元教員のぴーちょこです。
最近、ビジネス書を少しずつ読むようになりました。教員だったころは、全く読まなかった本ですが、読むと新しい発見があって楽しいです。
一般企業においては、利益を追求するために、効率的な仕事の進め方が求められます。
しかし、学校は利益を追求するところではなく、教育の場なので、ビジネス書の内容とは合わないところがあるなあと感じることがあります。
さて、エリートサラリーマンならぬ、優秀な教員とはどんな教員なのでしょうか。
- 授業が上手
- 生徒指導が上手
- 子どもの心をつかむのが上手
- 保護者対応が上手
- 周りの教員に仕事を振るのが上手
教員は、子どもを相手にし、保護者を相手にし、職員室の教員を相手にする仕事です。そのため、コミュニケーション力が必要です。
当たり前じゃん!と思うかもしれませんが…。そう、当たり前なんです。
ただ、最近は若手教員のコミュニケーション力が落ちているように感じる場面が多くあります。
コミュニケーションをとることが苦手という教員だけでなく、あえてコミュニケーションを図ろうとしない教員も増えているように思います。
簡単に言うと、人間関係に対してドライな先生を目にすることが多くなりました。
教員はとても忙しい仕事なので、早く帰宅するためには、集中して仕事に取り組む必要があります。しかし、同僚とおしゃべりをしていたら、帰るのが遅くなってしまいます。
そのためか、早く帰るために、職員室で黙々と仕事をする教員を見かけます。
私は、黙々と仕事をすることを否定するつもりはありません。余計なおしゃべりをせず、集中して仕事を終わらせ早く帰ることは、これからの教員にとって必要なことだと考えています。
問題なのは、必要なコミュニケーションもとろうとしない教員がいることです。
学校で優秀だと言われている教員は、コミュニケーションをとるのが上手です。
この記事では、さまざまな事例を挙げながら、教員間でコミュニケーションをとることの大切さについて紹介していきます。
学年主任と常に連携していたことで、問題が大きくならなかったA先生
これは、私が学年主任のとき、一緒に組んでいたA先生の話です。
A先生は、当時20代前半の教員でした。
私は普段から、「どんなことでも雑談のように話してね」と話していました。A先生はまじめな先生で、学級で起きた小さな出来事でも、毎日のように報告してくれました。
ある時、A先生が、クラスの子の掲示物がゴミ箱に捨てられているのを見つけ、すぐに私に報告に来ました。
A先生から、学級の人間関係について聞いていたので、誰がやったかはすぐにわかりました。A先生の報告が早かったため、その日のうちに両方の家庭に連絡することができました。
もし、A先生が自分だけで解決しようとし、結果うまくいかなかった場合、問題がもっと大きくなっていた可能性があります。
普段から、いろいろと話を聞いていたことで、私も動きやすかったです。
情報共有をしなかったため、学習進度が大きく遅れてから問題が発覚したB先生
B先生は、当時40代の男性教師。当時は小学3年生の担任をしていました。
なぜかわかりませんが、同学年の先生とあまり話をせず、一人黙々と仕事をする先生でした。
一緒に組んだ先生が嫌なのかなあと思っていたのですが、違う先生と組んでも同じでした。単純にあまりコミュニケーションをとらない先生でした。
学年間で情報を共有していなかったため、B先生の学級が他の先生の学級より、学習進度が大きく遅れていることに気付いていませんでした。。
どうして学習進度の遅れに気づいたかというと、保護者から「B先生のクラスだけ、教科書の進みが遅い」と苦情が入ったからです。
普段から、「今、何ページを教えてる?」と学習進度や進め方について話題にしていれば、こんな問題は起きません。
相談なく勝手なことをしたために、校長に激怒されたC先生
C先生は、自主的に道徳の研究をしていました。
当時の勤務校では、落ち着いて学習が始められるようにと、朝に全校一斉の読書タイムを設けていました。
しかし、C先生は自分の道徳の研究のために、朝の読書タイム中、子どもたちに別のことをやらせていました。
もし、誰かに話をしていれば、「全校一斉の取り組みだからダメじゃない?」と指摘してもらえたかもしれません。しかし、誰かに相談することなく勝手にやっていたので、たまたま校内を回っていた校長に見つかってしまいました。
校長室でかなり激しく怒られたようです。
何も報告をせず、学年主任を困らせる新任のD先生
D先生は新任の先生。おとなしい先生で、自分の気持ちをあまり表現しません。新任ですが、言われたことはきちんとこなし、1年目にしては仕事もあまり遅れることなく、周りの先生についていけています。
しかし、「いろんなことについて報告をしてくれない」と学年主任が嘆いていました。報告がないので、一から十まで全部こちらから聞かないといけないのがストレスになると言っていました。
例えば、以下のようなことです。
- 「学年通信に間違いがないかチェックしてね」と言われたのに、チェックを終えた報告をしないので、終わっているのかわからない。
- 学級で困っていることを相談しないため、周りが気が付いた時には学級が荒れ気味になっていた。
- 授業について質問をしてこないので、困っているのかいないのかわからない。
- 学年の仕事を自分がやっていても、「手伝って」と言わないと手伝ってくれない。
「新任だからわからないことが多い」というのを超えている!と、この学年主任は扱いに困っていました。
私も新任の先生と組んだことがありますが、きちんと報告ができるかどうかは、年数は関係ありません。
おばちゃん先生たちと気が合い、いろいろ助けてもらえる若手教員のE先生
E先生は、20代後半の男の先生です。
とても気さくな先生で、おばちゃん先生たちとも上手にコミュニケーションをとっています。
切れた蛍光灯を交換してあげたり荷物を運んであげたりと、進んで体を動かすために、おばちゃん先生たちから気に入られ、いろいろな場面で助けてもらっていました。
いろいろ助けてもらっているため、また自分にできることは積極的に手伝おうとします。
こうした人間関係を築けるE先生は、保護者とも良好な関係を築くのが上手でした。
管理職への確認を怠り、会議を長引かせる教務主任
教務主任は学校運営が円滑に進むように、大切なことは管理職に事前に確認しておく必要があります。
しかし、私が勤務していた学校の教務主任は、管理職と連携をとるのが下手で、会議を長引かせることが多々ありました。
聞いた話をまとめると以下のようになります。
企画委員会で、入学式について教務主任が提案します。昨年度と変更したい部分があったのですが、事前に管理職の意向を聞いておかなかったため、大幅に訂正することに。
そして、企画委員会を経て職員会議で入学式について提案がありました。しかし、教務主任は訂正したものを管理職に見せることなく出したため、「おい、企画委員会で話し合ったことと違うじゃないか」とツッコまれました。
そのため、どこがどう違うかあーだこーだやっている間、他の教員は待たされることに…。
教務主任と管理職の意思疎通が図れていないことが多いため、無駄に会議が長くなることがしばしばありました…。
教員に限らず、仕事ができる人は「根回し」「確認」ができる人です。
最後に
いじめや不登校、対応が難しい保護者など、学校はチームで対応しないとやっていけない時代です。
そんな時代に教員として働くには、教員間でコミュニケーションをとることが絶対に必要です。
教員間でのコミュニケーションを難しく考える必要はありません。雑談でもよいので、気軽に話ができる人間関係を作ることが大切なのです。
自分の周りにいる、「デキる先生」を探してみてください。そして、その先生をよく見てください。上手にコミュニケーションをとっているはずですよ。