若手教員、特に新任教員にとっては、計画的に仕事をしないと、提出物の締切期限をうっかり忘れてしまい、「しまったぁ!」となることがあります。
「通知表」「出席簿」などは、周りの教員も同時にやっているので、自分だけ忘れたままで気が付かないということはないでしょう。
問題は、自分だけが取り組まなければならない仕事の提出期限です。
新任の場合、初任者研修のレポート作成や研究授業などがこれに当たります。これらの仕事は、教務主任や新任指導を担当する教員も提出期限を把握しているでしょうが、基本的に自分でスケジュール管理をしないといけません。
初任者研修ではありませんが、教員生活5年を終えた先生が、「5年経験者研修」のレポートの提出を忘れており、催促の連絡が学校に来たことがあります。
レポート提出の忘れは個人の責任のように思われますが、「○○小学校、△△中学校のぴーちょこ」というように、学校に所属しているので、当然、校長にも責任が問われます。
想像以上に大きな問題になるので、学校外に関わることについては、特に注意が必要です。
この記事は、以下の方に向けて書きます。
- 新任、若手の教員
- スケジュール管理が苦手で、締め切りを忘れることが多い教員
- 若手を指導する立場の教員(学年主任、教務主任など)
スケジュール管理ができない人を指導する立場の人にも、参考になる記事になっています。
すぐできることは、その場ですぐに終わらせる
毎日仕事をしていると、いろいろと期限がある仕事が入ってきます。しかし、その場ですぐ終わらせられるものがたくさんあります。
こんなような仕事がありませんか?
- 運動会や学習発表会など、学校行事の反省用紙
- 回覧されたプリントのチェック
- 各種アンケート調査
すぐ終わらせることができる仕事ほど、提出期限を忘れてしまいます。提出期限が一週間先だとしても、すぐに取り組めば終わらせられることは、すぐに取り組みましょう。
新任やのんびりしている先生と一緒に組んでいる先生は、「じゃあ今からやってしまおう!」と声をかけ、一緒に取り組ませるのがよいです。
後日、「もう出した?」と確認するより楽ですよね。
提出期限をスケジュール帳に書き込む
提出期限を守る教員は、当たり前のようにスケジュール帳に予定を書き込んでいると思います。しかし、提出期限を守れない先生は、スケジュール管理ができていません。
スケジュールをきちんと管理できていない教員は、以下の2点ができていない場合がほとんどです。
提出期限をスケジュール帳に書くなど、記録していない
提出期限を書いているが、スケジュール帳を見る習慣がない
スケジュール帳に提出期限を書き込んでも、それを見る習慣をつけないと、結局は提出期限を忘れてしまいます。
では、どうしたらよいのか、順を追って説明していきます。
スケジュール帳を用意する
スケジュール帳は毎日使うものでないといけません。理由は簡単です。見なくなるからです。
これは性格によるものなので、絶対とは言いませんが、スケジュールを管理することが苦手な人ほど、スケジュール帳は毎日使うものを選ばなければなりません。
私の経験ですが、学校で使うA4版のスケジュール帳とは別に、持ち運びが便利な小さい手帳を同時に併用していたことがあります。しかし、2冊用意していると結局どちらかを見なくなってしまいます。私は手帳を見なくなってしまいました。
スケジュール管理が得意な人は、2冊以上でも使い分けられると思います。でも、私はダメでした。
ですから、仕事専用のスケジュール帳を1冊だけ用意するのがおススメです。私は、このスケジュール帳にプライベートの予定も記入していました。
毎日使うものなので、A4サイズが一番よいと思います。小さくてもB5サイズです。
学級のこと、児童生徒のことなどいろいろと書き込むので、大きめのサイズでないと使いにくいと思います。
提出期限をスケジュール帳に記録する
まずは、提出期限をスケジュール帳に書き込みます。ここが第一歩です。
スケジュール帳に、学校行事や学年行事などの予定も書きこんでいくと、スケジュール帳に予定がびっしりと埋まっていくと思います。
そのため、他の予定と差別化させるために、提出期限を色分けして記入するとよいです。
例えば、
学校行事や学年行事・・・黒
学校外の仕事・・・青
提出期限のある仕事・・・赤
プライベート・・・緑
のように、色分けすると、パッと見てわかりやすいと思います。
自分の中の期限を設定する
スケジュールをただ書くだけでは、そのうち提出期限を忘れてしまいます。
特に、年度当初に知らされた数か月後の予定など、しばらく先だからと忘れてしまいがちです。
そのため、自分の中の期限を設定し、それもスケジュール帳に書き込むようにします。
例えば、初任者研修で、授業研究のレポート提出の締め切りが11月末だったとしましょう。その場合、どのように自分の中の期限を設定したらよいか、具体例を紹介します。
6月・・・教科と単元の設定
7月31日・・・授業案の作成
8月中・・・学年主任や教務主任に相談、指導を受ける
9月~10月・・・授業実践 → レポート作成
提出期限3週前・・・学年主任に提出(指導を受ける)
提出期限2週前・・・教務主任、管理職に提出(指導を受ける)
提出期限1週前・・・提出先へ提出
学校外へ提出するものは、何が起きるかわからないので、提出期限の1週間前には全て完了するように、自分の中での期限を決めましょう。
新任を受け持つことになった学年主任は、上記のような予定を一緒に組んであげると、ときどき声をかけてあげることができると思います。
提出期限から逆算して、予定を立てましょう。そうすることで、忘れていたから焦るということがなくなります。
スマホのスケジュールアプリも併用する
スマホのスケジュールアプリを併用するのも忘れないようしましょう。
スケジュール帳以外に、絶対毎日見るものといえば、スマホです。
スマホのスケジュールアプリは、入力した予定を通知してくれるので、仕事にも使わない手はありません。
やることリストを作成する
提出期限を守るためには、スケジュール帳を活用するだけでなく、「やることリスト」も作成しましょう。
スケジュール帳に提出期限を記入するだけでは、今、どんな仕事を残しているのかわかりません。
そのため、「やることリスト」として、やらなければいけない仕事を一覧にしておきます。
教務主任の年度当初は、提出書類が多すぎて、一覧にしないと仕事に漏れが出そうでした…。
やることリストのメリットは、提出期限がある仕事を忘れないようにするだけでなく、期限がなくてもやっておきたい仕事をメモしておくことにあります。
私は、やることリストを以下のように分類し、スケジュール帳にメモしていました。
- 提出期限のある仕事
- 学級に関わること
- 学年に関わること
- その他
手書きで書いて、終われば線を引いて消していきます。
やることリストの「その他」は本当にちょっとしたことです。例えば、「100均でカゴを買ってくる」「教室の修繕用に、ドライバーセットを用意する」など、思いついたことをメモしました。
まとめ
提出期限を守ることは、きちんと習慣づければ誰でもできます。
そのためには、きちんとスケジュール管理をすることが大切です。そのためには、
- 提出期限をきちんと記録すること
- スケジュール帳を用意し、毎日見るようにすること
- 提出期限を守るために、期限から逆算して予定を立てること
これらのことが必須になります。
提出期限を守る習慣は、教員になってから3年目までには身に付けたいものです。変な習慣が身についてしまうと、変えることが困難になります。
提出期限をきちんと守れる教員でいたいですね。