元教員のぴーちょこです。
今回は、教職1年目の先生に向けての記事です。教職1年目の方(小学校、中学校共通)に向けての記事なので、
・採用試験に合格して、新規採用者として働く人
・残念ながら不合格だったけど、講師として働く人
を対象にしています。教職1年目の人がわかりやすいように、できるだけ簡潔にまとめていきます。教職1年目の人に向けたアドバイスは、書籍でも多数発売されています。この記事を読んで、さらに詳しく学びたい人は、書籍を探すのもよいでしょう。
なお、ぴーちょこは元教員ですが、
・教職経験20年程度
・新規採用者と同学年を組んだ経験あり(自分は学年主任)
・教務主任として、新規採用者の指導教員を務めた経験あり
なので、私の経験を踏まえたアドバイスをしていきます。
私の記事の内容で、他の人にも言われたり、本で読んだりしたことがある!という内容は、それだけ大切なことだと思ってくださいね。
先輩教師の言うことをやってみよう
教えられたことをやってみよう
教職経験がなければ、何をやってよいかわからないことだらけです。
4月当初、入学式を迎えるまでは、子どもたちは基本的に登校しません。そんな中、周りの先生方は慌ただしく動き回っています。
4月1日からとにかく忙しい!入学式、始業式からスムーズに学年、学級をスタートさせるためにやることがいっぱいです。
最初は、何をしてよいのかわからず、オロオロすると思います。しかし、同学年を組む先生が、やることを教えてくれます。書類の整理や、学級開きに必要な名簿作成など、一緒にやろうと声をかけてくれます。中学校であれば、同じ教科の先生が、教材の選定について教えてくれると思いますよ。
とにかく、まずは言われたことをどんどんやっていきましょう。
子どもたちが登校するようになると、いよいよ教員としての本当の仕事がスタートします。授業や生徒指導など、いろいろわからないことが出てきます。ここでも、しっかりと周りの先生に教えられたことをまずはやっていきましょう。
2年目以降、自分なりのやり方が身についてくる
同学年の先生や同じ教科の先生から教わることが多いのですが、多いか少ないかだけで、ほとんどの先生から教えてもらう機会があります。
あの先生とこの先生でやり方が違うぞ?という場合が多々出てくるので、いろいろと悩むことがあるかもしれません。
学校現場において、間違った指導方法というのはありますが、正しい指導方法というものは1つではありません。
人が人を指導するのが教育なので、いろんな指導方法があります。1年目は、自分に合った指導方法はよくわからないものです。だから、いろんな先生に教えられたことをまずはやってみましょう。
でも、「明らかにおかしいぞ?」と思う場合はやめておくか、他の先生に一度相談しましょう。
失敗をするかもしれませんが、2年目以降は、自分なりのやり方が身についてくるはずです。
信頼できる先輩を見つけよう
最初は、周りの先生がどんな先生かわかりません。しかし、一緒に仕事をしていくうちに、理解が深まっていきます。
そうすると、自然と自分が憧れる先輩の先生が見つかると思います。きっとこんな先生ですよね。
- 授業が上手
- 児童生徒の心をつかむのが上手い
- 仕事が速い
- 意欲的に仕事をしている
- 自分に優しく教えてくれる
憧れの先生というのは、子どもたちからも人気があります。結局、人柄に魅力があるということですね。
逆に、教員界には一定数、「こんな先生にはなりなくない!」と思わせるような先生もいるのが事実です。こんな先生には、注意してください。
- 周りの先生から頼りにされている様子もないのに、やたら先輩面して教えてくる先生
あなたが何も知らないのいいことに、先輩面してくる先生がいるかもしれません。教育界に限りませんが、自分より下が入ってきたからといって、実力もないのに先輩風を吹かせようとする人が一定数います。対応に困る場合は、信頼できる先生に相談しましょう。
社会人としての常識を学ぼう
電話のかけ方、服装、来客への対応など、教員にも社会人として学ぶべきことがあります。
しかし、一般企業と違い、ビジネスマナーの学ぶ研修は皆無か、もしくはほとんどありません。
これが、教員の常識は社会の非常識を生み出す原因かも…。考え方が古臭いところが多々あるから…。
でも、教員界での社会常識を学んでおくことは大切です。先輩の先生に教えてもらうことはもちろん、見て学ぶことも大切です。
