団塊の世代がたくさん退職していき、どんどん若い世代が入ってきてしばらくたちます。
若くして学年主任になった先生が、全国でたくさんいると思います。今、この記事をご覧の先生の中には、まだ学年主任は経験していないけれど、もしかしたら近いうちになるかも…という人がいるかもしれません。
「来年度は学年主任を頼むね」と言われたとき、「学年全体をまとめるなんて、自分には荷が重い…」「どんなことをしたらいいんだろう…」そんな不安をもつかもしれません。
しかし、前向きに考えましょう!学年主任が若くして回ってくるのは、学年主任を任せられると管理職に思われているからです。
学年主任を任せられない先生は、年齢関係なく学年主任になることはありません。(特殊な状況でない限り)
さて、学年主任になったらどんなことに気を付ければよいのでしょう。
今回は、学年主任になったときにどんなことを意識したらよいのか、私の経験を交えながらご紹介します。
やることはいろいろありますが、意識するポイントは大きく3点です。
1.年間を見通して、学年で取り組むことを計画する
2.学年全体の児童を把握する
3.同僚との人間関係を大切にする
それでは、それぞれについて細かく説明していきます。
年間を見通して、学年で取り組むことを計画する
ポイントとなるのは、「計画すること」という点です。
中心になって運営するのは別の先生でもかまいません。もちろん、学年主任が中心となって運営してもかまいませんが、大切なことは「計画すること」です。
学年主任は、仕事を分担して割り当ててやればよいのです。
具体的にどんなことを計画しなければならないか挙げてみます。
- 学習発表会
- 運動会の学年種目
- 遠足や社会見学
- 学年目標
- 学年通信の作成の方向性
- 学年集会
私が学年主任をやっている時、秋に行われる運動会や学習発表会でも、4月には計画を立て始めていました。とにかく、早め早めに計画を立てていました。
なぜかというと、
仕事を割り当てた同僚に、準備する期間を与えるため
です。
学年主任が全部企画し、運営方法も考え、中心になって動かしていたら大変です。その方が楽だという先生もいるかもしれませんが、仕事を割り当てるというのはものすごく大切なことです。同僚に仕事を振って、同僚を育てるのも学年主任の仕事だと思っています。
私が学年主任を数年経験し、教務主任になったとき、仕事を周りに振ることの大切さをさらに痛感しました。自分にできることは限られています。上手に仕事を周りに振らないと、学校が円滑に回りません。学年主任の間に周りに仕事を割り当てることに慣れましょう。
4月とは言わなくても、「今年の学習発表会は○○○○○でいこうと思うけど、□□先生に担当してもらいたいからお願いね。」と早めに伝えましょう。
もちろん、全部の仕事を同僚に振ると「あの学年主任は仕事を振ってくるけど自分はやらない」と思われてしまうので、きちんと分担しましょう!
とにかく、大切なことは、
年間を見通して、計画を立てることです。
慣れないうちは、他の学年主任の動きをよく見ていましょう。
学年全体の児童を把握する
学年全体の児童を把握するというと、自分の学級と同じように他の学級の児童を把握しなければならないと考える先生がいますが、そんなことはありません。そこまで気負う必要はありません。他の学級より自分の学級の方を理解しているのは、当たり前のことなのですから。
担任をもたない学年主任もいますが、小学校の場合は担任兼学年主任が多いですよね。
学年の児童一人一人をしっかり把握できるなら、もちろんそれが一番です。しかし、初めは配慮が必要な児童についての理解を深めましょう。
同僚の先生と日常的に会話をしていれば、いろんな情報が入ってきます。学年主任は、いろんな児童と積極的にかかわりましょう。
学年主任をやっていると、担任を飛び越して保護者から直接相談されることがあります。
こういう場合、保護者とその担任の関係がこじれている、担任に相談しても解決しないと思われているということが考えられます。だから、学年主任に直で飛んでくるのです。
保護者は、学年主任だから大丈夫だろうという気持ちで連絡してきます。それなのに、「だれ?その子?」というわけにはいきません。
日頃から、少しずつでいいので学年の児童全員を把握できるように努めましょう。
特に、新任教員と学年を組む場合は意識しましょう。
同僚との人間関係を大切にする
今まで出会ってきた学年主任の中で、この人とならまた一緒に仕事をしたいと思った先生の特徴は何ですか?
私の場合は、「一緒に仕事をしていて楽しい」です。
仕事に限らず、雰囲気をよくする人は好かれますよね。学年主任も一緒です。同僚の先生が一緒に仕事をしていて楽しいと思えるような雰囲気を作ることが大切です。
学年は一つのチームですから、学年団の雰囲気がよいと、それが子どもたちにもよい影響を与えます。
それでは、私が理想とした学年主任がやっていたこと、そしてそれを受けて自分が取り組んできたことを紹介します。
日頃から人間関係を築いておけば、ちょっと注意をしなければならないことがあっても話を聞いてくれます。子どもでも大人でも、日頃の人間関係が大切です。
まとめ
学年主任は、以下の3点を意識していればOKです。
1.年間を見通して、学年で取り組むことを計画する
2.学年全体の児童を把握する
3.同僚との人間関係を大切にする
これら3点を意識して経験を積んでいけば、自分なりに学年主任の仕事がわかってきます。そうすると、学年主任としてどんな学年にしていきたいか、さらに具体的な目標を立てられるようになります。
実は上記の3点は、管理職になったときも基本的に同じです。
・年間を見通して、学校として取り組むことを計画する
・教職員全体を把握する
・教職員との人間関係を大切にする
学年主任を任される先生は、将来的に管理職になっていく人が多いと思います。学年主任として学んだことが、その先でもきっと生きてくると思います。
学年主任は大変な仕事ですが、やりがいのある仕事でもあります。
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。