教員経験がまだ浅いうちは、学級全体をなかなか見ることができません。日々の仕事に追われ、その日暮らしの学級経営になりがちだからです。
学級が荒れるときは、いきなり荒れるわけではありません。
学級の雰囲気が悪くなってきている、学級が荒れてきているというサインが出ているのに、それに気づかず過ごしていった結果、後で取り戻せなくなってしまうのです。
それでは、学級経営がうまくできているかどうか、どこを見ればよいのかポイントを紹介していきます。
私が教員だったころのことも交えて、紹介していきます。
朝読書や朝学習の様子はどうか
多くの学校で、朝読書や朝学習に取り組んでいるのではないでしょうか。朝から読書や短時間の自主学習に取り組ませることで、落ち着いて1日がスタートできます。
教師が教室に来る前から朝読書や朝学習に取り組ませている場合、教室に到着した時の様子を見れば、学級内の雰囲気がわかります。
多くの子どもたちは、きちんと椅子に座っているでしょう。しかし、席を立っていたりおしゃべりをしている子がいれば、学級の雰囲気が良くないことがわかります。さらにひどくなると、教室から出て廊下で遊んでいることもあります。
年度当初はきちんと座って取り組んでいたのに、席を立ったりおしゃべりをしたりするようになってきていたら、学級の雰囲気が悪化していると捉えましょう。
静かに自席で取り組むことが当たり前であるということを、きちんと子どもたちに定着させなければなりません。
そのため、私は教室に入った時に、「今日も静かに取り組めていてすばらしい」「みんな集中して静かに取り組んでいるから、誰もいないかと思ったよ」など、さりげなく学級全体に褒め言葉をかけるようにしていました。
逆に、席を立っていた、おしゃべりをしていた場合、毅然とした態度で対応しました。中には理由があって席を立っている場合もあるので、理由をきちんと聞いてから必要な指導をします。とにかく、絶対に見逃しません。今日くらいはいいだろうと思わず、必ず声をかけるようにしましょう。
中には、座っていられない個別の対応が必要な子がいるかもしれません。発達障害があり、じっとしていられない子がいる場合でも、その子につられないような学級を作ることが大切です。
周りの子どもたちが流されなければ、じっとしているのが苦手な子も、自分の席に座っていることはできるようになっていきます。
教室配置で、学年主任が担任する教室が同学年で一番奥にされていることがありませんか?これは、学年主任が同学年の他の教室の様子を確認することを目的としています。
靴箱やトイレのスリッパの様子はどうか
靴箱やトイレのスリッパの様子は、学級の雰囲気を調べるのに簡単に確認できるところなので、常に意識してほしいところです。
最近では、トイレがきれいになって乾式のところも多いと思います。つまり、トイレのスリッパに履き替えない学校も増えてきているかもしれません。
しかし、靴箱はほとんどの学校にあると思われるので、毎日確認するようにしましょう。
靴箱が、職員室から教室に行くまでの間にあれば、必ず見ていく習慣を付けましょう。
靴箱で確認するのは、以下の点です。
- 靴のかかとがそろえてあるか
- かかとを踏んでいないか
- 大量に砂が入っていないか
靴箱を見て、ごく一部の子だけが乱れている場合、個別に指導すればよいですが、全体的に乱れている場合、学級が荒れてきているかと考えた方がよいです。
トイレのスリッパは、自分の学級だけでなく他の学級の子も使用するので、スリッパがそろっていないだけで自分の学級の雰囲気を判断することはできません。しかし、同じトイレを使用する一部の子どもたちの乱れが、周りに伝播していく可能性もあります。早めに対応しましょう。
子どもたちの話の聞き方はどうか
授業で子どもが意見を言うとき、学級会など、子どもたちがお互いの意見を聞くときの様子も、学級の雰囲気が顕著に表れるところです。
学級が荒れてくると、以下のように変わっていきます。
話をしている子の方を見なくなる
↓
話をしているのに、他のことをする
↓
話をしているのに、隣としゃべる
↓
話をしている子を冷やかす
話をする子を冷やかす子が出てきたら、学級はかなり荒れています。それいに追随する子がいたら、学級崩壊しているかもしれません。
話をしている子だけを見ていると、他の子の様子に気づきません。教員経験の浅い先生は、話を聞く側の子どもたちの様子を見逃すことがあるので注意しましょう。
指導の上手な先生は、全体をよく見ています。
休み時間、子どもたちがコソコソと話をしていないか
休み時間は、子どもたちの素の様子が出やすくなります。そこで気を付けてほしいのは、子どもたちがコソコソと話をしていないかということです。
コソコソ話をするときは、どんな内容の話をするときですか?そうですね。周りに聞かれたくない話です。
子どもたちがコソコソ話をしている時は、聞かれたらまずい話をしていると思いましょう。
何かサプライズを考えている時もコソコソ話をしますが、雰囲気でわかります(笑)。
教室の隅にかたまって、円になってコソコソ話をしている時は要注意です。
学級の雰囲気が良ければ、大きな声でおしゃべりをしています。聞かれて困る話はないからです。みんなで話題を共有し、みんなで楽しそうに会話をします。
しかし、コソコソ話をするようになると、誰かを排除する、特定のグループで秘密を共有するなど、排他的な雰囲気ができてきます。そこからいじめに発展していくかもしれません。
コソコソ話をしているのを見かけたら、やめさせるようにしましょう。コソコソ話をしている様子を見た人がどんな気持ちになるのか、ロールプレイをして考えさせるのも効果的です。
まとめ
学級の雰囲気をチェックするわかりやすいポイントを、4つ紹介しました。
- 朝読書や朝学習の様子はどうか
- 靴箱やトイレのスリッパの様子はどうか
- 子どもたちの話の聞き方はどうか
- 休み時間、子どもたちがコソコソと話をしていないか
簡単にチェックできるポイントなので、毎日意識して見るようにしましょう。
チェックした時に、できていなかったからといって、落ち込む必要はありません。学級の雰囲気は良いときも悪いときもあるものです。大切なことは、学級の雰囲気が悪くなってきたときをいち早くつかみ、すぐに対応することです。
どの子も学級の雰囲気が良い方がいいと思っています。そのために、良くないところは早めに見つけ、ダメなことはダメと早めに指導できるようにしたいですね。
問題が大きくなってから指導するのは、ものすごく大変ですしエネルギーが必要です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。