同期の仲間といろいろ話そう
新規採用者として働き始めた人は、初任者研修があります。初任者研修では、同じ地区で採用された教員同士が集まるよい機会となるので、同期の仲間を作っておきましょう。今後、いろいろと助け合う場面が出てきます。
講師として働き始めた人は、同期の仲間が見つけにくいですが、職場にいる近い先輩といろいろ話せる関係を築いてください。
情報交換から得られるものは多い
違う学校で働く仲間と話すと、同じ教員でありながら、いろいろと違うことがあるのにビックリすると思います。
情報交換から得られるものはたくさんあります。授業の進め方、生徒指導の仕方、校則や職員室の様子など、ありとあらゆることが新鮮に聞こえてくると思います。
繰り返しになりますが、1年目はわからないことばかりです。情報交換で得たことが、次の日から使えるアイデアであったという経験は、私も数えきれないくらいあります。
相談できる同期の仲間を作っておこう
相談できる同期の仲間を作っておきましょう。普段、相談事は同じ職場の先生にすることがほとんどです。
しかし、中には「同期の仲間の方が相談しやすいこと」「同期の仲間にしか相談できないこと」も出てくるかもしれません。
- 授業が上手に進められないこと
- 児童生徒の心がつかめないこと
- 保護者対応に困っていること
- 職場の上司に関すること
- 恋愛相談
同期の仲間は、自分と同じような悩みをもつことが多いです。だから、共感しやすいですし、相談もしやすいです。
あなたが経験を積んでいき、学年主任、教務主任、教頭や校長となっていく時も、同期の仲間が似たような立場で、似たような悩みを抱えます。
相談できる同期の仲間を見つけることは、教員人生を終えるまで相談できる相手を見つけるのと同じことですよ。
変なプライドは捨てよう
教員は、小・中学と優等生であった場合が多い
教員は、小学校、中学校と優等生であった場合が多いです。ですから、意外とプライドが高かったりします。
変なプライドは捨てましょう!プライドが邪魔をして、人に聞けず自分で抱え込む先生がいます。
あなたの周りも、もともと優等生と呼ばれた人ばかりです。あなたは特別ではありません。1年目は、いろんな先生があなたを助けようとしてくれます。わからないことはきちんと相談することが大切です。
自分の学級が配慮されていることを忘れない
「先生の仕事は大変だと思っていたのに、自分の学級は素直な子ばかりで、いろんなことがスムーズにいく。これは、自分がうまく学級経営できているから!」と思う時があるかもしれません。
もちろん、自信を深めることが大切なことです。しかし、「自分の学級が配慮されている」ということを忘れてはいけません。具体的には、
- 保護者対応が難しい子は、はずされている。
- 指導が難しい子は、はずされている。
- 学習指導が困難な子は、はずされている。
- リーダー格の児童が入れられている。
- 比較的おだやかで、教師の指示をよく聞く子が多い。
私が1年目の時、学力検査の結果、3クラスで1番でした。
もちろん、学級編成は均等であることを基本としているので、手がかかる子どもや保護者が皆無ではありません。しかし、ものすごく配慮されていることを忘れてはいけません。
反対に、学年主任のクラスは大変な子をたくさん抱えている場合がほとんどです。
自分のもつ学級が配慮されていることを忘れず、謙虚な気持ちで学んでいくことが大切です。天狗になってはダメですよ。
問題を抱え込まない
先ほども書きましたが、プライドが邪魔をして、人に聞けず抱え込んでしまう先生がいます。
一般的に、教員の特徴として、
・子どもの頃、優等生だった
・まじめ
・責任感が強い
・わりと人生で失敗が少ない(叱られていない)
ということが挙げられます。あなたに当てはまるものはありませんか?
こうした特徴から、相談できずに抱え込む人が出てくるのです。問題を抱え込むと、表面化した時には、大抵ものすごく大きな問題に発展しています。
変なプライドは捨てましょう!
ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を守ろう
ホウレンソウとは、報告・連絡・相談を略したものです。すでに知っている人もいるかもしれませんが、しっかり覚えておきましょう。
学校は組織だ!
