教員の仕事って、3K(きつい、汚い、危険)ですか?

今回は、教員の仕事に興味がある人、教員志望の方に向けて記事を書いてみたいと思います。

私は、公立の小・中学校に勤務していたので、その経験を踏まえて紹介したいと思います。

教員志望者が減ってきているのは、教員の仕事が大変だからだと思われているからですが、実際はどうなのか興味をもって読んでいただければ幸いです。

ぴーちょこ

教員志望者が増えてほしいけど、現状を伝えることは大切だと思うので現場の様子をお伝えします。

なお、今回の記事での3Kとは、従来の「きつい、汚い、危険」を取り扱います。

事実だけを伝えていくと、教員志望の人が減ってしまうので、教員のメリットも最後に簡単に紹介したいと思います。

目次

教員の仕事はきつい?

結論から言うと、きついです。

特に、教員になった初年度は、何をしてよいかわからず大変だと思います。ただし、初年度が大変なのはどんな仕事も一緒なので、教員だけが大変とは言えません。

では、なぜきついのか。令和5年時点での話をします。

勤務時間内に、教材研究や校務分掌などの仕事をする時間が取りにくい

教材研究とは、授業のための事前準備です。教材を下調べして、効果的な授業方法を考えます。プリントや資料が必要であれば、それらも準備します。

校務分掌とは、児童会や生徒会、生徒指導、保健関係など、学校運営に必要な仕事を教員で分担して行う仕事です。

授業以外の仕事は、上記のもの以外には、代表的なもので部活動があります。

さて、具体的にどれくらい忙しいのか、私が現役だった頃を見てください。

【小学校勤務の時】
実際の勤務時間・・・8:30~17:00
子どもがいる時間・・8:00~16:00

【中学校勤務の時】
実際の勤務時間・・・8:30~17:00
子どもがいる時間・・7:30~18:00(部活動、朝練と午後練ありの場合)

ぴーちょこ

小学校でも勤務時間より前から子どもがいるのおかしくない?でもそれが教員の仕事なんです。(地域による違いはあると思いますが)

小学校勤務の場合、どこで自分の仕事の時間をとるかというと、子どもが下校した後の時間になります。勤務終了まで1時間しかありません。当然、この時間内に終わらないので勤務を延長して仕事をすることになります。

新任教員の場合、一つ一つの仕事に時間がかかってしまうので、毎日午後8時を過ぎるというのは珍しくありません。

一方、中学校教員の場合。最近は部活動の活動時間を縮小、外部へ委託するといった動きがあるので、上記の時間ほど子どもたちの在校時間は長くないかもしれませんが、それでも小学校より拘束時間は長くなると思います。

ただし、中学校は小学校よりも授業が入っていない時間(いわゆる「空き時間」)が多いので、その時間を使って自分の仕事をすることはできます。なお、小学校はほとんどありません。

でも、空き時間を使って校内の見回りをしたり(荒れている学校)、不登校の家庭に連絡したりと、結局自分の仕事ができない教員は多々います…。

ぴーちょこ

何かの対応をしていると、空き時間はあっという間に終わります。

ベテランの先生は、子どもが帰った後のわずかな時間や空き時間を有効に使って仕事を進めています。それでも、勤務時間に仕事が終了せず、午後6時や7時ごろまで仕事をする先生はたくさんいます。

ですから、若手の教員、特に新任教員はさらに勤務時間が伸びることになります。

勤務時間に対して、子どもたちに接する以外の時間が短すぎることがそもそも問題です。

これって教師の仕事?と思われることがいろいろある

教師になって初めて知った、こんなこともやるの?とことがあります。

教員でない知人と話をすると、「え?そんなことまでやってるの?」と驚かれることがあります。私の経験から具体例をいくつかあげます。なお、私個人の経験なので参考までに。強制されたわけではなく、子どものために私の判断で行ったこともあります。

  • 地域主催の運動会に参加
  • 地域の子ども向けたビデオ教材の作成
  • 夜中に家出した子どもの捜索
  • ペンキ塗りやタイル張り(公立はお金がないので、自前で修繕すること多し)
  • PTAの飲み会に参加
  • ネグレクトの子の家庭へ朝ご飯をもって家庭訪問
  • 不登校の子の家へお迎え
  • 集金未納の保護者に支払いを求めるため、市の就学援助費の支払いに立ち会う
  • 登校時の見回り
ぴーちょこ

きっと今後はこれらの対応は減っていくと思いますが、しばらくは変わらないと思います。

保護者対応がきつい!

