教員採用試験を合格し、夢だった教師に!最初の赴任校が決まり、ドキドキした気持ちで4月を迎える…。
さて、新任教師として一体何をしたらよいのか、わからないことばかりでスタートします。
講師経験があれば、学校の雰囲気というものはわかりますが、まっさらの新任の場合、本当に右も左もわかりません。
しかし、わからないからといって、のんびりしている暇はありません。教員という仕事は、即戦力として4月から一人で仕事をする場面が多々あります。
特に小学校の場合、いきなり担任として一つの学級を任されることが多いです。中学校だと、副担任かもしれませんが、授業を一人でやることは同じです。
4月は他の先生も忙しく、新任教師に気を配る余裕はなかなかありません。そのため、自分から考えて動くことが求められます。
4月1日に勤務を始めてから、大体一週間後には入学式、始業式があり、子どもたちが登校してきます。それまでに、できる限り準備をしておくことが、一年をスムーズに進めるために大切なことです。
ということで、新任教師の最初の一週間の心構えについて、元教員の立場から紹介します。
この記事は、子どもたちと出会う前、本当に最初の一週間を想定しています。
教師として初出勤前日までにやること
4月から勤務が始まるまでの間、何もせずに最後の学生生活をギリギリまで楽しんでいる新任教師がたまにいます。
もちろん、ギリギリまで学生として楽しむことを悪いとはいいませんが、何も準備をしないで初出勤を迎えるようでは、社会人としての自覚が足りません。
しかし、勤務校から、「初出勤までに〇〇をしておいてね」と言われることはほとんどないと思います。だから、何をしていいかわからないでしょう。
ということで、以下のことをやっておきましょう。
初日に持っていくものの準備
何もわからないと、ビジネススーツを着て、カバンに手帳を入れていくだけになりがちです。しかし、学校側は、新任教師も転任してくる教師も同じように迎え入れる準備をしています。
ですから、以下の物を初日から持っていきましょう。
- 室内履き(スリッパ、サンダルはダメ)
- 体育館用の運動靴
- 運動のできる服(ジャージなど)
- 印鑑
- 自分用のカップ(裏に記名しておく)
室内履きについては、上の記事をご覧ください。機敏に動けるようにシューズにしましょう。
体育館用の運動靴は、初日に持っていきましょう。初日から、体育館での作業があった場合、ないと困ります。初日に使う可能性は低いかもしれませんが、すぐに必要になるものなので、初日に持っていきましょう。
運動のできる服も必要です。すでに更衣室にロッカーが用意されているはずなので、そこにしまっておきましょう。初日から作業がある学校は少ないかもしれませんが、あると安心です。
初日から、いろいろな書類に押印する必要が出てきます。必ず初日に持っていきましょう。
自分用のカップが必要な学校は、結構たくさんあります。主にコーヒー用なので、マグカップがいいでしょう。裏には必ず記名をしておきます。
当日のあいさつ
初日、朝の打ち合わせで、校長先生から紹介されます。そこで自己紹介をすることになりますので、事前に自己紹介で話すことを考えておきましょう。
新任教師らしく、謙虚ながらも前向きなあいさつができると好印象です。あいさつの例を紹介します。
新任の〇〇です。このたび、△△小学校でお世話になることになりました。バスケットボールが大好きで、中学生から大学生の間、ずっとバスケットボール部に所属していたので、体力には自信があります。わからないことばかりで、先生方にご迷惑をおかけすることが多々あると思いますが、一生懸命頑張ります。どうぞ、よろしくお願いします。
あいさつは短く簡潔に。でも、自分の特徴を一つだけ入れましょう。自分を覚えてもらうためのポイントです。
最初の一週間の心構え
さて、次は実際に最初の一週間の心構えです。
新任教師の最初の一週間の心構えとは、
- 他の先生のまねをする
- わからないことは聞く
- 自分でやれることはやる(学年の仕事が優先)
の3つです。これではよくわからないと思いますので、具体的にどんなことかご紹介します。
他の先生のまねをする
新任教師は、職員室にいても何をしてよいか全くわからないと思います。大抵は、同学年になった先生がやることを教えてくれます。
例えば、年度当初は以下のような事務的な仕事があります。
- 指導要録や保健調査票などの、児童に関する書類の整理
- 児童名簿の作成
- 掲示物の準備
- 教室の、机・いすの高さ調整
- 学年通信の準備
- ドリル、テスト類などの教材選び
学年主任がやってしまうものもありますが、とにかく一緒になってまねをしながらやりましょう。
指示を待つのではなく、見よう見まねで取り組もうとしてください。まねようとして一生懸命仕事をしていれば、先輩の先生方がアドバイスをしてくれるはずです。
指示待ち人間が一番困ります。とにかくやってみよう!
