日本の小学校、中学校の音楽の授業で活躍する楽器、それは「リコーダー」です。活躍するといっても、リコーダーを吹くのは子どもたちです。
リコーダーは音楽の授業だけでなく、音楽発表会や授業参観、1年生を迎える会や6年生を送る会など、いろんな場面で演奏される楽器です。
そのため、どの子もリコーダーが上手に演奏できるようにさせたいですよね。
でも、「音楽が苦手なんだよなぁ」という先生はいますよね。
苦手意識からリコーダー指導がおろそかになり、担任した1年間であまり上達させることができなかったということにならないようにしたいものです。
ということで、楽器が苦手な先生に向けて、「リコーダーを上達させるコツ」についてまとめていきます。苦手な人向けの記事なので、テクニック的なことには一切触れていません。
私自身が教員時代に取り組んで効果があった実践です。参考にしてください。
リコーダーのすごさ、カッコよさを教える
リコーダーを上達させる最大のポイントは、「リコーダーを上手に吹けるようになりたい」と思わせることです。
そのためには、リコーダーのすごさやカッコよさを教えることがポイントです。
ということで、子どもがおもわず「すごい!」と言ってしまうような動画を見せてあげましょう。もちろん、子どもたちにできそうもない演奏でかまいません。
子どもたちが「吹いてみたい!」と思うような動画を見せることも効果的です。練習すれば演奏できそうな動画を見せることがポイントです。
子どもたちが吹きたくなる楽譜を用意する
子どもたちがリコーダーへの関心を高めたら、次は、子どもたちが吹きたくなるような楽譜を用意します。
コピーして使わないように気を付けてくださいね。
アニメソング
子どもたちの大好きなアニメ。アニソンなら、吹いてみたい!という意欲をかきたてると思います。
難易度が低め
吹きたい曲が見つかっても、あまりにも難易度が高くては挫折してしまいます。比較的簡単な曲が多く収録されている楽譜を紹介します。
おまけ 先生もこっそり練習
子どもたちだけでなく、先生もこっそり練習しましょう。楽器が苦手な先生にとっては、練習するのは大変かもしれませんが、子どもたちをびっくりさせるために練習しましょう。
下の楽譜は、たくさんの曲が収録されていますので、きっと吹きたいものが見つかると思います。
発表の場を設定する
子どもたちが吹きたい曲が見つかっても、その先の目標がなければ、次第に練習をしなくなってしまいます。
そこで、きちんと発表の場を作ってあげましょう。
授業参観の冒頭部部に少しだけ、学級内での発表会など、いろんな発表の形が考えられます。学級の実態や学校行事などを踏まえて設定しましょう。
発表の場と日時を早めに知らせる
発表の場と日時は早めに知らせましょう。突然、「来週、リコーダーの発表会を行います」と伝えたら、子どもたちは大混乱です。
子どもたちが計画的に練習に取り組めるように、早めに知らせましょう。早めに知らせることで、発表までの期間、継続的に練習に取り組むことができます。
リコーダーに限らず、短期集中ではなく、毎日少しずつでも練習することが大切ですね。
グループで練習させる
リコーダーが得意という子もいれば、当然苦手な子もいます。得意な子は一人でも練習できますが、苦手な子はどうやって練習していいかわかりません。
そこで、リコーダーの習熟度を考えながらグループを組ませましょう。もちろん、本人がやってみたい曲を尊重してあげる必要があるので、強制的に教師がグループを決めるのはやめましょう。
演奏を録音する
発表会当日でもいいですし、別の日でもかまいません。ぜひ、演奏を録音してあげましょう。動画でもいいかもしれませんね。
私は、リコーダー演奏を録音し、年度末にCDを作成しました。
CDを作るといった、形として残すことを伝えると、子どもたちはそれを聞いて一生懸命練習に取り組んでいました。
親の力を借りる
親の力を借りるといっても、それほど大げさなことではありません。家庭での練習に協力してもらうということです。
学校でリコーダーを練習する時間は限られています。そのため、いかに家庭で練習させるかがポイントです。
リコーダー練習を宿題にする
多くの先生が実際に取り組まれている方法だと思います。リコーダー練習カードを作り、保護者のサインをしてもらうようにすれば、熱心な親はきちんと家で指導してくれます。
ただ、全てが家庭任せにならないように、楽譜が読めない子にはドレミを書いてあげる、指づかいを教えておくなど、学校できちんと指導しておきましょう。
リコーダーの発表会を行うことを伝えておく
リコーダーの発表会を行うことを伝えておくと、気のある保護者はしっかりと練習をさせてくれます。我が子が発表会で恥ずかしい演奏をしないように!と見てくれます。
発表会を授業参観など保護者が見られる場で設定するなら、子どもたちには招待状を書かせましょう。
まとめ
教師がリコーダー演奏が得意でなくても、子どもたちの演奏力を高めることはだれでもできます。
ポイントは大きく2点です。
・子どもたちをやる気にさせる。
・保護者の力を借りる。
リコーダーは練習すればするほど、どんどんいろんな曲が吹けるようになり、上達したことを感じやすい楽器だと思います。
ですから、子どもたちが自発的に練習に取り組むようになれば、どんどん上達してさらに意欲も高まっていきます。
保護者の力を借りることも大切です。音読と一緒に練習させるのがよいでしょう。リコーダーは親も演奏してきた楽器なので、家で演奏を指導してくれる保護者もいます。
子どもたちのやる気を上手に引き出し、リコーダー好きにさせたいですね。