小学1年生の担任になったら① ~入学式までにやること編~

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教員採用試験を合格し、晴れて教員となって1年目。受け持つ学年は何年生でしょうか。

いきなり1年生を担任することは少ないと思います。それはなぜなのか。

小学校生活の基礎を身に付けさせるため、細かな配慮が必要だから!

1年生は、小学校がどんなところか知りません。何をするのかもわかりません。1から教えていく必要があります。

そのため、ある程度教員として経験を積んだ先生が担任となります。新任教員が1年生を担任することは極めてまれだと思います。

ですから、1年生を担任することになったら、責任感と同時に、担任できる喜びも感じてほしいと思います。

この記事は、小学1年生を担任することになる先生に向けて、どんな準備をすればよいのか、どんな学級経営をしていけばよいのかなどについて、参考になることを具体的に紹介していきたいと思います。

1年生を担任するのが初めての先生はもちろん、複数回経験していても1年生の学年主任は初めてという先生にも参考になると思います。

その中でも、今回は入学式を迎えるまでにやることについて、紹介していきます。

私も、小学1年生の担任を経験しました。

ぴーちょこ

初めてという不安から、1万円以上、参考図書を買って準備しました。

事前にしっかりと準備をして、落ち着いて入学式を迎えましょう。

目次

やることのチェックリストを作る

入学式前にやらなければならないことは、本当にたくさんあります。

そのため、やることをチェックリストにして、漏れがないようにしなければなりません。チェックリストを作らないと、絶対に混乱するので必ず作りましょう。

具体的なチェックリストを紹介します。参考にしてください。

主に学年で準備すること

主に学年で準備することです。学校によっては、教務主任や他学年の先生が担当するものもあるかもしれません。

学年主任になる先生は、同学年を組む先生と上手に役割分担をしてください。

主に学年で準備すること-3

主に担任で準備すること

続いて、主に担任で準備することです。担任が各自で準備するといっても、学年内で確認しながら取り組んだ方がよいこともたくさんあります。

きちんと連携して、学級内で差が出ないようにしましょう。

学年内で準備の仕方に差がありすぎると、保護者に不安感や不信感を与えてしまいます。

教室の環境整備については、担任が各自で行ったとしても、必ず学年全員でチェックしてください。

主に担任で準備すること

クラス分けをして、担任を決める

クラス分けについては、1年生の担任ではなく、教務主任が関わることも多々あるかと思います。

ぴーちょこ

私が教務主任の時は、私がほぼ考え、それをもとに1年生の担任団に検討してもらいました。

教務主任は、前年度の間に、幼稚園や保育園から新1年生に関する情報を得ているので、新1年生の情報に一番詳しいのは教務主任だと思います。(学校によって違うかもしれません。確認してください。)

教務主任がクラス分けをしたとしても、以下に紹介する点を踏まえているか確認してください。

それでは、クラス分けのポイントを紹介します。

  1. 学級の人数、男女比がどのクラスもほぼ均等になっているか
  2. 出身幼稚園、保育園に偏りはないか
  3. 生年月日に偏りはないか
  4. 特別な配慮が必要な子が偏っていないか
  5. 対応の難しい保護者が偏っていないか

まず、1~3の順で機械的にクラス分けをします。その後、4や5について、幼稚園や保育園からの引き継いだ情報をもとに調整していきましょう。

それでは、それぞれについて説明します。

学級の人数、男女比がどのクラスもほぼ均等になっているか

これは当たり前のことなので、最初に人数配分を決めてしまいましょう。

例えば、90人入学してくるとして、男女比が男子48人、女子42人であれば、

各クラス男子16人、女子14人の3クラス

と、均等に分けられます。

男女比が49人、41人であれば、

A・・・男子17人、女子13人
B・・・男子16人、女子14人
C・・・男子16人、女子14人

という感じになります。

ぴーちょこ

全部の学級がピッタリ同じになることはまれですね。

特別支援学級に在籍する児童がいる場合、交流学級として特別支援学級の児童を受け入れるクラスの人数が少し多くなります。

例えば、特別支援学級の児童が3人入学してくる場合、3クラスに一人ずつ分けたいところですが、3人まとめて一つの交流学級にすることも考えられます。

これは、特別支援学級に在籍する他学年の児童の都合や、交流学級に引率する教員の都合など、学校事情によって変わると思います。

また、特別支援学級の子と幼稚園・保育園の時に仲が良かった子がいるクラスを交流学級にすることも考えられます。

クラス分けには、必ず特別支援学級の担任も交えて決めましょう。

出身幼稚園、保育園に偏りはないか

同じ保育園、幼稚園の子が偏らないように気を付けましょう。

あるクラスは同じA幼稚園の子が6人、別のクラスはA幼稚園の子が1人では、1人になった子がかわいそうですよね。その子の保護者も、「どうしてうちの子だけ、同じ幼稚園出身の子がいないのだろう?」と疑問に思うかもしれません。

