない先生がいてショック!
次に登場するのは、C先生。
C先生は、消耗品を必要以上だと思われる数を持っていく先生で、それに気づいた先生が注意をしました。話を聞いてみると、いろんな消耗品を大量に持ち込んでいることがわかりました。
- 自分が使うためなのに、スティックのりを一度に10本以上持っていく。
- 画用紙を必要枚数ではなく、一締め単位で持っていく。
- ダブルクリップを箱ごと持っていく。
などなど。そのため、自分の教室に大量にストックされているという状態になっていたそうです。
そもそも、公立学校は予算的に厳しい学校が多く、消耗品ももってけドロボー状態の学校はほとんどないでしょう。そもそもみんなが使うものという意識があれば、一度に大量に持っていくのはためらわれるはずです。
常識のある人は、大量に使いたい場合は声をかけますよね?
ただ、C先生のこの癖はすぐに直ったそうです。でも、前任校では何も言われなかったのかな?バレなかったのかな?と疑問に思いました。
最後に
2校目となる先生は、即戦力として期待されていることは、冒頭で書きました。実際に多くの先生が、即戦力として活躍しています。
今回は、それなのに残念な行動をした先生を紹介しました。
ただ、2校目でそうした残念な行動をしてしまうというのは、初任校でしっかりと指導されてこなかったからだということでもあります。
初任校でどういう指導を受け、どう学んでくるかが大切だなあと感じます。
最後まで、ご覧いただきありがとうございました。