授業のお宝発見?学校を探検してアイテムゲット!

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今、ご自分が勤務されている学校の中を隅々まで歩いてみたことがありますか?実は学校には、教材となるいろいろなものが眠っている場合があります。使える物から、本当にただのガラクタまでいろいろ見つかります。

ICT機器が少しずつ導入されてくる時代です。しかし、日本のデジタル化は世界基準でみると、かなり遅れています。さらに公立の学校となると…。

ということで、まだまだアナログな教材や資料が必要です。

ぴーちょこ

デジタル教材も便利だけど、手に取って触れられるアナログ教材のよさは今後も必要です。

さあ、夏休みや冬休みなどの長期休業を利用して、学校の中を探検してみましょう!そして、授業に役立つものを確認し、今後に役立てましょう。

目次

教材備品を探そう

学校にある教材備品を使っていますか?普段から使っているものばかりでなく、使ったことがないものにも目を向けてみましょう。

中学校の先生は、さすがに専門教科だけあって、備品を積極的に活用する先生ばかりです。逆にもっとほしいと購入希望を出されることも多いです(特に理科)。

しかし、小学校の先生は、使用したことがない備品がたくさんあるはずです。しかし、教科ごとにまとめて保管してあると思うので、ぜひ積極的に活用しましょう。

ぴーちょこ

使い方がわからないような備品は、他の先生に教えてもらいましょう。

ということで、ここからは小学校の先生向けの記事になりますが、ご容赦ください。

算数の備品を活用しよう

算数備品はそれなりに種類があると思うのですが、どうしても教科書やプリントだけで進んでしまいがちです。以下のものがあるかもしれないので、探してみましょう。

方眼黒板

最近は、黒板に貼ることができるマグネットシート式のものが増えています。しかし、昔ながらのボート型もあると思います。グラフや図形の単元で使用しましょう。

ただし、重いので取り扱いには注意しましょう。また、マス目が白か黄色だと思いますが、線を引くときは見やすい色のチョークを使用しましょう。

教師用時計模型

すでに使用している先生が多いかも?時計の学習に使用します。古いものはネジが緩んで使いにくいことがあるので、事前にチェックしましょう。

リットルます

算数の学習用に購入されているのではないでしょうか。かさの学習をするのに使います。数セットあれば、グループで使用することもできます。リットルますの存在に気付かず、理科室からビーカーを持ち出していた先生はいませんか?ビーカーが足りなくなるのでやめましょう(笑)。

古いものは、割れていることがあります。使う前にチェックして、水を入れた時に漏れてくるものは使用しないようにしましょう。

分数説明板、分数説明模型

分数を理解させるための教材です。円を分割したピザ型のものや、りんごを等分した模型など様々な種類があります。探してみましょう。視覚にうったえることができるため、分数が苦手な子の指導に役立ちますよ。

上皿自動はかり

重さの学習で使います。算数用のものがあるでしょうか?はかりはけっこう壊れていることが多いので、きちんとめもりが0に合うかチェックしましょう。

なお、家庭科用のはかりを持ち出すことはやめましょう。家庭科用のはかりは調理用なので、重いものに対応していません。子どもが壊してしまうことが予想されます…。

立体模型

立体の学習で使います。木製のものや、プラスチック製のものがあります。立方体や直方体、球や円錐など、必要に応じて使いましょう。ただ、複数渡してしまうと、積み木を始める子が出てきます…。注意!

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お菓子の箱を単元の導入で使うことがあるので、自分でも用意しておくといいですよ。〇ップスターやプ〇ングルスは円柱形ですね。

国語の備品を活用しよう

マス目黒板(ノート指導用)

低学年の児童は、ノートに写すだけでも一苦労です。マス目黒板を使って、ノートの書き方を指導しましょう。マグネットシート式だと手軽に使えます。

マス目黒板(原稿用紙用)

原稿用紙の使い方を教えるのにとても便利です。これも、マグネットシート式があるとよいですね。

原稿用紙の使い方は、定期的に指導していかないと身につきません。子どもたちが原稿用紙に正しく書けるようになるまで、積極的に活用しましょう。

水書板

書写の毛筆を指導するときに使用します。マス目が入っているもの、入っていないものとありますが、どちらでもかまいません。あれば、毛筆の指導にとても役立ちます。

もし、学校の備品になければ購入してもらった方がよいです。一度使うとやめられません。

社会科の備品を活用しよう

地球儀

どこの学校にもあると思います。使ったことがない先生は、ぜひ活用してください。古い地球儀であっても、緯度や経度の学習には十分使えます

教室に持ち込んだままでもよいのなら、一つでよいので置きっぱなしにしておくと、興味がある子が自然と勉強しますよ。

地図掛図

これも古いものなら結構残っていると思います。世界地図、日本地図、地方別など用途に合わせて使うと便利です。子どもたち一人一人に地図帳を使わせても、全員に説明するときには掛図があると便利です。

もし、ソ連が載っているような古い地図があれば、捨てないでとっておきましょう!歴史の学習で、役立ちます。

地図を示すときは、コンピュータを使ってグーグルアースを使う先生も多いと思います。しかし、アナログな掛図も便利ですよ。

遺物模型

歴史の学習で、土器や土偶、石包丁などの道具を学習します。これらのレプリカである遺物模型が学校にないでしょうか。「みんなのために苦労して探してきたよ。本物だから大切に扱うように。」と言えば、信じるかもしれません(笑)。