まず、学校は組織ということを忘れてはいけません。担任の失敗は、担任の責任ではなく、管理職である校長の責任となります。
あなたが何か問題を隠していた場合、校長はもちろん、同じ職場の先生みんなに迷惑をかけてしまいます。
ですから、どんなことも学校全体で情報を共有するようにすることが大切です。
1年目が中学校の場合、学年主任を中心としたチームで子どもたちに関わることを学びやすいです。これは、中学校が教科担任制であることも大きく関係しています。
しかし、小学校の場合、学級担任と学級の子どもたちの関わりが濃くなりすぎるがゆえに、チームという意識が薄れることがあります。
どんなことでも、気付いたらとりあえず学年主任に伝えましょう。
職員室での雑談が、ホウレンソウの基本
ホウレンソウを固く考える必要はありません。職員室での雑談として、話題にすればよいのです。
私の経験上、「こんな小さなことまで言っちゃダメだと思った」という若手教員を何人も見てきました。気軽に話ができる雰囲気を作るのは、周りの先生方の役目かもしれません。
でも、1年目の先生には、やはり気楽にいろんなことを話してほしいものです。
年度当初は、周りの先生方から「今日はどうだった?」と話を振ってくれると思います。そういう時に。「特にありません。」と答えていたら、いずれ聞いてくれなくなってしまいます。小さなことでもいいから、話題にあげてください。
過去に、学級内の雰囲気が悪くなってきているのに、学年主任に相談しなかった新任の先生がいました。周りの先生が気付いた時には、担任に暴言を吐いたり、授業中に立ち歩いたりするようになっていました。
抱え込まず、もっと早い段階で相談していれば、こんなことにはならなかったはずです。
1年の間で、波があることを覚悟しておこう
教員の仕事は、1年サイクルの仕事を毎年繰り返すのですが、必ず1年の間に良い時、悪い時の波があります。
良い時として
- 場面緘黙だった子が、少し声を出せるようになった!
- 子ども同士、人間関係がギクシャクしていたけど、仲良く遊べるようになってきた!
- 勉強が苦手な子にていねいな指導をしていたら、保護者から感謝の電話がかかってきた!
逆に悪い時として、
- 学級がうまくいっていると思ったら、突然保護者からクレームが来て、対応が大変だった。
- 急に登校できない子が出てきた。
特に、悪い時として、保護者のクレーム対応があります。自分の落ち度を指摘されることをクレームと呼んではいけません。でも、理不尽な要求いわゆるクレームは、確かにあります。しかも、いつ飛んでくるかわかりません。
1年の間に、1回は大変な思いをすることがあるぞ!と覚悟しておく方が気が楽です。ないならないでラッキーですから。
適度にお金を使って、私生活を充実させよう
労働の対価として得られるのが賃金
1年目の最初の給料日。額面を見て、ほっとすることと思います。あなたの労働に対する対価として、給料をもらうのです。自分の仕事に対して給料が払われるのですから、気持ちを引き締めましょう。でも、財布のひもはちょっと緩めてあげましょう。
最初の給料で、親に食事をごちそうするというのはよく聞く話です。
貯金もいいですが、適度にお金を使って、日頃のストレスを発散することが大切です。お金を使うことがストレス発散になるかはわかりませんが、ストレス発散にはたとえ少しでもお金を使うでしょう。
気持ちを上手に切り替えるのも、教員にとって必要な能力です。
趣味の充実が、教員としての魅力を広げる
勉強を上手に教える先生、親身になって相談に乗ってくれる先生は、もちろん子どもたちにとっても保護者にとっても「よい先生」です。
しかし、いろんな趣味や特技をもっている先生も、子どもたちにとっては魅力的な先生です。子どもに限らず、大人から見ても、多趣味な先生は魅力があるものです。
特に、学校の先生という職業は、自分の趣味や特技を子どもたちに直接語ることができる仕事です。
自分の趣味を充実させて、教員としての魅力を広げましょう。自分のストレス発散になり、自分の魅力もあがり、子どもたちにも語ることができるなんて、いいことばかりです。
最後に
冒頭に、「教職1年目の人がわかりやすいように、できるだけ簡潔にまとめていきます。」と書いたのに、思った以上に長くなってしましました。
もう一度、教職1年目の心構えのポイントをまとめます。
- 先輩教師の言うことをやってみよう
- 同期の仲間といろいろ話そう
- 変なプライドは捨てよう
- ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を守ろう
- 1年の間で、波があることを覚悟しておこう
- 適度にお金を使って、私生活を充実させよう
教師は大変な仕事ですが、魅力もまたたくさんある仕事です。
1年目をしっかり乗り切って、2年目以降のさらなる飛躍を期待しています。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。