小学1年生の担任になったら、どんな準備、どんな心構えで臨めばよいのかについて紹介します。
なお、入学式前の準備については別記事にまとめていますので、そちらをご覧ください。
さて、今回は「入学式当日編」です。
第2子、第3子の保護者は、さすがに慣れた感じで入学式に来ます。しかし、第1子の場合は、期待とともに不安も抱えながら入学式に来る保護者もいます。
しっかり準備をして入学式を迎え、ガッチリと保護者の心をつかむ入学式にしましょう!
入学式が始まる前
早めに起きて、服装を整える
当日の朝は、早めに起きるようにしましょう。
きっと緊張で自然と早起きになるけどね
時間に余裕をもって、身支度をしましょう。
入学式間近になって焦らないように、服やアクセサリーなどは早めに準備をしておきましょう。
なお、入学式の服装ですが、学校によってきまりがない場合は、学年で話し合っておきましょう。
略礼服でそろえたいという学年主任かもしれませんし、女性は明るい色のスーツでと考えている学年主任かもしれません。学年できちんとそろえておきましょう。
入学式の服装について話題にならない場合は、自分から学年主任に聞きましょう。
タイムテーブルを確認しておく
早めに家を出て、早めに学校へ到着しましょう。
学校へ到着したら、タイムテーブルを見て、一日の流れを確認しておきましょう。時間通り進まないことがあるかもしれません。流れをしっかり頭に入れておけば、時間に余裕があるのか、急がなければならないのか、考えながら行動ができます。
入学式は自然と流れていくので、入学式後の学級開きについて、きちんと頭に入れておくとよいです。
教室と入学式会場を確認する
教室と入学式会場を最終確認しておきましょう。前日に、きちんと確認はしていると思いますが、念のため最終確認をしましょう。
確認をすることで、その後に行われる入学式に向けて、気持ちが高まってくると思います。
教室の確認
- 飾り付けが外れていないか
- 児童机の上の配付物は整頓されているか
- 床にごみが落ちていないか
- 飾ってある花は生き生きしているか
入学式会場の確認
- 飾り付けが外れていないか
- 1年生が座るいすの数があっているか
- 飾ってある花の花びらが落ちていないか
- 自分が座る座席の位置はどこであったか
入学式が始まったら
不測の事態には、別の教員が対応してくれる
入学式が始まるまで、そして入学式の最中に不測の事態が起きた場合、きちんと周りの先生がフォローしてくれます。というか、そういう役割分担になっていると思います。
入学式中、1年生は予測もしない行動をするかもしれません。
例として、私の経験を紹介します。
いすに座っていられなくて、入学式中にも関わらず、フロアに寝っ転がる子がいました。しかし、近くで待機していた教員がフォローに入りました。担任は何もしません。
担任としては気になるかもしれませんが、焦らず堂々と構えて、不測の事態への対応は他の教員に任せましょう。
担任紹介では、大きな返事と笑顔を!
担任紹介の時、校長から担任発表されると思います。その時、必ず大きな声で返事をしましょう。そして、にこやかな笑顔を絶やさないようにしましょう。
子どもたちにも保護者にも、「明るくて元気な先生」であることを印象付けたいですね。
かわいい1年生たちを見ていたら、自然と笑顔になると思います。
児童名を呼ぶときは、ゆっくりはっきりと
小学校によっては、担任発表の後に、担任がクラスの子を名前を呼んで返事をさせる場合があります。
新入生が少ない学校だと、やっている学校が多かったです。
その際、児童名を呼ぶときは、ゆっくりはっきりと呼びましょう。
ポイントは、名字と名前の間を必ず空けて呼ぶことです。
○・・・さくら ももこさん
×・・・さくらももこさん
声に出してみてください。どちらの方が子どもにとって返事がしやすいかわかると思います。
名字の後に少し間をとってから名前を呼ぶことは、予令と動令と同じです。
前ーーー、ならえ!というのと同じですね。
名字を呼ばれた後に間があると、返事をする準備ができます。名字と名前を続けて呼ばれると、返事をする準備が整わず返事がしにくいです。
相手は1年生なので、名字と名前の間を必ず空け、ゆっくりリズミカルに呼んであげると、大きな声で返事がしやすいですよ。
入学式が終了した直後
記念撮影を待つ間に、子どもたちとコミュニケーションを
入学式が終了したら、そのまま記念撮影をする学校が多いのではないかと思います。
会場になるのが体育館の場合がほとんどだと思われるので、子どもたちと教師だけでなく、保護者も一緒に撮影します。
写真を撮るのは案外時間がかかります。そのため、その間の待ち時間がかなりできます。
私が1年生を担任した時は、担任したクラスが4組だったので、撮影は4番目でした。15分くらいは待っていたと思います。
その間、私は子どもたちとコミュニケーションをとっていました。といっても、クラスの子を全員集めて何かをするわけにはいかないので、並んでいる子どもたちの列の先頭から順に声をかけていきました。
ボーっと待っていることがないようにね!