保護者対応がきついと感じるかどうかは、個人によって違います。

人とのコミュニケーションを苦にしない人もいれば、人見知りで保護者と話すときにいつも緊張するという人もいます。

保護者とのコミュニケーション力は、経験年数とともに培われていきます。ベテランの先生を見ると、保護者の信頼を得ながら上手に対応しているのを見ることができます。

問題は、そんなベテランの先生でも苦慮する、対応の難しい保護者が一定数いることです。

私の経験上、断言します。クラスの中に、確実に対応に気を付けなければならない保護者が一人はいます。

ぴーちょこ

数人のごく小規模のクラスを除き、30人程度子どもが在籍するクラスなら、間違いなくいるでしょう。

対応が難しいといっても様々です。

  • わが子のことを否定されると怒る。(やんわりと伝えることが大事)
  • ネグレクト気味。学用品がそろわない。(こまめに連絡をすることが大事)
  • 気に入らない子とその保護者の文句を言ってくる。(聞くのみ。私見を述べるとトラブルになるので注意)
  • 前年度、学級崩壊したため学校に不信感(子どもが楽しいと学校へ行けていれば大丈夫)
  • 何かと学校に要求が多い。(個人で対応せず、学年主任や管理職に相談)

保護者対応がきつい!と聞くと、保護者のクレームを想像するかもしれません。しかし、実際にはネグレクトの保護者のように、こちらが気を付けていないと子どもがかわいそうという場合もあります。

私は公立学校の勤務でしたが、とにかく公立学校はいろいろな家庭環境の子がいます。義務教育である以上、子どもと保護者はセットなので、保護者対応は切っても切れないものです。

小学校教員はやることが多すぎ!

小学校は、基本的に学級担任制なので、全教科を担任が指導します。高学年は専科教員が担当することが多いですが、複数の教科を授業することは変わりません。

教育実習を経験した人ならわかると思いますが、実習中は1日のうちの1つか2つの授業をやらせてもらいます。総合実習として、1日任される日があると思いますが、それも指導教員がフォローしてくれます。

でも、実際に教員になったら、毎日5時間、6時間分の授業を毎日やっていくことになります。

慣れるまでは、毎日の授業の準備に追われ、きついと感じると思います。

学校行事も中学校よりも細かな行事がたくさんあります。例えば、長縄大会、学習発表会、地域のお年寄りとふれあう会などなど…。

中学校だと生徒が主体的に行事を計画することが多いですが、小学校の場合、教師が計画することが多いです。

授業の準備で忙しいのに、学校行事まで…。学校行事が精選されている学校ならよいですが、いろいろとやっている学校に勤務すると忙しくなります。

教員の仕事は汚い?

子ども相手の仕事ですから、汚れることはあります。

大きく2つあります。

① 気分が悪くて、吐いた後の処理

回数が多いわけではないですが、時々あります。感染予防のために、手袋や消毒液、ゴミ袋などがセットになった吐物処理セットが各学級に用意されていると思います。

② 尿や排便の処理

低学年を担当すると、「おしっこ失敗しちゃった!」ということがあります。特に1年生を担任すると、年に何回か尿の始末をすることがあると思います。

排便の処理をする機会はあまりありませんが、体調が悪くて漏らしてしまう子がたまにいます。体調不良でお腹がゆるい状態の子だと、高学年でも間に合わずに失敗してしまったという子がいました。

尿も排便も、衛生的な面だけでなく、失敗してしまった子への配慮が必要という面でも、スムーズかつ正確な対応が求められます。

特別支援学級の担任になると、尿や排便の処理が日常的になることがあります。私も、まだオムツが外せない子を担任したことがあり、学校で毎日オムツ交換をすることが半年間続きました。

ぴーちょこ

半年かけてトイレトレーニングが完了しました。それでも、排便は失敗することばかりでした。

①の嘔吐、②の排尿や排便以外だと、ちょっとしたことですが、鼻水やよだれで汚れることはあります。

低学年の子だと、鼻水がついた手で寄ってくることがあります。「手を拭きなさい」と言いつつも、寄ってくることにかわいいなあと感じるものです。もちろん、汚い手で触れるのは嫌ですが(笑)。

子ども相手なので、ある程度汚れる対応をしなければならない場合はあります。もしこうした対応を心から嫌だと感じるようなら、教師は向いていないと思います。

教員の仕事は危険?

教師をしていて、大きなけがをする、命の危険を感じるといった場面は日常的にはありません。

ただ、児童生徒の暴力行為により、教師がけがをすることはあります。

ただし、児童教師に対する暴力行為はあまり起こりうることではないので、心配する必要はありません。そもそも、対教師暴力が心配される子へは教員全体で対応するので、一人で抱えることはありません。(もし、担任だけで対応する学校だったらヤバい…。)

ですから、教員の仕事は危険だ!とは言えません。

教員の仕事のよいところを簡単にまとめると?

教員の仕事は大変ですが、よいところもあります。

公立学校の教員は公務員なので、お金の心配をすることがありません。世間が不景気であっても、ボーナスが全くでないということもありません。

ぴーちょこ

教員を辞めて痛感しています。仕事が大変でも、法に触れることをしなければお金がもらえなくなることはありません。公務員だから。

教員のよさについては、下記の別記事をご覧いただければと思います。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

元教員。
公立の小中学校で20年間勤務した経験を生かし、今をがんばる先生方を応援するサイトを作っていきます。

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