理科の備品を活用しよう

理科の備品は、理科準備室にほとんどが保管されているので探しやすいと思います。専門的なものも多いので、職場に理科に詳しい先生がいれば聞いてみましょう。理科の備品は、授業内容に関係ないものでも、子どもたちの興味をそそるものがたくさんあります。大人でも試してみたいというものが見つかるかもしれませんよ。

プレパラート標本

顕微鏡の使い方を学習するのに使いました。プレパラートを作ることは別の機会にして、まずは顕微鏡でものを見ることを優先しました。植物の細胞のプレパラート標本があったので、それを使用しました。

水中の小さな生物の標本があれば、それを見せるのもよいですね。標本なので動きがないのが残念ですが、汲んできた水から見つけられない場合は、参考として見せてあげるとよいと思います。

化石や堆積岩の標本

写真ではなく、実物に触れられるのは子どもたちも喜びます。セットがたくさんあればよいですが、1セットしかなくても順番に見せてあげましょう。

学校の歴史に関するものを探そう

学校を探検していると、学校の歴史がわかる資料が見つかる場合があります。特に、歴史が長い学校、特に戦前からある学校ですと、戦争に関わる資料があるかもしれません。

歴史に興味がある人だとお宝のような資料でも、興味がない人からしてみれば、ただの古いものです。そのため、保存状態が悪いものがあります。

一部の資料は、「学校の歴史」として掲示されていることがあります。そうした資料が掲示されている学校は、それ以外にも資料が隠れている可能性があるので、探検してみてください。

なお、そうした貴重な資料は、たいてい耐火金庫か校長室にあります。

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校長室に勝手に忍び込んじゃダメですよ!「学校の歴史を調べている」と伝えれば、熱意のある先生だ!と理解してもらえるはずです!

以下に紹介していくのは、私が勤務してきた学校で見つかったものです。

写真資料

職員室前の廊下に、いろいろな写真が飾ってあると思います。しかし、学校を探すと、掲示されていない貴重な写真が見つかることがあります。

これまで私が勤務してきた学校の中で、戦前からある学校は、確実に古い写真が残っていました。時代の幅はありますが、以下のような写真が見つかりました。

  • 台風で校舎が水につかった時の記録写真
  • 学級写真(明治時代から)
  • アメリカから「青い目の人形」が贈られた時の写真
  • 校舎が増築・改築されたときの記録写真
  • 航空写真
  • 昔のPTA活動(昭和40年代くらいから)

学校の記録

金庫の中を探すと、様々な台帳がしまってあるかもしれません。古い台帳は、「永年保存」と書いてあるので、金庫の奥の方まで探してみましょう。または、別の保管室みたいなところにあるかもしれません。

学校沿革誌

学校の歴史が記載してあるものです。これが見つかると、歴史の学習で大変参考になります。実際に、戦時中の記録を見たら、戦争に関わる様々な行事が行われていたことがわかりました。

  • 軍事教練が行われたこと
  • 軍の人が学校を訪れたこと
  • 戦争を礼賛する行事が行われたこと
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「教科書に載っていることが、自分たちの学校でも行われていたんだ」と知った時の子どもたち。やはり食いつき方が違います!

修了証書台帳

古いものですと、「修了證書台帳」という旧字体で書かれていると思います。中身は、卒業生の名前が並んでいるだけですので特に使うところはありません。

しかし、国民学校時代の修了証書台帳を見つけたので、「戦時中はこの学校も国民学校と名称を変えたんだよ。」と説明しながら表紙を見せました。

個性調査簿

個性調査簿とは、子どもの性格や成績などを記録した帳簿です。かなり古い書類で、今では考えられないくらい個人情報満載の資料です。

個人情報満載ですので、当然教材としては用いることはできません。しかし、教師にとっては学校の歴史を学習するよい資料だと思います。

なお、「個性調査簿」という名前でなく、「個性観察簿」「児童観察簿」など違う名前の場合もあるようです。

成績のところは、「優」「良」など一文字で記載してありました。性格のところも、短く簡単に書いてあります。今の通知表を考えたら、驚くほど簡単な記述です。

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でも、もっとビックリしたことが以下の2点です!

1つ目は、「思想」という欄があったことです。親の思想が記録してあり、ほとんどは「問題ナシ」というような記述でしたが、中には「注意」のような記述もありました。

2つ目は、家庭が裕福かどうかの欄があったことです。つまり、学校は各家庭の経済状況を把握していたことになります。

教材には使えませんが、見て興味をひく資料ですので、紹介させていただきました。

その他の資料

他にも以下のような資料が見つかりました。

掛け軸

何かの書の掛け軸です。虫に食われて穴だらけでした。歴史的価値があるかどうかはわかりません。鑑定団に見ていただきたかったです。

硯と文鎮のセット

大正時代のものだということは、箱の表記からわかりました。しかし、誰のものなのか、どういった経緯で学校にあるのかわからず、ただの古いものとして今も眠っていると思います…。

最後に

備品は自分が知らないだけで、使えるものはたくさんあります。せっかくあるのなら、ぜひ活用したいですね。

また、備品ではないですが、学校の歴史に関するものも見つけられれば、教材としての価値は高いです。戦前からある学校には、たくさんの資料があるかもしれません。歴史に興味がある先生なら、ぜひ探してみてください。きっとワクワクしてきますよ。

あなたの学校には、まだまだ知られていない秘密があるはずです。歴史的な大発見をしてください!

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この記事を書いた人

元教員。
公立の小中学校で20年間勤務した経験を生かし、今をがんばる先生方を応援するサイトを作っていきます。

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