ぴーちょこが小学生の時、運動会は9月に開催されていました。校長先生の「さわやかな秋空の下で・・・」というお決まりのあいさつで始まったものです。
しかし、ここ近年の異常ともいえる暑さの中では、9月の運動会は残暑が厳しい過酷な開催となる場合が多いです。
北海道は除く!とは言えなくなってきましたね。
運動会の開催を5月頃にしている学校もずいぶん多くなってきました。しかし、まだまだ9月下旬から10月初旬にかけて運動会を実施している学校はたくさんあります。
秋の運動会が、さわやかな季節の運動会ではないことを紹介していきます。といっても、現役の先生方からすれば当たり前のことですが…。また、北海道など地域によっては、私が述べることが当てはまらないかもしれませんが、ご容赦ください。
こまめな水分補給が欠かせない
運動会が9月下旬や10月初旬の開催であったとしても、練習は夏休み明けの9月の頭から始まります。
9月の初めは、まだまだ残暑が厳しく、北海道などの地域を除けば、気温が30度を超えることはめずらしくありません。
残暑という言葉通り、もはや秋の始まりというよりは、夏の延長といった気分です。熱中症にならないように、こまめな水分補給が不可欠です。当然、練習時間も10分~15分くらいで切りながら水分補給をさせます。
暑いからという理由だけでなく、夏休み明けで子どもたちの体調が崩れやすいというのも、水分補給が欠かせない理由の一つです。
児童の控え席は日よけをしなければならない
児童の控え席に日よけをする学校は、結構たくさんあると思います。テントがある学校はテントを、ない学校は遮光ネットを張ったりして、直射日光を防ぐようにします。
これも当然、熱中症対策です。出番以外は日陰で待つことになるなんて、秋晴れの下での運動会とは名ばかりだと感じてしまいます。残暑の中、暑さに負けないようにする運動会です。
話がそれてしまいましたが、児童の控え席に日よけを設置するのは、なかなか大変な作業です。中学校であれば、テントや遮光ネットの設置を生徒が行うことができますが、小学校の場合はそうもいきません。少しくらいは児童に頼めるかもしれませんが、安全面を考えると職員作業となります。
こんな大変な準備をしてまだ、9月の暑さがまだ厳しい時期に運動会をしなければならないのか、疑問に思うことがしばしばありました…。簡易式のテントなら設置が楽ですが、パイプを組み合わせるテントの場合、パイプは重いし部品は多いし大変です。
あ、雨が降りそうなら、テントを骨組みからはずさないといけません。雨がテントにたまって、重みでパイプが折れますからね…。強風が吹きそうでも、テントを骨組みからはずさないと飛んでいってしまいます…。
塩分補給として、スポーツドリンクを認める学校もある
通常、子どもたちが持ってくる水分といえば「お茶」です。定番は麦茶です。
しかし、9月はまだまだ暑いからということで、体からミネラルが抜ける!という理由から、塩分補給としてスポーツドリンクを認める学校もあります。私からすれば、運動会の練習での水分補給は、麦茶で何の問題もないと思いますが…。
塩分補給として、塩飴を配ったり、専用のタブレットを配ったりする学校もあります。とにかく健康第一!
7月頃から、暑さの厳しい時期はスポーツドリンクを認める学校があります。しかし、秋の運動会に向けての練習で、飲み物が真夏と同じ対応になるなんて…さわやかな季節の運動会には程遠いです。
保健室の稼働率が上がる
暑い中で練習をすることで、当然気分が悪くなる子が出てきます。熱中症気味となり、エアコンの効いた保健室でしばらく休む子は少なくありません。暑さの中で、鼻血が出てきて保健室に来るという子もいます。
最近は、エアコンの設置率も高まってきたので、保健室に直行せず教室で休ませる場合も多いでしょう。でも、具合が悪そうだと思えば、保健室へ行かせますよね。
とにかく、暑さが原因で保健室に行かなければならなくなる児童が、毎日毎日必ず出てきます。それだけ、子どもたちにとって過酷な環境での練習なのです。
先生方は、そうならないよう、練習時間を短くしたり、水分補給をこまめにさせたりと、さまざまな対策をされていると思います。しかし、それでも体調が悪くなってしまう子が出てきます。
最近の9月は、いくらなんでも暑すぎです。危険な暑さです。
まとめ
9月の運動会が過酷だと感じるのは、9月末の運動会に向けて9月の頭から、早ければ夏休みから練習が始まるからです。つまり、まだまだ気温が下がる気配がない頃から練習をするからです。
これが、10月末の開催になれば、10月の初めごろから練習をすると思うので、暑さ対策に関してはずいぶん違ってきます。
じゃあそうすればよいと思うのですが、学校はいろいろな行事が目白押しです。きっと多くの学校で、10月は10月で毎年予定があると思います。運動会を10月にずらすということは、他の行事の開催時期も見直さなければならなくなります。
運動会の開催は、学校単独で日程を決めるのではなく、同じ市区町村で(教育委員会単位で)開催日がそろっている場合があります。こういう場合は、ある教員が声を上げてもなかなか反映されないものです。
暑い中でがんばる子どもたちのことを考えると、できるだけ暑い時期は避けてあげたいものです。しかし、暑い中でもがんばることも大切なのかもしれません。あなたはどうお考えですか?
最後までご覧いただき、ありがとうございました。