わからないことは聞く
わからないことは、とにかく聞きましょう。しかし、「何をしたらよいかがわからない」状態になるかもしれません。
新任教師の中には、ただ職員室の席に座って初日にもらった職員会議の資料を何となく眺めているだけの人がいます。そういう人は、何をしてよいのかがわかっていません。
他の先生方は、校務分掌に関する仕事を抱えているため、新任教師に構っている余裕はあまりありません。ですから、ある程度学年の仕事が落ち着くと、やることを指示されない時があります。
そういう場合は、素直に「何をしたらよいですか?」と学年主任に聞きましょう。
「何をしたらよいですか?」と聞けるのは、新任教師の特権です。周りの先生は、あなたが仕事のことについて知らないことを知っているので、こう聞いてもかまいません。
2年目以降は、「何をしたらよいですか?」は禁句になります。1年目だけの特権なのです。
わからないからと言って、何もしないことが一番ダメです。そういう姿を周りの先生はよく見ています。
ただし、他の先生に聞くときは、「お忙しいところ、今よろしいですか?」と一言つけましょう。年度当初は特別に忙しい時期です。気配りのできる人になりましょう。
自分でやれることはやる(学年の仕事が優先)
自分でやれることは自分でやりましょう。ただし、個人的なことより学年の仕事を優先させることを忘れないでください。
新任教師ができる学年の仕事とは、
- 学年で配付するプリントの印刷
- 掲示物のタイトルの作成
- 体を動かす仕事(机・いすの高さ調整、ロッカーにシール貼り、荷物運びなど)
などです。自分にもできそうだなあと思うことは、積極的に自分でやりましょう。特に、体を動かす仕事は、忙しい学年主任の先生には喜ばれると思います
学年全体のことを考えながら仕事をすることは、とても大切な視点です。新任教師も、経験を積んだら学年主任を任されるようになるでしょう。自分だけよければいいという考え方をもってはいけません。
中には、自分のことばかりやって、足並みをそろえない先生がいますが、そういう先生をまねしないでくださいね。
学年としてやる仕事にめどが付いたら、次は自分のこと、つまり自分の学級の仕事に取り掛かりましょう。
子どもたちと出会う前にやっておきたいことを紹介します。
- 子どもの顔と名前をおぼえる(前年度の学級写真を見て)
- 子どもの家庭状況を確認する
- 子どもの健康状態を確認する(食物アレルギーは特に)
- 配慮の必要な子どもを確認する
- 校区と子どもの家の位置を確認する
- 子どもたちへの自己紹介を考えておく
- 児童名簿を作成する
- 始業式から最初の一週間の予定を立てておく
- 校内を歩いて、教室や物品の位置を確認しておく
子どもについてわからないことは、学年主任や前年度の担任の先生に聞きましょう。
休みの過ごし方
最初の一週間は、ものすごく疲労がたまるはずです。それは、慣れない環境への気疲れが主なものになります。
別に新任教師に限らず、他の学校から転任してきた先生にとっても、環境の変化は精神的な疲労を大きくします。
ですから、休みはしっかり体を休めましょう。そして、友達に会ったり趣味に没頭したりして、気持ちをリフレッシュしましょう。
教員はかなり体力のいる仕事です。ベテランの先生は、上手に一週間のペースを考えながら仕事ができます。
しかし、新任教師は日々全力疾走のはずです。ですから、しっかり心身を休めることはとても大切です。しっかりと休みを取りましょう。
最後に。
子どもが来るまでの一週間の過ごし方で、その先に一年が決まるといっても過言ではありません。
念願の教師になったのです。すばらしい初年度になることを願っています。