まずは機械的に均等に分けましょう。その後、細かいところを決めるときも、同じ幼稚園、保育園の子同士で入れ替えができるところは入れ替えます。

どうしてもできなければ、多少の人数バランスが崩してもかまいません。

生年月日に偏りはないか

意外と忘れがちなのが、生年月日です。

2年生から6年生までのクラス分けでは、ほとんど気にしないかもしれません。

しかし、1年生は、入学するまでどんな子なのか、詳しいことはわかりません。前年度の就学時健診で見ることはできますが、それも短時間なので参考程度です。

過去に、「うちのクラス、早生まれの子が多い」と嘆いている担任の先生がいました。他のクラスに比べて、行動が遅い子、理解が遅い子が多い気がしたので調べたのだそうです。

もちろん、早生まれの子がみんな手がかかるわけではありません。しかし、4月生まれと3月生まれは、やはり差があると思います。小さい子の1年近くの差は小さくないと思います。

生年月日が偏ったクラスができてしまわないよう、可能な範囲でチェックするとよいでしょう。

特別な配慮が必要な子が偏っていないか

上記の3つを機械的に分けた後に、特別な配慮が必要な子が偏っていないかを確認していきます。

当然、偏っている場合は調整をします。

特別な配慮が必要といっても、様々です。幼稚園や保育園からの情報を参考にしますが、詳しく知りたい場合は直接幼稚園や保育園に聞きましょう。

  • 怒りっぽく、トラブルを起こしやすい子
  • 行動が遅く、周りに合わせられない子
  • 知的な遅れがみられる子
  • 疾患等により配慮が必要な子
  • 重度の食物アレルギーの子
ぴーちょこ

配慮が必要な子は必ずいます。できるだけ偏りがないようにクラスを分けましょう。

先ほども書きましたが、1年生は入学してくるまで、どんな子かわかりません。

しかし、幼稚園や保育園の情報から、配慮が必要になることが分かっている子は事前に分けておきましょう。

対応の難しい保護者が偏っていないか

ある意味、一番重要な問題かもしれません…。

対応の難しい保護者が偏っていたら、そのクラスの担任は一年間大変な思いをします。

兄や姉がいる場合は、すでに小学校にいるわけですから、対応が難しい保護者であれば情報があります。

しかし、長子として入学してくる保護者については、わからないかもしれません。しかし、幼稚園や保育園から「保護者注意」で情報を得られる場合があります。

ぴーちょこ

私が教務主任のときは、必ず幼稚園、保育園に聞いていました。大体は聞かなくても教えてくれますが。

保護者について、対応が難しいとわかっている保護者が偏っているなら、できるだけ分けましょう。

名簿を作成する

クラス分けができたら、名簿を作成します。

名簿は以下のものを用意しておくとよいでしょう。

  • 学年名簿(全クラスの児童が一覧でわかるように)
  • 学級名簿、漢字バージョン(事務処理用)
  • 学級名簿、ひらがなバージョン(児童もわかるように)
  • 学級名簿、ルビ有バージョン(漢字の読み方がわかるように)
  • 通学班別の名簿
  • 学童保育へ行く児童の一覧名簿

漢字の間違いがないよう、教育委員会から送られてきたデータを使いましょう。

ぴーちょこ

データは、教育委員会から教頭や教務主任に届いているはずです。

なお、漢字に間違いがないかは、入学式の受付名簿で確認してもらうとよいです。

中には、戸籍は難しい旧字体でも、学校の通常の活動では簡単な方でよいという家庭もあります。

実際に、正式には「渡邉」でも、普段は「渡辺」でよいので、名簿もそうしてほしいと言われたことがあります。

外国籍の子が入学してくる場合、ミドルネームがあることがあります。その場合、名前の表記はどうしたらよいのか、普段はどのように呼んだら良いのかなど、保護者に確認することが大切です。

学年目標、学年のルールを決める

学年目標を決める

学年として、どういう1年生にしたいのか、学年としての方針を固め、学級目標を決定します。

大体は、学年主任が考え、他の担任に提案する形がほとんどだと思いますが、一緒に話し合って考えてもよいと思います。

学年のルールを決める

1年生は、学校生活を知りません。そのため、教えた通りに全て覚えていきます。担任がそれぞれ自分なりに教えていたら、覚えることがバラバラになってしまいます。

そうならないよう、共通して身に付けさせたいことは、学年の共通のルールとして事前に話し合い、決めておくことが大切です。

具体的には、以下のようなことが考えられると思います。

  • 給食の配膳、片付けの進め方
  • 掃除の取り組ませ方
  • 遊具の使い方
  • 宿題の出し方、出す量

給食や掃除、遊具の使い方など、全体に関わることは学年で統一しておくと指導がしやすいです。

また、2年生になってクラス替えが行われても、同じ指導ができるので便利です。

学年通信を作成する

入学式後、しばらくは定期的に学年通信を発行することになります。

すでに兄や姉がいる保護者の場合、1年生のでやるべきことはわかっているので心配はいりません。

しかし、長子の場合、保護者にとっても初めての学校生活となります。保護者もわからないことばかりなので、学年通信が学校からの大切な情報となります。

特に、入学式に発行する学年通信は、年度当初に依頼する様々な書類の記入の仕方を載せます。保護者が読んでわかりやすい内容になっているか、よく検討することが大切です。

また、入学式に配付する学年通信には、担任紹介も載せますね。自己紹介文は、元気に満ちた明るいメッセージを載せましょう。

ぴーちょこ

顔写真も載せておくと、1年担任全員を覚えてもらえるのでおすすめです。

入学してからしばらくは、毎日にように学年通信を発行することになるので、入学式の前にある程度まとめて作成しておきましょう。早めに作成することで、先を見通しながら進めていくことができます。