ここで、ポイントです。
- できる範囲で、名前と顔を覚える。
- 今後注意が必要そうな子をチェックする。(目が合わない、落ち着かないなど)
- 後で教室で褒めるネタを見つけておく。(姿勢、笑顔、返事など)
教室で学級開き
さあ、入学式が終わり、教室に移動が完了しました。実は、ここからが最も緊張する時間です。
先ほどまでは、入学式といってもあまりやることはありませんでした。しかし、ここからは担任として一人で子どもたちと保護者に話をしていくことになります。
当日までにしっかり準備をしておくことが大切です。すてきな出会いとなりますように。
トイレに行きたいか声をかける
教室に戻ってきたら、トイレに行きたいかどうか確認しましょう。教室に戻ってきて、まず初めにやることです。
1年生は、学校生活に慣れるまで、定期的にトイレに行きたいか声をかける必要があります。
1年生は自分から言い出せない子もいるので、時間がある場合は、全員トイレに連れて行ってもよいかもしれません。
なお、トイレには他の教員が手伝ってくれるはず(役割分担されているはず)なので、担任は教室で待つことになります。
全員が教室に戻ってくるまで、担任は教室で残っている子どもたちと待ちます。いろいろ話しかけて待ちましょう。
担任の自己紹介
いよいよ自己紹介です。難しい自己紹介はいりません。子どもたちに必ず覚えてほしい点は、以下の2つです。
① 担任の名前
② 自分のクラス
この2つをしっかり覚えられるような自己紹介をしましょう。
参考例として、私がした自己紹介を載せておきます。「小学1年生の担任になったら ~入学式までにやること編~」という記事に掲載したものから、自己紹介のところを抜粋したものです。
入学式 自己紹介例子どもの名前を一人一人呼ぶ
時間があれば、子どもたち一人一人の名前を呼んであげましょう。(上記の自己紹介の例に記載してあるので、参考にしてください。)
教師だけの自己紹介では、会話が一方通行になってしまいます。
そこで名前を呼んで、返事をさせます。大切なことは、褒めて自信をもたせることです。
全員の名前を呼んで返事をさせると、意外と時間がかかります。そのため、褒め言葉は短く一言で十分です。
ただし、教卓から名前を呼ぶのではなく、教師が移動して子どもの前に言って名前を呼びます。そばまで行って、目を見ながら名前を呼ぶことが大切です。
保護者へのあいさつ
保護者へのあいさつは短くてかまいません。この後、配付物の確認や説明があって時間がかかるので、手短に済ませてしまいましょう。
1年生の担任になるのが初めてであっても、保護者の前では言わないようにしましょう。意味のないマイナス発言をする必要をありません。あなたは、期待されて1年生の担任になっているのですから、堂々と自己紹介をすればかまいません。
自己紹介の参考例です。良い例、そしてダメな例です。
保護者の皆様、お子様のご入学、おめでとうございます。1年○組の担任になりましたぴーちょこです。入学式で子どもたちの笑顔を見て、期待とともに担任として気持ちが引き締まる思いがしました。元気な子どもたちに負けないように、私も明るく元気にがんばります。
1年生ということで、何かと心配なことは尽きないかと思います。どんなことでも構いませんので、何かお聞きになりたいことは遠慮なくご連絡いただければと思います。
1年間、どうぞよろしくお願い致します。
保護者の皆様、お子様のご入学、おめでとうございます。1年○組の担任になりましたぴーちょこです。私にとって、1年生の担任になるのは初めてです。いろいろと不安なことはありますが、全力でがんばりますので、保護者の皆様のご協力をよろしくお願いします。
ダメな例ですが、がんばる気持ちを表しているようで、保護者からすれば、「初めてだから、大目に見てね」という意味にとられてしまうかもしれません。
配付物確認
