こんにちは。元教員のぴーちょこです。
今の世の中はSNSでつながっています。本当にいたるところでいろんなつながりがあります。
当然、保護者同士のネットワークもあります。その多くはLINEのグループです。わが家にも小学生の子どもがいますが、保護者のグループがあります。
教師としては、いちいち保護者のことを気にしていてはいけないのですが、どうしても気になりますよね。実際にラインでつながっている保護者のグループの実情について、わが子の保護者ネットワークも交えながらご紹介します。
大なり小なり保護者同士はつながっている
ラインのグループですが、大なり小なり確実に存在します。いわゆる「ママ友」と言われるグループは無数に存在していると思って間違いありません。ママ友の規模にもよりますが、仲良し数人のグループはたくさんあります。
ママ友自体は別に何ら新しいことではありません。ずっと昔からあります。ただ、今の世の中はそれがライン等のSNSで簡単につながるということが昔と違います。
大きいグループとしては、クラス全員のライングループというのもあります。実際に、わが子のクラスは、仕切りたがりのお母さんが、「クラス全員のライングループがあったら、連絡など便利なので入りませんか?」と声をかけました。すでに仲良しのママを中心に大きなグループを作り上げていたので、断ると気まずいということで、うちの妻はそのグループに入っています。
信じられないライン上でのやりとり
入ったグループが悪口ばかり言うグループだった
当然、仲の良いもの同士の小さなグループですから、本音を言い合います。
私がまだ教員だったころ、保護者との懇談でラインにまつわる話を聞いたことがあります。仮にこの保護者をAさんとします。
Aさんのご家族は、年度途中で引っ越してきました。近所に、Aさんの子と同じクラスになった子が住んでいました。その子のお母さんをBさんとします。
Bさんは、引っ越してきたばかりのAさんに学校のことをいろいろ教えてくれたそうです。地域のことも学校のこともわからないことが多いAさんは、Bさんに大変助けられたそうです。当然のようななりゆきで、AさんとBさんはラインを始めます。
あるとき、Bさんから「私のママ友を紹介してあげるから」という話になり、直接会ってラインのグループを組んだそうです。そこからAさんにとって、嫌な付き合いが始まるようになります。
Bさんのライングループでのやりとりは、とにかく愚痴が多く、教師への批判や特定の保護者の悪口が多かったそうです。同じグループのママ友もそれに同調するかのような反応をするのだそうです。
Bさんたちママ友は、単なる雑談のつもりなのでしょう。しかし、引っ越してきて間もないAさんにとっては、知らない教師や保護者が多いため、何ともコメントのしようがないということで、とにかく見るたびに嫌な気持ちになると言っていました。また、Bさんには感謝の気持ちもあるから、余計にどうしたらよいか困っているということでした。
Aさんは保護者の立場をきちんと理解している方で、「この話は保護者同士の話ですから、先生に話すのは筋違いなのですが、情報提供と思ってお話させていただきました。」とおっしゃいました。そして、「今は、『そうなんだ~』と適当に合わせてやり過ごしていますが、だんだん距離をおいていこうと思います。」ということでした。
クラス全員加入のライングループはいちいち面倒!
次は、クラス全員が加入しているライングループについてです。冒頭に書いたわが子の保護者のライングループについてご紹介します。以下の話は、実際あった話です。
授業参観の写真を配布しようとする
その日の授業参観は、体育館で学習発表会でした。授業の最後に集合写真を撮るということで、担任の先生が子どもたちを並ばせて写真を撮りました。それに合わせて保護者も写真を撮りました。
その日の夕方、以下のようなラインが入りました。
「〇〇の母です。授業参観の集合写真がきれいに撮れました。うまく撮れなかった人、都合で授業参観にこれなかった人のために送ります。」
学校にはいたるところに貼り紙がしてあります。「撮影した写真や動画は個人で利用することとし、SNS等のネットに上げることはご遠慮ください。」というような内容で。
…。仲の良い保護者に対してこっそり送るならともかく、クラス全体の保護者に向けて送るなんて…。
ただ、そのあと「ありがとうございます!」「本当だ、きれいに撮れてますね!」など、一気にコメントが30件近く入りました。妻は一言、「面倒くさい、どうでもいい…。」
担任が宿題を配り忘れたことをいちいち連絡する
担任の先生が宿題のプリントを配り忘れたことがありました。うちの子は、「先生が配り忘れたと思うけど、友達に聞いてみる」と友達に確認をとりました。友達ももらっていないことを確認できたので、じゃあそのまま明日学校行けばいいねとなりました。
しかしその後、
「今日の宿題について、先生に問い合わせたところ、配り忘れたので宿題は無しということでした!」
というラインが入りました。案の定、その後「ありがとうございます!」といった返信が30件近く入ります。妻は「仕事に集中できないから音を切っておいた」とのこと。
どうしても仕切りたがる保護者はいるんだなと。悪気はないのはわかるのですが、いちいちラインで全員に送る内容でもないと思います。
わが子の保護者ネットワークでは、過激なやりとりはされていないので、別に大きな問題があるわけではありません。しかし、ちょっとしたことを連絡されるだけで、それに反応する保護者もたくさんいるので、一気に20~30件の未読ができていることがあります。はっきりいって面倒です。
教師として注意すること
基本的にノータッチ
いちいち自分の悪口を気にしていてもしょうがない!というのもありますが、教師として中立の立場を保つために、基本的にノータッチです。
これは建前で、本音としては「どうして大人同士のことに首をつっこまなきゃいけないの?」ということです。保護者のライントラブルに教師が介入すると、大抵失敗に終わるはずです。どちらかの肩をもったとか言われるだけですよ、きっと。
ですから、そうした保護者同士でのライングループがあるということを知っておけばよいと思います。たとえ話をされたとしても、保護者も教師の介入を本気で期待しているとは思いません。最初から聞き流すつもりの態度を示しましょう。
自分の悪口は言われていて当然と思えばよい
ラインで悪口を言うような保護者は、しょせんそういう保護者です。担任への不満があったとしても、普通はラインとしてネット上に形を残しません。ですから、ライングループで自分の悪口を言っていることがわかっても、気にしなくてもよいです。
職員室を見渡したって、不満を言いたくなる職場の人はいますよね。全員に好かれることなんてありません。中には自分のことを悪く言う人もいると思っておけばよいのです。
まじめにやっている限り、自分のことを悪く言うのはごく一部の保護者だけです。全員に好かれようと思う必要はありません。一部は自分を信頼してくれる保護者、一部は自分に批判的な保護者、そして大半は自分にあまり関心がない保護者です。
最後に
まとめると、
- 保護者同士のライングループには関わらない(ノータッチ)
- 自分がどう言われているか気にしない
ということです。
SNSの普及で、情報が簡単に共有できる時代になっています。しかし、悪いことばかりではなく、教師にとって良い面もあります。それは良い情報も共有されるということです。
良識のある人なら、ライン上に人の悪口を書きません。しかし、良いと思ったことは伝えてくれます。あなたが子どものためにがんばっている教師であれば、きっと保護者ネットワークで「良い先生」として存在していると思います。
新しく担任することになった子の保護者から、「良い先生だと聞いています」とか「子どもが楽しそうに学校に行っています」などと言われたことはありませんか?そうした口伝えで広まってきたことが、今はネットで広まっています。
一生懸命がんばる先生は評価されると思ってやっていきたいですね。