入学式当日の動きを確認する

クラスの児童の名前を覚える

入学式の前に、自分が受け持つクラスの子どもたちの名前を覚えてしまいましょう。

当日は、入学式中、または学級に移動してから、子どもたち一人一人の名前を呼ぶことになると思います。

名前を事前に覚えておけば、入学式当日である程度は顔と名前を一致させて覚えることができます。

名前を覚えるときは、覚え間違いがないよう、きちんと漢字の読み方を確認しながら覚えましょう。

ぴーちょこ

ルビ付きの名簿を作成して、覚えるのが便利です。

タイムテーブルを作っておく

入学式当日は、ものすごく忙しいです。1年生の担任をやればわかります。子どもたちが来る前から準備は始まり、帰っていくまで心も体も休まることがありません。

忙しい中、焦って行動することがないよう、当日のタイムテーブルを作っておくことをおススメします。

入学式自体のタイムテーブルは、職員会議で提案される入学式案に記載されていると思います。ここでいうタイムテーブルとは、自分自身の当日の動きです。

朝、何時に出勤して、入学式が始まるまでの動き、入学式が終わってから教室に行くまでの動きなど、1日の自分の動きをシミュレーションしながらタイムテーブルを作成しましょう。

学級開きで話すことを考えておく

入学式が終われば、いよいよ教室で初めて自分のクラスの子どもたちに話をすることになります。学級開きです。

入学式が終わっても、まだまだ緊張している子どもたちばかりです。子どもたちの心をつかみながら、緊張をほぐしてあげられるといいですね。

恥ずかしながら、私が1年生を担任した時に考えておいた学級開きのシナリオを載せます。

入学式 学級開きシナリオ

保護者に話すことを考えておく

学年で統一して話すことは、学年で事前に決めておきましょう。

まずは、教室の机に置いてある配付物の確認と説明です。ほとんどの時間がここに費やされると思います。時間を意識しながら、ていねいかつテンポよく説明をしていきましょう。

説明が終わったら、保護者への自己紹介です。多くの保護者に見つめられて緊張すると思いますが、堂々と自己紹介をして、保護者を安心させましょう。

そのためには、自分が話すことをきちんと考えておくことが大切です。ノープランでは、うまく話せないと思います。

子どもも保護者も笑顔で帰ることができるように、希望に満ちた明るい内容の自己紹介をしましょう!

特別支援学級に在籍する子への配慮

最後に、特別支援学級に在籍する子がいる場合の配慮についてまとめます。

入学式前に、会場を見てもらう

特別支援学級に入る子の中には、環境の変化に弱い子がいます。

いきなり入学式に参加すると、会場となる体育館や飾り付けがたくさんの教室に混乱してしまう子がいます。

そうした子には、入学式前日の夕方に、会場を見てもらったことがあります。ただし、担任発表は入学式当日なので、対応するのは別の教員になります。

この時、私は教務主任だったので、私が対応しました。

事前に会場を見てもらうことが必要な場合は多くないと思いますが、必要だと思われるなら見てもらった方がよいと思います。

特別支援学級担任だけでなく、交流学級担任とも話をする機会を作る

特別支援学級の子は、入学式後、特別支援学級に入ります。そこで、特別支援学級の担任と学級開きを行いますが、交流学級の担任とも話をする機会を作りましょう。

交流学級の学級開きが終わったころに、特別支援学級の担任が交流学級まで親子を連れていきます。

そこで交流学級の担任と話をする機会を作ります。同時に、交流学級での座席やロッカーなども見てもらいましょう。

まとめ

1年生を担任することが決まってから、入学式までの時間は多くありません。

チェックリストにやることを書き出して、一つ一つ確認しながら、確実に準備をしていきましょう。

初めて1年生を担任するとなると、いろいろと不安になると思います。私がそうでした。

しかし、周りには1年生の担任を経験したことがある先生がいるはずです。わからないことはどんどん聞いて、アドバイスをもらいましょう。

入学式までにやることはたくさんありますが、がんばった分だけ入学式後の動きがスムーズになります。

子どもたちにも保護者にも、そしてあなたにとっても思い出に残る入学式になることを願っています。

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この記事を書いた人

元教員。
公立の小中学校で20年間勤務した経験を生かし、今をがんばる先生方を応援するサイトを作っていきます。

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