「白マスク着用」に対するメディア報道の怖さ

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元教員のぴーちょこです。

新型コロナウイルス感染症が広がり、マスクの着用が当たり前になっています。まじめな日本人ですから、ほとんどの人がマスクをしっかり着用しています。それに伴い、マスクが手に入らなくなるといった出来事・・・。

今まで不織布のマスクが50枚で500円もしないものが普通にあったのに、50枚でウン千円と値段が高騰!しかし、それでもどんどん売れてしまった結果、品不足となり、店頭ではマスクが手に入らなくなりました。

その後、洗って繰り返し使用できるからと、布マスクの着用が広がりました。小池東京都知事の布マスクはオシャレであるとマスコミが報じたものです。マスクを手作りする人も出てきて、マスクだけでなく、マスク用のゴムやガーゼまで品薄になっていきました。

さて、マスクが品薄になっていったころ、マスク関連でこんなニュースがありました。

各地の学校で白のマスクを子どもに強要するケースが相次いでいる。

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マスコミは、マスクがなかなか手に入らない中、学校が白マスクを強要していると報じていました。

福井新聞ONLINE 2020年4月24日 午前6時15分の記事より

それに対する世の中の人々の多くの反応は、学校へのバッシングです。

この記事をよんで、私は、「マスコミの報道ってこわいなあ」と思いました。

まず、マスクの白を着用することについて  

・ 白を指定する学校はそれなりにある。(中学校を中心に)  

・ 白を指定としなくても、推奨する学校もある。(強制しないが、白にしましょうという意味。)

中学校は特に白を指定することが多いと思います。理由は生徒指導上の理由から。何でもOKにすると、マスク本来の使い方を逆手にとってオシャレに走る生徒が必ず出てくるからです。

それの何が悪いと思う人がいると思います。しかし、学校現場で仕事をする方なら当たり前の感覚ですが、何でも自由にすると規律にほころびが生じ、学校が荒れることにつながります。もちろん、自由にすることが学校の荒れに直接つながるわけではありませんが、その原因の一つになります。

「自主性が大切だ!」「子どもの自由でいいじゃないか」という意見も当然あるのですが、それで成立する学校もあります。しかし、それでは学校の秩序が保てない学校だってあります。

一般的に学校が荒れやすい地域というのはあります。その学校で働く先生たちがいろいろ考えた上で、白に統一した方がよいだろうと結論を出しています。

そもそも、新型コロナウイルスが流行する前は、白のマスクが一般的でしたし、普通に手に入りました。わざわざ黒といったマスクを選ぶ必要はないのです。 ・・・。

しかし、マスクが手に入りにくくなったいま、学校は白にこだわっていません。世の中の状況を考えれば、白マスクを強制できないことは明白です。そもそも教師である自分たちだって、マスクが手に入らないのですから。

話が回りくどくなってしまいましたが、

結論:このタイミングでの報道にマスコミの悪意を感じる

もちろん、こんな状況でも白マスクを強制する学校があることには、私自身も驚きですが・・・。 ただ、世の中の人に誤解を与えるようなメディア報道がされているような気がするのです。

・マスクの白を強制する学校はあった。ただし、マスクが容易に手に入る時期の校則である。

・マスクが手に入りにくくなった今、多くの学校は白を強制しない。

上記のような状況であるのに、

・ いかにも、どの学校でも白マスクを強要するみたいな記事

・教育委員会からの指示がないと、学校は動かないみたいな感じ

となっています。そして、こうした報道が「日本全国の多くの学校で白マスクが強制される」「学校は非常識」ととらえられてしまいます。

まあ、常識ある方ならメディアの煽るような記事に違和感を感じられると思いますが、こうした偏向的な報道は嫌だなあと感じます。世の状況を鑑みて、マスクの色指定をしていない学校のことも記事に書けばよいのに、と思いませんか。

最後に。

ここ数年、教員の働く環境が劣悪、いわゆるブラックであることをマスコミが報道してくれています。また、同じくらい教員んの不祥事についてもたくさん報道されています。

マスコミなので、いろいろと事実を報道するのは構わないのですが、教員の立場からすると、現場を混乱させるような報道はやめていただきたいと切に願うばかりです。

追記(2020年12月20日)

マスクの品薄状況も解消され、今度は店頭にマスクが余る状況になっています。白マスク報道もすっかり聞かれなくなりました。

子どもたちのマスクの状況は、カラフルなものがいっぱいですね。鬼滅の刃のブームにのっかり、鬼滅マスクをする小学生がいっぱいいます。

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この記事を書いた人

元教員。
公立の小中学校で20年間勤務した経験を生かし、今をがんばる先生方を応援するサイトを作っていきます。

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