続いて、配付物の確認を行います。ここは、学年でしっかりと打ち合わせをしておくことが重要です。
クラスによって、説明する内容に違いが出てはいけません。
配付物の封筒に入っているものだけでなく、その他にもたくさん配るものが児童机の上に置かれています。説明漏れがないように、チェックリストを作りましょう。
チェックリストを作っておけば、どのクラスも同じ順番で配付物を確認することができるので、説明漏れが起きる可能性が低くなります。
焦ると説明漏れが出てしまうので、チェックリストを見ながら、説明した項目はチェックしていきましょう。
万が一、不足していたり状態が悪いものがあったら交換します。きちんと予備を準備しておきましょう。予備数が少ないものに関しては、学年主任の教室に置いておくなど、予備の保管場所を明確にしておきましょう。
それ以外の緊急事態は、近くにいる別の教員に助けを求めましょう。
さようならのあいさつ
説明することが全て終われば、学級開きは終了です。さようならのあいさつをします。
子どもたちが明日から楽しみに学校に来れるよう、元気よくあいさつの号令をかけましょう!
「明日から先生は教室で待っているね」などと、明日からの生活を教師も楽しみにしていることを伝えましょう。
学級開きが終わった後
個別に話がある保護者に対応をする
さようならのあいさつの前に、保護者に次の一言を言っておきましょう。
もし、個人的にご相談などありましたら、この後直接お声がけください。
このように言わなくても、話がある保護者は来ると思います。しかし、ひかえめな保護者にとっては、「先生が話を聞いてくれる」と安心します。
中には、聞けない保護者もいるんですよ。こちらから声をかけることで、保護者は安心して聞きに来ます。
話しにくる保護者はそれほど多くないと思いますが、数人は来ると思っていましょう。
心配なことや配慮してほしいことなど、相談を受けたことはきちんとその場でメモをしましょう。
特別支援学級の保護者、子どもと話をする(交流学級の場合)
自分の学級が特別支援学級の児童の交流学級となっている場合、その保護者とも必ず話をしましょう。
特別支援学級の担任と事前に打ち合わせをしておき、学級開きの後で話をする時間を設けましょう。
保護者に伝えたいことは、事前にまとめておきましょう。以下に参考例を挙げます。なお、特別支援学級の担任から事前に伝えていることもあるでしょうが、確認のために重なっても同じように話をしましょう。
- 交流学級での座席やロッカーの位置
- 交流学級で受ける授業
- 学級経営方針
保護者と直接関わるのは特別支援学級の担任ですから、顔合わせとあいさつ程度でよいと思います。こちらから話すより、保護者の思いや願いをしっかり聞くことに重点をおきましょう。
子どもと保護者が帰った後
入学式、学級開きが終わり、子どもと保護者が帰ったら、緊張の糸が切れて心地よい疲れがくるでしょう。
一息ついたら、明日に向けての準備をしなければなりません。早速、翌日から子どもたちは登校してきますからね。
入学式で得た情報を共有する
記憶が新しいうちに、入学式で得た情報を共有しましょう。
- 入学式や学級開きで気になった子ども
- 保護者から相談を受けた内容
大きく上記の2点です。特に、気になった子どもについては、他の教員からも話を聞きましょう。多くの教員から「気になる」と言われた子は要注意です。明日から注意して見る必要があります。
保護者から相談を受けた内容について、健康に関することについては必ず養護教諭とも情報を共有してください。
その他、重要だと思われることについては、管理職にもきちんと報告しましょう。
明日以降の準備をする
情報の共有ができたら、明日以降の準備をします。
入学式前から、すでに一週間分くらいの予定は立てていると思いますが、子どもたちの様子を見て修正するところがあれば、直しておきましょう。
入学式の翌日からが、本当の始まりです。がんばっていきましょう!